新九郎、奔る!(6) の商品レビュー
ゆうきまさみ著ということもあり、キャラクター描写が生き生きしている。30代の私からすると、言い回しがバブルっぽくて少し古臭く感じるところもあるが、とはいえ、そもそも時代劇。新九郎の少年期の話であり、当時の武士の政治話であり、そのなかで、所領のゴタゴタに巻き込まれる主人公の葛藤が、...
ゆうきまさみ著ということもあり、キャラクター描写が生き生きしている。30代の私からすると、言い回しがバブルっぽくて少し古臭く感じるところもあるが、とはいえ、そもそも時代劇。新九郎の少年期の話であり、当時の武士の政治話であり、そのなかで、所領のゴタゴタに巻き込まれる主人公の葛藤が、読んでいて心地よい。
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ま、そういうもんだよね、戦国時代入りたての頃の片田舎では…新九郎の奔走によって、猫の額程の領地での角突き合いが1巻がかりでやっとこさ解決したものの…個人的にはとってもダメージだっただろうねえ。この時代に生きるには、些か生真面目過ぎる感があるしな。これがゆくゆくは小田原北条氏の祖になって、うちの一族を追い詰めて滅ぼすことになるかと思うと。享徳の乱の方は、遠い昔、小中学生向けの『神奈川県の歴史』で、古河公方成氏とか太田資長あたりの話を読んだ記憶があって、そうかあ。これがそのうち新九郎が関東に向かう契機に、と。
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伊勢新九郎盛時(のちの北条早雲)、室町幕府政所官僚・伊勢家の所領・備中荏原(岡山県井原市)のイザコザを解決するために赴任して来て約1年、父親の盛定が政争に敗れて隠居した為、5巻目終わりにして正式に御領主になった。 今回手に入れた7巻目までは読み切ったのではあるが、6巻目の感想を...
伊勢新九郎盛時(のちの北条早雲)、室町幕府政所官僚・伊勢家の所領・備中荏原(岡山県井原市)のイザコザを解決するために赴任して来て約1年、父親の盛定が政争に敗れて隠居した為、5巻目終わりにして正式に御領主になった。 今回手に入れた7巻目までは読み切ったのではあるが、6巻目の感想を書いているのは、先日井原市荏原(えばら)への旅を敢行した為である。7巻目にそれをリポートしたい。これによって、若干16歳の領主新九郎の地方所領経営の大変さと巧みさ、大人の対応、青年としての悩みなどが、リアルにわかるようになった。 例えば、6巻冒頭で新九郎が京都で伊勢家東荏原領主を拝命して帰ってくると、西荏原と元荏原地区支配者・那須一族との間に境目争いが起きていた。「那須のやつら、戸倉館の対岸の山中に砦らしきものを築いてやがる。やる気満々じゃねーか」と伊勢九郎盛頼(西荏原の名代)は言っている。解説はないけれども、私の調査によると戸倉にはもともと那須一族のお城があったし、現有那須の城・小菅城の真下なので、彼らが領有を主張しても、決して根拠なきことではないと推察仕る。 実際に荏原を回ると、確かに九郎盛頼が自虐するほどのド田舎なのである。平地に限れば、荏原地区は歩いて1日で回れるほどの土地に過ぎない。それでも、その土地を先祖代々守ってきた彼らにはそれなりの矜持がある。一方、300年前平家討伐の際の那須与一の功で土地をゲットした那須一族にも、矜持があるだろう。守るべき、統一した法律はない。しかしそれなりの秩序を作っている。中世は正にアウトローたちの時代なのである。 新九郎はどうしたか?戦はしたくない。無駄な血が流れるからである。よって、先ずはお寺の古文書を調べて戸倉が伊勢家所領であることを示した上で、京都のツテを利用して手打ちを斡旋する。お陰で、初恋の人を失うことにもなるわけだが‥‥。 登場人物の性格付けは、ゆうきまさみ色が強いものの、史実的にあり得ない展開は一切ない。リアルな中世絵巻。物凄く読み応え、見応えある作品である。 中世の人々、強かで賢い。おもしれーじゃねーか。
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6巻ゆえ基本構造は割愛。 時代背景を語りつつ、領地の問題お金の問題、煩悩たる恋心の問題。 家督を継いだ新九郎の悩みがテーマになる。 分かり易さを優先して、セリフにカタカナ語の混じる歴史モノではあるが、地方領主の領地問題とかかなり分かり難いのでもっと嚙み砕いてくれてもよ...
6巻ゆえ基本構造は割愛。 時代背景を語りつつ、領地の問題お金の問題、煩悩たる恋心の問題。 家督を継いだ新九郎の悩みがテーマになる。 分かり易さを優先して、セリフにカタカナ語の混じる歴史モノではあるが、地方領主の領地問題とかかなり分かり難いのでもっと嚙み砕いてくれてもよかった気もする。 いっそ法律バラエティ番組レベルで、揉めている理由と解決プランを示して欲しかった。 それでも、硬いだけの普通の歴史モノよりは分かり易いんですけどね。
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領主になって荏原へ戻った新九郎。そこに待ち受けていたのは、勢力争いと貧窮と初恋…心身ともに揺さぶられることばかり。前途多難な領主生活の始まり…。相変わらず表記とルビの交錯での読みにくさはあるものの、物語がちゃんと新九郎中心に展開するようになって、ようやく面白さが前に出てきた感じ。...
領主になって荏原へ戻った新九郎。そこに待ち受けていたのは、勢力争いと貧窮と初恋…心身ともに揺さぶられることばかり。前途多難な領主生活の始まり…。相変わらず表記とルビの交錯での読みにくさはあるものの、物語がちゃんと新九郎中心に展開するようになって、ようやく面白さが前に出てきた感じ。政治も男女関係も、16歳の若い衆にはまだまだ難しい大人の世界。この先どうなる!?
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このヌボーと進む感じがこの作者らしい。 もうちょっと、もうちょっと、なんか欲しい。 真面目に資料集めたんだろうな 凄いと思うけど 小説ならもっとぱっぱと読めるのに。
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