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オール★アメリカン★ボーイズ の商品レビュー

4.6

26件のお客様レビュー

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2021/03/23

黒人差別の象徴になってしまった高校生と、講義の声をあげようと決意するまでの友人たちの話。 大坂なおみさんの抗議マスクを思い出しました。「これは私たちの問題」という言葉が印象的でした。

Posted byブクログ

2021/03/04

アメリカの分断と差別、それを乗り越えようとする人々を描く。著者が黒人と白人で、それぞれの苦悩と差別を乗り越えようとするのがリアルに感じられる。 主人公が高校生、将来のことや好きな人のことなど、高校生らしい話題が出てくる場面は気軽で読みやすく、親しみやすい。翻訳も読みやすい。 20...

アメリカの分断と差別、それを乗り越えようとする人々を描く。著者が黒人と白人で、それぞれの苦悩と差別を乗り越えようとするのがリアルに感じられる。 主人公が高校生、将来のことや好きな人のことなど、高校生らしい話題が出てくる場面は気軽で読みやすく、親しみやすい。翻訳も読みやすい。 2020年のアメリカの事件とMLBの運動を思い起こさせますが、原著は2013年、2014年の事件を受けて描かれ、2015年に出版されたものです。

Posted byブクログ

2021/02/09

黒人作家レノルズと白人作家カイリーが、それぞれラシャドとクインというふたりの主人公の視点から交互に話をすすめていく作品。原著は2015年。BLMのきっかけになる事件が全米各地で起きたころに書かれた作品で、レノルズに関していえば、2019年に日本で出版された『エレベーター』や『ゴー...

黒人作家レノルズと白人作家カイリーが、それぞれラシャドとクインというふたりの主人公の視点から交互に話をすすめていく作品。原著は2015年。BLMのきっかけになる事件が全米各地で起きたころに書かれた作品で、レノルズに関していえば、2019年に日本で出版された『エレベーター』や『ゴースト』よりも先に書かれている。 物語自体は、ラシャドが身に覚えのない万引きを疑われて警官から過度な暴行を受け、それを目撃していた白人少年クインは、その警官がふだんから親切にしてもらっている近所のお兄さんだと知って思い悩み……という、ある意味図式的な展開。でも、少年たちふたりと、その学校や友人たちの状況がとてもリアルに描きこまれているので、こういうことは至る所で起きているのだろうと納得できた。 ラシャドの父さんの告白が衝撃。隠しつづけて、息子達にたいしては強くて正しい父親を演じてきたことを、かなぐりすてたのは勇気ある行動だった。そしてラシャドと看護師さんや、病院の売店のおばさん、そして例の白人の女の人とのやりとりやなんかは、ジェイソン・レノルズの面目躍如で、こういうふうに頼れる大人が登場するのはとてもいい。 警官のポールに関していえば、「いい人」でも暴力的になりうるし、それが「正義」だと信じこんでいれば、いくらでも正当化しようとするというのが、こわい。ここ最近のニュースやSNSで、そういう人たちをたくさん見るし。どうすりゃいいんだろうね。

Posted byブクログ

2021/08/11

ラシャドは米国の黒人高校生。金曜日の夜のパーティーでいかした女の子と仲良くなりたいと考える普通の男子だった。学校を終え、パーティーへ行く前にポテトチップスとガムを買おうといつも行く雑貨屋に立ち寄った。そこでポテチの袋を手にバックパックの中の携帯を取り出そうとかがんだところへ、後ろ...

ラシャドは米国の黒人高校生。金曜日の夜のパーティーでいかした女の子と仲良くなりたいと考える普通の男子だった。学校を終え、パーティーへ行く前にポテトチップスとガムを買おうといつも行く雑貨屋に立ち寄った。そこでポテチの袋を手にバックパックの中の携帯を取り出そうとかがんだところへ、後ろにいた白人のおばさんが倒れこんできた。そのとたん、店にいた警官が飛んできて万引きの現行犯として逮捕されてしまう。有無を言わせず手錠をかけ、殴りつけ、店の外へ引きずり出し道路に激しく打ち付ける。手錠のままラシャドは病院に運び込まれる。鼻の骨と肋骨を骨折し、肺に血がたまっており、そのまま入院することになる。理不尽な扱いに兄のスプーニーは、ネットに現場の映像がないかを探す。案の定誰かが撮った映像があり、無抵抗のラシャドを執拗に押さえつける警官がいた。スプーニーがマスコミにその映像を拡散したことから、事件は町中の話題になる。事件のあった金曜日から翌週の日曜日までの10日間を、黒人側のラシャドと白人側のクインの双方から語る。 ラシャドはいわば被害者側として、同じ学校に通うクインは偶然現場を目撃した立場で。著者もラシャド側は黒人作家のレイノルズが、クインの章を白人のカイリーが書いている。BLM問題が日本でも取り上げられるようになったが、その傷は双方に深く刻まれれていることがよくわかる。 BML問題に黙っていることは、差別に加担していることであると訴える。言うは易し、そのさなかに当事者として放り込まれた少年たちや、彼らの周囲の家族・教師そのほかのたくさんの人たちは、自分たちの今までを真摯に振り返る。その過程が書かれていることで、最後のデモのシーンが印象付けられる。

Posted byブクログ

2021/02/07

「自分は差別主義なんかじゃないって、みんながそう思っているっていうのが、まさに問題なんだ。気づかないふりをしたり、見えなりふりをしたり、つまりはそれが差別なんじゃないか。」 「不正が行われているときに中立であろうとするならば、抑圧する側に立つのを選んだことになる。」 結局ポール...

「自分は差別主義なんかじゃないって、みんながそう思っているっていうのが、まさに問題なんだ。気づかないふりをしたり、見えなりふりをしたり、つまりはそれが差別なんじゃないか。」 「不正が行われているときに中立であろうとするならば、抑圧する側に立つのを選んだことになる。」 結局ポールはどう判決がくだされたのか…

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2020/12/15

多様な国家アメリカについて、日本でも黒人差別が話題になることはしばしばあるが、身近な事として捉えることが出来ない人が大半ではないだろうか。日本においても差別というものは存在していると思うが、この本に書かれている通り、何もしない事も差別の一端を担っているかもしれないという事を理解す...

多様な国家アメリカについて、日本でも黒人差別が話題になることはしばしばあるが、身近な事として捉えることが出来ない人が大半ではないだろうか。日本においても差別というものは存在していると思うが、この本に書かれている通り、何もしない事も差別の一端を担っているかもしれないという事を理解すべき。 一人一人がなせる事は小さな事かもしれないが、小さな事の積み重ねが大きなうねりとなり、世の中を変えるなんてことはざらにある。 この世に生を受けたからには、何かを成す事を求められていると思う。歴史に名を残すほどの偉業を成し遂げるというのとは違っても、家族、友人、仲間に支えられ、時には支え、お互いに力を合わせてよりよい人生を送る事が出来ると幸せだ。 異国の物語としてではなく、日本も人口減少社会を迎える中、コロナにより少し沈静化しているが多様な人々が一緒の空間で過ごすことが増えるだろう。また働き方改革という名の下、ワーケーションという言葉も浸透しつつある中、異国で暮らすというスタイルを選ぶ人も増えるだろう。そんな方々は差別を受ける側に回るかもしれない。受容性の高い、相手を受け入れる度量のある人間に少しでも近付けるように心掛けることで、世の中の前向きな変化に貢献できるといいな。 より良い世の中への一歩としてこの本を紹介したいです。

Posted byブクログ