民俗知は可能か の商品レビュー
もはや書名からして、もやもやモード炸裂なのであります。序章の一行目から「不思議なタイトルかもしれない。民俗知は可能か、という。むろん、民俗学は可能か、ではない。あえて民族知という言葉を選びたい。それでは、民俗学と民族知と言い換えてやることで、なにが劇的に変わるのか、いかなる可能性...
もはや書名からして、もやもやモード炸裂なのであります。序章の一行目から「不思議なタイトルかもしれない。民俗知は可能か、という。むろん、民俗学は可能か、ではない。あえて民族知という言葉を選びたい。それでは、民俗学と民族知と言い換えてやることで、なにが劇的に変わるのか、いかなる可能性の外縁が広げられるのか。」この質問の答えは最後まで出ません。ただ著者の学として体系づけられない情熱が満ち溢れています。そもそも「可能か」って聞いている相手は、読者ではなく著者自分自身か、あるいは本書で取り上げられるもう亡くなったしまった先人たちであるのです。そういう意味では、石牟礼道子、岡本太郎、網野義彦、宮本常一、柳田国男へのラブレターを集めた本ともいえましょう。あるいは仏壇の前での一人語りか…。著者が語り掛ける相手は、いずれも民俗学と文学・芸術の狭間にいた人なので、学問の人、赤坂憲雄が、アウトプットを持った人々に対して「うらやましいなぁ~」と訴える本かもしれません。
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図書館本、赤坂さんの本、いくつか読んでいるけど、とても面白かった。岡本太郎と網野善彦さんのところが興味惹かれた。この二人の著作を読んでみようと思う。特に、岡本さんは芸術家だと思っていたけど、民俗学、社会学がベースにあることには驚いた。大阪の博物館に行ってみたくなった。今は無理だけ...
図書館本、赤坂さんの本、いくつか読んでいるけど、とても面白かった。岡本太郎と網野善彦さんのところが興味惹かれた。この二人の著作を読んでみようと思う。特に、岡本さんは芸術家だと思っていたけど、民俗学、社会学がベースにあることには驚いた。大阪の博物館に行ってみたくなった。今は無理だけど。個人的に中世に関心があるので、網野さんが中世を中心に研究されていたので、面白い。とりあえず、赤坂さんの『岡本太郎の見た日本』と網野さんの何かを読んでみよう。
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