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グローバル・タックス の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/11/07

簡単ななまとめ 情報技術の進歩とタックスヘイブンの登場によって、企業の利益や高所得者の所得への課税が困難になり、その穴埋めとして消費税等、移動制の低い税金に財源が傾斜しているのが昨今の情勢である。 グローバル企業は商標権など、妥当な金額で評価することの困難な無形資産を、租税回...

簡単ななまとめ 情報技術の進歩とタックスヘイブンの登場によって、企業の利益や高所得者の所得への課税が困難になり、その穴埋めとして消費税等、移動制の低い税金に財源が傾斜しているのが昨今の情勢である。 グローバル企業は商標権など、妥当な金額で評価することの困難な無形資産を、租税回避地に所在する現地法人に低額で譲渡する。別の現地法人にはその無形資産の使用料を高額に設定してそれを費用に計上して、租税回避地ではない現地法人の税引前利益を少なくする手法をとる。 租税回避の解決策として 3 つの案が提案された。わかりやすく解説されていたのだが忘れてしまった。 また EU といった超国家的な統治機構がこの歪な状況の是正に一役買うことも期待されている。 感想 グローバル企業の租税回避的行動等によって、中低所得層が割を食っている現状を是正することは必要だろう。 しかし GAFAM 等大手テクノロジー企業や VC は貯め込んだ豊富な資金によって有力スタートアップに多額の資金を供給し、科学技術の飛躍的な発展を成し遂げたことも事実である。それは行政の包括的な企業の支援より無駄が少なく、効率的に資金を投入することを可能にさせただろうと思う。 また株主の利益の最大化を目指すことが使命である株式会社や、競争環境に置かれている会計事務所はそれぞれの目的を達成するため最良の手段を取るだろう。そして、現状、租税回避ができる環境である以上、それを利用するのは必然である。 課税の強化を図る必要があるのは、累進性の喪失による中間層の生活苦から極右の台頭を許し、民主制そのもの危機が生じたことや、政府の役割を強化することによって一般的な経済学でよく用いられている、市場の失敗や独占への対処の強化が必要だからであろう。

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2022/09/14

タックスヘイブンとか国際課税について興味がある人向けの本。 グローバルに事業を展開する主にデジタル分野の多国籍企業に対して現在の国際課税の制度が追いついていないことがよくわかった。

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2021/09/23

パナマ文書の公開依頼、GAFAを中心としたグローバル企業の露骨な税金対策が話題となり、その対策のために各国がGAFAへの課税方法を検討している。 基本的にこうした企業は、無形資産(システムなど)をタックスヘイブンに安値で売却し、その無形資産が価値を生み出しているように見せること...

パナマ文書の公開依頼、GAFAを中心としたグローバル企業の露骨な税金対策が話題となり、その対策のために各国がGAFAへの課税方法を検討している。 基本的にこうした企業は、無形資産(システムなど)をタックスヘイブンに安値で売却し、その無形資産が価値を生み出しているように見せることで、利益移転をしている。 無形資産は固定資産などとは違い、正確な価値の算出が難しいため、この戦略に対する対策は現状ない。 そうした状況下で、OECDを中心とした世界各国が個別課税ではなく、グローバルで共通に課税するスキームを検討している。 元々課税権は国ごとに個別に規定されており、まさにこの課税権こそが国家権力の大きな部分であったが、新たな時代に対応するため、国家の枠組みを超えた超国家での課税が検討されている。 こうした取り組みは連邦制のドイツ帝国でもかつて見られており、基本的に各国の反対に合うものの、第一次世界における敗北により、緊急事態に陥ったため一気に進んだ。 今回のコロナパンデミックで同様の歩みが見られること、特にEUではその萌芽がみられるが、そこに期待である。

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2021/06/19

多国籍企業が租税回避を行っていること、およびそのやり方については、日経新聞等から知ってはいたが、本書を読むとその実態がよく分かる。 制度上可能であれば当然やるだろう。本書でも触れている通り、常に収益を上げなければならないし、収益に対する株主のプレッシャーもあるからだ。 しかし...

多国籍企業が租税回避を行っていること、およびそのやり方については、日経新聞等から知ってはいたが、本書を読むとその実態がよく分かる。 制度上可能であれば当然やるだろう。本書でも触れている通り、常に収益を上げなければならないし、収益に対する株主のプレッシャーもあるからだ。 しかし税逃れは、税負担の公平性という観点からも決して許されることではない。そこで各国政府または政治経済同盟が、課税の仕組みを作る。それに対し多国籍企業がと、いたちごっこが続いているさまは興味深い。 この問題を解決するための手段が、タイトルにもなっているグローバル・タックスである。しかし、各国の思惑もあり、うまくまとまっていない。 それでも筆者は、課税権力のグローバル化が不可逆であると主張しているが、果たして。

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2021/01/22

グローバル化とデジタル化により今起こっていることふまえ、租税民主主義実現に向けたグローバルタックスへの道筋を示す、示唆に富む本。後書きも泣ける。筆者の志の高さに敬意を表したい。

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2020/12/31

20201204-1230 所得税のフラット化、法人税率の引き下げ、タックスヘイブン利用による租税回避など、現代の税制の抱える問題点を列挙しつつ、旧来の国民国家税制と異なる新し「課税主権」の在り方を展望している。具体的にはEU、国連などの従来の国家の枠組みを超えた国際機関による「...

20201204-1230 所得税のフラット化、法人税率の引き下げ、タックスヘイブン利用による租税回避など、現代の税制の抱える問題点を列挙しつつ、旧来の国民国家税制と異なる新し「課税主権」の在り方を展望している。具体的にはEU、国連などの従来の国家の枠組みを超えた国際機関による「グローバルタックス」の現状を紹介している。国際連帯税や金融取引税は自分が税制担当だったころに導入が取り沙汰されていたけど、現在は浸透しつつあるみたいだ。 後、あとがきにあった志賀櫻氏がなくなっていたことを知り、ちょっとショック…よくレファレンスで利用させていただいたなあ。ご冥福をお祈りいたします。

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