三つの庵 の商品レビュー

クリスチャン・ドゥメ(著者),小川美登里(訳者),鳥山定嗣(訳者),鈴木和彦(訳者)

2021/04/08

大きな亜熱帯植物が繁っている庭が欲しい。

三つの章からなるこの本の最終章は松尾芭蕉についての評論文。ペンネームに芭蕉なんて憎いセンスだなあと思う。この本から引用すると、

「この植物を伴侶に選んだ人の心が持つ、秘めた異国趣味と、植物の生への細やかな思い、さらには風変わりな事物に対する心遣いと敬意の入り混じった複雑な嗜好も見えてくるー中略ー光と影、揺れ動く空気、そしておそらくは風に揺れる木々の音も感じられる。」

奥の細道すら読んだことないけど、国語で習った蝉の声と荒海やと夏草やの句は芭蕉すげ〜よと思う。まさにこれ！この感覚をガチな言葉で直接に表現しようとするんじゃなくて(それは不可能だし、それよりも強く）たった17音で暗示するなんてクールすぎるよバショー。