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いつかたこぶねになる日 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2024/12/04

漢詩を翻訳する。 読み下すのではなく、翻訳する。 ただ1文字1文字を日本語にするのではなく、全体を通して言葉を整える。 そこには翻訳者の意思が相当に入ってくる。 それはかなり難しく、責任も伴うけれど、とっても楽しそうだとも感じる。 漢詩が生き生きと輝きだす。 翻訳しなくても輝いて...

漢詩を翻訳する。 読み下すのではなく、翻訳する。 ただ1文字1文字を日本語にするのではなく、全体を通して言葉を整える。 そこには翻訳者の意思が相当に入ってくる。 それはかなり難しく、責任も伴うけれど、とっても楽しそうだとも感じる。 漢詩が生き生きと輝きだす。 翻訳しなくても輝いているのかもしれない、ただ、それをみんながみんな感じられるわけじゃない、それを翻訳することで、もっとたくさんの人がその輝きを感じられるようになる。 著者のエッセイは、著者が感じる輝きを私たちに伝えてくれている。 もともとこの人の文章は、情景が生き生きとクリアに浮かぶような文章。 漢詩の翻訳にもそれは十分発揮されているようだ。 ただ、それには言葉をたくさん知ってなくちゃいけない気がする。 使いこなせる言葉がたくさん必要になってくる気がする。 語彙力。 著者はフランスで暮らしていることが翻訳にどう影響しているのかは分からないって言ってたけど…日本語をより明確に日本語と意識して見ることができているのではないかとも思う。

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2024/10/24

漢詩の「手帖」とあるように、学術的ではなく、感性で漢詩を享受し語るエッセイ。 昔からあまりに詩的すぎるもの(まさしく詩)が苦手なのだが、自分があまりに正解主義的に生きてきてしまった事の表れなのかとも思う。 とっつき易く作者の日常を語る文面からその日常に即した漢詩が紹介されてい...

漢詩の「手帖」とあるように、学術的ではなく、感性で漢詩を享受し語るエッセイ。 昔からあまりに詩的すぎるもの(まさしく詩)が苦手なのだが、自分があまりに正解主義的に生きてきてしまった事の表れなのかとも思う。 とっつき易く作者の日常を語る文面からその日常に即した漢詩が紹介されている。誰もが通り過ぎていく日常の些細なワンシーンに詩を連想する人生ってどのようなものだろうと思う。 詩を読む人、知識がある人には世界が何十もの層を孕んだ奥深く美しいものに見えるのだろうと思うし、自分もそういう感性を持つ人間でありたいと思う。 自分は本を読み始めるのが遅かったから、頭でっかちにその作品の意味みたいなものを考えてしまうけど、幼い頃から日常の中に読書週間が溶け込んでいる人はどのように本を読んでいるのだろう。やはりより感覚的なのだろうか。 •写真集は、鳥そのものを観察するよりもその素顔が生々しく伝わってくる。 •一人で読むとは、孤独に浸るという「知的営為」の階段を登る事である。 •ファッションはどこに住むかで変わる。それは極めて土着的なものであって、決してインターナショナルではあり得ない。 •一つのアイテムから多彩なコーディネートを発送するのは純粋に快感でもある。 白居易、杜甫、夏目漱石まで漢詩を書いていたとは驚きだった。凄まじい教養。

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2024/09/22

高校のとき漢詩が好きだった。読むと水墨画の世界を思い出す。読み下し文にする法則みたいなものも面白いのだけど、実際漢字の韻などウィットにとんでいるところや、漢字を選ぶセンスを感じられて好きだった。そんなさりげない作者の漢詩への愛情と日常のはなしとの自然な行き来が心地よく、たまに手に...

高校のとき漢詩が好きだった。読むと水墨画の世界を思い出す。読み下し文にする法則みたいなものも面白いのだけど、実際漢字の韻などウィットにとんでいるところや、漢字を選ぶセンスを感じられて好きだった。そんなさりげない作者の漢詩への愛情と日常のはなしとの自然な行き来が心地よく、たまに手に取りたい本。 海外にいると言葉で隔てられて自分の声だけが純粋に自分の中に響き渡る、というくだりが、自分が3か月海外にいた時の感覚と近くてすごく共感できた。

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2024/08/23

漢詩って学校で習ったくらいしか 読んだことがなかったのですが そうか…読み下し文でなくてもいいんだ。 漢詩を現代語訳するのに 七五調でリズムよくすることにこだわらず ふつうに、現代詩のように訳してみる。 英詩や独詩はそうしているものね。 この本は、著者が試みたそんな訳詩や 日...

漢詩って学校で習ったくらいしか 読んだことがなかったのですが そうか…読み下し文でなくてもいいんだ。 漢詩を現代語訳するのに 七五調でリズムよくすることにこだわらず ふつうに、現代詩のように訳してみる。 英詩や独詩はそうしているものね。 この本は、著者が試みたそんな訳詩や 日常のできごとの中で思い浮かんだ 古来の漢詩を紹介してくれているエッセイ。 杜甫の『槐葉冷淘』の訳がすてき。

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2024/07/28

なんて美しい本なんだろう!というのが最初の感想。 一貫して、筆者の体験をもとにしたエッセイを中心に、読み進めていると気づけば漢詩を読んでいるという不思議な流れを受け入れている自分に気づく。 この料理には、あのワインが合うよねみたいな雰囲気で、筆者の体験からふっとそれに合う漢詩が自...

