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一碗をどうぞ の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/08/09

鵬雲斎が若い頃のこととか赤裸々に書いているのがいい。ご本人も出撃命令取消のホントのところはわからないだろうが、それでも隠さずに千家の跡取りだからだった可能性にちゃんと言及してるのはえらいと思う。武家茶家という言い方は初めて聞いたけどそういう感じなの? 千家の長男以外が苗字変えるの...

鵬雲斎が若い頃のこととか赤裸々に書いているのがいい。ご本人も出撃命令取消のホントのところはわからないだろうが、それでも隠さずに千家の跡取りだからだった可能性にちゃんと言及してるのはえらいと思う。武家茶家という言い方は初めて聞いたけどそういう感じなの? 千家の長男以外が苗字変えるのも、戦前も戦後もちゃんと手続き取っているようだし、自身の名前も戸籍上ちゃんと変えているよう。 玄関と奥に分かれていた家を変えて家族一緒に食事するようになったのが淡々斎からで、側近の老輩から抵抗があったとか。茶だけでなく謡と仕舞も身につけた件。父の指示で同志社に行きキリスト教も学んだ。千家の祖先が里見家だとする説。海軍に茶箱を持っていき同期に振舞っていた話。舞鶴海兵団でカッター漕いだりトイレ舐めさせられた話。大徳寺の修行や長男美術館での勤務、1951年のアメリカ行脚、ロータリークラブの4つのテストと海軍の五省、結婚を巡る話、松下幸之助の素直や謙虚のエピソード、住職になった話、海外での普及活動、文化庁の誘致活動や古典の日についての話、鹿屋での献茶などなどについて綴っている。

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2023/05/18

【動機】著者の本が読みたかったから 自分の悩んでいる、ひっかかりを感じる部分に対して、なんとなく考え方のヒントをもらえている気がする本書。自分の無知をあらためて感じる。謙虚に。

Posted byブクログ

2021/07/11

 本屋を歩いていると、「読んでね」と声をかける本があります。「料理コーナー」にあった本書もそうですが、祖母がお茶の師匠をやっていたので、年相応にお作法を勉強しろというお告げかと読んでみましたが大違いでした。  著者は、千利休のあとの裏千家15代家元。お作法どころか、お茶を軸にし...

 本屋を歩いていると、「読んでね」と声をかける本があります。「料理コーナー」にあった本書もそうですが、祖母がお茶の師匠をやっていたので、年相応にお作法を勉強しろというお告げかと読んでみましたが大違いでした。  著者は、千利休のあとの裏千家15代家元。お作法どころか、お茶を軸にした日本文化論・国際文化比較などで、大徳寺にも帰依したことから「禅」にも話が及びます。1923年生まれで現在97歳。特攻隊経験者としても戦前・戦後の歴史に関わり、吉田茂の本を読んだことから話題も重なって、とても興味深い内容でした。ローマ教皇、ダイアナ妃、鄧小平などともお茶を通じた接点を持ち、弟子となった松下幸之助には「お茶を点てるときの心で経営すること」を指南したとか。さまざまな著名人たちの人物評も面白いです。  それにしても、千利休の孫の宗旦が、息子たちを別々の大名家に仕えさせ、敷地の南側に住んだ家が表千家、その北側に住んだのが裏千家、武者小路に住んだ家が武者小路千家と呼ばれるようになったというのは、長らく生きてきて初めて知りました(「表」と「裏」で、何か奥深い秘儀があるかと思った…)。「人生百年」という言葉を、各人の百年ではなく、百年後の人たちのため、どういう生きるかを考えるべきというのは、脈々と続く家元のお言葉として示唆に富むものでした。

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