レモン の商品レビュー
ミステリのようだと思ったら、ミステリではない。あとがきを読んで、やっとこの本の主題が分かった。「事件の被害者家族が向き合う喪失」は意外と描かれることは少ないと思う。また、喪失に対して丁寧な描写はとても良いと思った。
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ミステリーだと思って読んでたら、ちょっと違かった。 正確にはミステリー要素のある作品であった。 生と死について語られている。 内容は短いながらも伝えたい内容は分かりやすくシンプルで読み易い。 生きている人たちが何を背負って生きていくかに焦点を当ている為、ミステリーだと思って読...
ミステリーだと思って読んでたら、ちょっと違かった。 正確にはミステリー要素のある作品であった。 生と死について語られている。 内容は短いながらも伝えたい内容は分かりやすくシンプルで読み易い。 生きている人たちが何を背負って生きていくかに焦点を当ている為、ミステリーだと思って読んでいると違和感を感じる。 ハン・マヌの馬鹿っぽい話し方は少しやり過ぎで読みにくく感じるけど、恐らくそれも伝えたいことを引き立てる為な気がする。 個人的にはミステリー作品を期待していたけど、それを差し引いても面白い作品だと思った。
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これは最初に思っていたよりめちゃくちゃ面白かった。なんというか面白さの度合いが高い。書き方も良かった。章だてて視点がかわる。美人で有名だった女子高生が殺されてその容疑者とされた同じ高校の生徒がいた。殺された女子高生の妹が元容疑者や周辺人物に会いに行くお話。それだけじゃないんやけど...
これは最初に思っていたよりめちゃくちゃ面白かった。なんというか面白さの度合いが高い。書き方も良かった。章だてて視点がかわる。美人で有名だった女子高生が殺されてその容疑者とされた同じ高校の生徒がいた。殺された女子高生の妹が元容疑者や周辺人物に会いに行くお話。それだけじゃないんやけど。盛りだくさんだし、犯人ははっきり書かれてないけど分かるしそこだけでも面白かった。韓国の小説ってなんでこんなに面白いと思えるんだろう。ワタシには面白いものが多い。
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帯には「黄色い天使の復讐が始まる」とか「哀悼と報復のサスペンス」とか書いてあって、訳者あとがきには著者は「死を扱ったミステリーを書きたい」とあったけど、サスペンスやミステリーを期待したらちょっと違うねんな。そちらは想像の余地やら余韻で楽しむ作品かもしれん。 それにタイトルに惹かれ...
帯には「黄色い天使の復讐が始まる」とか「哀悼と報復のサスペンス」とか書いてあって、訳者あとがきには著者は「死を扱ったミステリーを書きたい」とあったけど、サスペンスやミステリーを期待したらちょっと違うねんな。そちらは想像の余地やら余韻で楽しむ作品かもしれん。 それにタイトルに惹かれて読んだんやけど、なんで「レモン」だったのか、読み終わってもわからへん。謎。 ま、映画「パラサイト」のように格差の実態を描きながら、著者いわく「深い喪失感に陥った人たちの痛み」に重点を置いて書かれた作品ではないかと思う。 この小説が長編にリライトされる前の作品が、韓国では舞台化されたらしい。著者はその舞台を観て、さらに加筆修正してこの小説が完成されたとか。 日本でも、どこかの劇団がやってくれへんかな。 そうそう、この著者クォン・ヨソンさんはかなりの酒好きで「春の宵」という短編集など、酒絡みの作品一色で、これもおもろかった。
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女子高生が殺された。犯人はわからないまま。この事件に関係したすべての人物が誰も苦しみながら生きている。姉を殺された妹でさえ、母が喜ぶならと美しい姉に似せた整形手術を繰り返し、容疑者扱いをされた男性は兵役中に骨肉腫になり、診断が遅れに遅れ、足を切断しても転移して亡くなる。亡くなった...
女子高生が殺された。犯人はわからないまま。この事件に関係したすべての人物が誰も苦しみながら生きている。姉を殺された妹でさえ、母が喜ぶならと美しい姉に似せた整形手術を繰り返し、容疑者扱いをされた男性は兵役中に骨肉腫になり、診断が遅れに遅れ、足を切断しても転移して亡くなる。亡くなった姉をめぐる苦しい網目がはりめぐらされているけれど、痛み分けをして生きることのお話でした。
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