なんて美しい本なんだろう!というのが最初の感想。 一貫して、筆者の体験をもとにしたエッセイを中心に、読み進めていると気づけば漢詩を読んでいるという不思議な流れを受け入れている自分に気づく。 この料理には、あのワインが合うよねみたいな雰囲気で、筆者の体験からふっとそれに合う漢詩が自然と出てくるのが本当にすごい。個人的には、たこぶねの話と、スープの話と鏡の話が好き。 感覚を研ぎ澄ませ、文字の美しさに触れ、その短い文章から匂いや音や情景を想像する。こんな幸せすごく久しぶりに感じたなあ、と終始思わせてくれるような良書でした。疲れた時に、たまに読み返したい。

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2022/09/25

この本の文章を読むにつけ、著者はどんな経歴の人だろうと思う。なんだかハイソに浮世離れしている。言葉の達人らしく、勉強になるフレーズがいくつもあった。

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2022/09/14

図書館本から購入本。漢詩のイメージが一変!著者が南仏滞在のせいか、とてもお洒落な印象に変わりました。また緻密に計算され尽くした言葉と、初めて経験するような表現で織りなされるエッセイが極上で、すごく刺激を受けました。出会えてよかった一冊。

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2021/09/06

漢詩についての素養などまったくないけれど、だいじにしたいと思える本。 p.136の入院時のスープのエビソードは、最近読んだ『食べることと出すこと』でのプレーンヨーグルトによる味の爆発を思い出したりした。 そのほかこんなところがとても印象に残っている。 p.182 歴史上、日...

漢詩についての素養などまったくないけれど、だいじにしたいと思える本。 p.136の入院時のスープのエビソードは、最近読んだ『食べることと出すこと』でのプレーンヨーグルトによる味の爆発を思い出したりした。 そのほかこんなところがとても印象に残っている。 p.182 歴史上、日本人が漢詩というとき、いつでもそれは読み下し文を意味してきた。つまり漢詩は、視覚的・観念的には定型でも、聴覚的・実際的には音の数に縛られないフリースタイルの表現として人々に受け入れられ、愛されてきたのである。この認識はものすごく大切で、たとえば日本人が脈々と漢詩に求めてきたものとは、実は自由詩の感性だったのではないかとか、江戸後期から明治にかけて起こった監視ブームも、近代の夜明けを呼吸する人々が、より自在な言葉のテンポに自分の感情を乗せたかったからなのではないかとか、さまざまな想像が広がるし、またそこから見える世界も、とうぜんこれまでとは違ってくる。 pp.212-213 俳句は十七音のフレームに世界をおさめつつ、そのフレームの奥へ向かってイメージとか、マテリアルとか、テクニックとかいったレイヤーを重ねてゆくあそびだ。で、ここで誤解を生むのがフレームの存在で、これを一部の批評は鋳型にはめることだとみなして反動的だというのだけれど、いったいなんでそう思うのかが謎である。定型の使い手たちはそのつど新たに型と出会う、つまり世界を生き直しているのであって、カップケーキの型みたいなものを使用しているのではないのだ。ちょうど武術の型がそうであるように。

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2021/08/14

漢詩ってとっつきにくいなぁ…と今まで思っていたけど、そのイメージががらっと変わった。雄大な景色を美しく綴ったものはもちろん、もっと細やかなものや身近なものをのびやかに歌ったものも多いんだなぁ…。特に食に関する詩の素朴さが好きだった。心がほかほかするようなエッセイの中にするっと漢詩...

漢詩ってとっつきにくいなぁ…と今まで思っていたけど、そのイメージががらっと変わった。雄大な景色を美しく綴ったものはもちろん、もっと細やかなものや身近なものをのびやかに歌ったものも多いんだなぁ…。特に食に関する詩の素朴さが好きだった。心がほかほかするようなエッセイの中にするっと漢詩が溶け込んでくるのが良い。 筆者の書き下し文が素敵。いろんな人の声で朗読を聴いてみたい。

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2021/05/16

漢詩なんて何にも知らないのに、エッセイから広がる漢詩世界の美しさにうっとり。 「ないものをあると語り出すことによって はじめてこの世界はひとつの像として立ち上がる言葉の力の凄さ」とあったけれど、まさにこの本を通じて南フランスの情景が目前に。 しゅわしゅわとした炭酸水の向こうに広...

漢詩なんて何にも知らないのに、エッセイから広がる漢詩世界の美しさにうっとり。 「ないものをあると語り出すことによって はじめてこの世界はひとつの像として立ち上がる言葉の力の凄さ」とあったけれど、まさにこの本を通じて南フランスの情景が目前に。 しゅわしゅわとした炭酸水の向こうに広がる空 バオバブの実とクラブアップル 「花生眼」の意味に納得し、ぼんやりとした視界に花を見つけた。

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