青い花 の商品レビュー
感じるはずのない要素を感じる。味や匂い、音や幻想的な風景。支離滅裂というか、他者と対峙しないという意味でうわ言あるいは呪詛にも似たモノローグが延々と展開されていくというのに、この語りは確かに「読ませて考えさせる」と思った……いや、モノローグではないのかもしれない。確かに会話が展開...
感じるはずのない要素を感じる。味や匂い、音や幻想的な風景。支離滅裂というか、他者と対峙しないという意味でうわ言あるいは呪詛にも似たモノローグが延々と展開されていくというのに、この語りは確かに「読ませて考えさせる」と思った……いや、モノローグではないのかもしれない。確かに会話が展開されるわけではないが、その独語を煮詰めていくと1人の人間の中にこんなにも雑多・多種の思念が渦巻いていることに気付かされる。ならばこの本は、そこまで自己を内省的・自壊的に見つめて狂気を際立たせ、テクストそのものを歪める実験小説なのか
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