うぐいす浄土逗留記 の商品レビュー
「隠れ里の客人」 見覚えのない場所。 何も分からない場所で泊まる怖さはあるだろうが、それよりも不審な者たちが活発になるであろう夜に飛び出すのは悪手だろ。 「見るなの座敷」 開けてはいけない。 帰ることが出来ないのならば馴染んでいくしかないが、積極的に探し回ることをしていなければ...
「隠れ里の客人」 見覚えのない場所。 何も分からない場所で泊まる怖さはあるだろうが、それよりも不審な者たちが活発になるであろう夜に飛び出すのは悪手だろ。 「見るなの座敷」 開けてはいけない。 帰ることが出来ないのならば馴染んでいくしかないが、積極的に探し回ることをしていなければ物語を知っていても無理だろう。 「山の叫び声」 迷い込んできた人。 家族に心配されてるだけでなくニュースにもなっているというのに、戻りたいという意思が日に日に落ち着いてるのは疑問だな。 「渡り人の夜」 呪詛に蝕まれた体。 声を聞かずとも想いが伝わってくるのは、時に便利だろうが余計なことまで知ってしまったら苦しむことになってしまうだろう。 「人の恩返し」 隠し事はおしまい。 どれだけ小さなものだったとしても相手がいる限り、安易に大切な家族の未来を奪うような約束をしてしまうのは危険すぎるな。
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伊緒も七郎さんも穏やかで不器用でとてもかわいい。 語り部が存在することで、この里がまたにぎやかになったりするのかな? 何にせよ、ハッピーエンドでよかった。知恵をめぐらせていいとこどり、最高です。
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主人公が隠れ里に紛れ込んだ必然的な理由が終盤まで見えてこないので、随分とやきもきした。 一方でヒーローは序盤で彼女を守って片目を失うので、代償が大きい。 (彼は気にするなと延々繰り返しているけれど、そりゃ気にするよ……) 主人公もヒーローもお互い人がいいからなあ。 小さい頃に触れて以来忘れ去っていた昔話が多数登場するので、読んでいて随分懐かしかった。 『うしかたと山んば』とか、もう本当に懐かしすぎて涙が出た。 ヒーローの元ネタの話も印象的な話で覚えていたので、まさかこんなところで再会することになるとはと驚きもした。 隠れ里であやかしも登場し、命が狙われるような場面もあるにはあるが、全体的には主役二人がまったりしていることもあり、優しさ漂う話だったと思う。 殺伐とした話もあるけれど、危機感をあまり覚えなかったというか。 主人公の実家での扱いを考えると、ほのぼので済ませていい話でもないのだけれど、やはり主役二人の性格の影響は大きかったように思う。 お蔭で、ほっこり読めた気がする。 しかし、この主人公はほんわかしてはいるが、やるときはやる行動派でもあるので、ラストの展開には別の意味で驚かされた。 続きそうな雰囲気でもあり、このまま「めでたし、めでたし」で終わるハッピーエンドでもいける気がする。 ラスト後を想像するのは野暮だろうか。 でも、彼女も折角居場所を手に入れたことだし、新しく与えられた役目を果たすところも見てみたい。 続編出ないかなあ……
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昔話の民俗学と著者の得意な妖怪ものが上手く混ざって、面白い作品でした。 何故、主人公は隠里に行かなくてならなかったのか? ということを探していくミステリ風味な所もよかったです。 このような昔話の民俗学は何冊か、研究書も読んでいるので、次の作品も楽しみです(^^)
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