ファシズムへの偏流(上) の商品レビュー

竹岡敬温(著者)

2022/12/14

1920年代にはフランス共産党の幹部であった。
党の方向性を巡る争いに敗れ1936年に共産党を離党。
その後フランス人民党を結成し、ファシズムに接近する。
1940年の対独降伏後は、対独協力者として自身も東部戦線へ従軍する。
1944年の連合軍のパリ入城後はドイツへと亡命する。
1945年2月、自動車で移動中に所属不明の航空機の機銃掃射により死亡。

という人生を送った、フランスにおけるファシストおよび対独協力者の
代表的な人物の評伝。

馴染みのない人にとっては奇異なものに映るかもしれない、
共産党員からファシストへの転向は、
　当時において、極左と極右は、直線の両端ではなく、円環の隣接部である。
という、私が学生時代に師事した先生の言葉どおりの動きです。