小説 パウロ の商品レビュー
使徒パウロ(サウロ)に関する最大の謎は、 〝サウロの回心〟といわれる出来事です。 ユダヤ教のファリサイ派に属し、 キリスト教徒を迫害していた人物が、 なぜイエスの教えの伝道者となったのか? かつてパウロは律法の狂信家であり、 神殿における礼拝と律法の順守を 最も大切なものとして...
使徒パウロ(サウロ)に関する最大の謎は、 〝サウロの回心〟といわれる出来事です。 ユダヤ教のファリサイ派に属し、 キリスト教徒を迫害していた人物が、 なぜイエスの教えの伝道者となったのか? かつてパウロは律法の狂信家であり、 神殿における礼拝と律法の順守を 最も大切なものとしていました。 彼にとってイエスの新しい教えは、 神を冒瀆し、ユダヤ人を惑わすものであったはずです。 それがある日突然、 ユダヤ教の律法や伝統を批判する キリストの福音の伝道者となりました。 イエスの教えをユダヤ人のみならず、 地中海沿岸の広い地域の異邦人にまで説いて回ったのです。 パウロは初期教会の中で異質の存在でしたが、 新約聖書の中にみられる多くの書簡を残した彼の旅は、 キリスト教が全世界に広まっていくきっかけとなりました。 パウロはイエスの直弟子ではありません。 回心はイエスの死後のことでした。 なぜあれほど熱狂的であったユダヤの律法を捨て去り、 なぜ最期はローマで斬首に処せられ殉教するほどの人になったのか? この小説を読めばそのことが少しはわかるかもと思って手に取りましたが、 期待したような斬新な描写はありませんでした。 聖書に記載された事柄だけでは 情報量があまりに少な過ぎるということは理解できますが、 それにしても小説なのですから、 もっと作者の想像力を反映させてもよかったのではと思う一方、 それでは史実とは違ったものになってしまうということもわかります。 信仰が絡むだけにむずかしいことなのかもしれませんね。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
Posted by
- 1