ニュータウンクロニクル の商品レビュー
ニュータウンって、結局いい事が全然なかったように感じてしまった。 淡々と読み進めていったけど、何か盛り上がりもなく物足りなく読み終わった。
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モデルが多摩ニュータウンだと分かり感慨深く読み終えた。時代背景も自分とかぶっていたからまるで実話のように思えた。ラストは今後この街がどのように変化していくのか想像してくださいというような感じで10年後、見届けられるかな…
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題名を見た時に、自分が未就学児から中学生まで住んでいた団地での、生活、友人関係、町の移り変わり等とダブるのではないか?と思い読み始めました。解説も参考文献も見ず、「わが丘1971」から読み進めるにつれ、モチーフは「多摩ニュータウン」だとわかりました。自分が住んでいたのは多摩ニュー...
題名を見た時に、自分が未就学児から中学生まで住んでいた団地での、生活、友人関係、町の移り変わり等とダブるのではないか?と思い読み始めました。解説も参考文献も見ず、「わが丘1971」から読み進めるにつれ、モチーフは「多摩ニュータウン」だとわかりました。自分が住んでいたのは多摩ニュータウンではない、都営団地で入居した時期は1971年より早いのですが、ほとんど変わりません。この小説は、年代記としての物語ですが実際、人工都市に住んでいた私には昔を懐かしみもしますが、自分の故郷が人口の減少、建物の経年劣化によって建て替えられることで跡形もなく無くなることに寂しさを感じます。どんな街でも最初は開拓地であり、それが後世まで続くのか否かは誰も判りません。京都や奈良も、その当時では新しい街だったと思います。それと比較すると50年は短いスパンなのかもしれません。
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ニュータウンの誕生から衰退までの50年を10年ごとの出来事でつづった短編集。取り留めの内容で小説ならではの大きな展開もない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あらすじ 1960年に計画された団地「若葉ニュータウン」に住む人々の歴史をそこに住む様々な家族の視点から描いている小説。団地の第一期の入居が始まった1971年、高校を卒業し若葉町の町役場に勤めたばかりの小島健児の視点から物語は始まる。その後、10年ごとに若葉ニュータウンの中のある地点、ある家族のそれぞれの物語を6つの短編としてまとめている。例えば1971年には、入ったばかりの入居者の生活向上のための集会や、1981年では増えてきた子供に対応する小学校の分校の話などのその年代ごとの環境に影響される家族の姿が描かれる。70年代の高度経済成長から90年代のバブル景気、2011年の震災、そして現代に至るまで背景としての団地がその社会状況を表しながら変化していく様を描いている。 感想 団地に住んだことは無いが、それぞれの時代に何かしらの懐かしさみたいなものを感じる。舞台は明らかに多摩ニュータウンで、自分は殆ど行ったこともなければ、住んだこともないにも関わらず団地とその家族を通じた様々な描写に感じる懐かしさについて考えてみようと思った。懐かしさとは、コトバンクによれば「1、魅力的である。すぐそばに身を置きたい。2、かつて慣れ親しんだ人や事物を思い出して、昔にもどったようで楽しい」という事であり、特に「2」にあるようなかつて慣れ親しんだ物事を思い出す事とそれに浸って楽しいと思う二段階の感覚が同時に現れるような事だと思う。楽しいというのは大事なことで、もし嫌な気持ちや恥ずかしい気持ちになる場合、それは懐かしいとはならないだろう。その場合、その思い出を楽しむ余裕がないから、懐かしさとはならないなのではないかと思う。 70年代の話を読んでいて「隣のトトロ」を思い出した。それはバスの描写が「トトロ」における父の帰りを待つサツキとメイを連想させ、さらに「トトロ」を見ていた時の楽しさを思い出すのだろう。80年代における小学校の描写にはクラスの分裂が世界の分裂にも思えたことを思い出し、90年代にはトレンディードラマを見ていた微かな記憶が蘇る。 2000年代以降では登場人物や起こる事件をリアルタイムで経験していた事が、そのリアリティとともに思い出される。一方で実際に、現実の多摩ニュータウンに行った時に感じたのはハイテク感とか、要塞感とかであり、小説の中の若葉ニュータウンは自分が他の映像コンテンツで見てきた団地をいくつか組み合わせたものが再現されていたなと思う。最近、懐かしさを感じるのは、例えばエルレガーデンを聴くと懐かしさを感じるように具体的な経験と結びつくものだ。この小説には団地で生活する上での子供からお年寄りまでの様々な年代の描写がコンパクトに具体的にまとめられている。その具体的な描写に自分の中の過去の思い出の楽しい部分との接点が刺激されるのかなと思う。
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