星辰の裔 の商品レビュー
ハッピーエンドというよりトゥルーエンドかもしれない。少し切なく、でも美しい終わり方。敷かれたレールの上を歩かない事に僅かな勿体なさを覚えつつも、自由を選ぶ彼らの心を讃えたい。
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ある島に大陸から渡ってきた(逃げてきた)人達が国を立てた。 大陸と島の混血児の薬師が大陸の国の人の後継争いに(必然的に)巻き込まれる話。大陸に今すぐ戻りたい派閥vs何世代かかってもいいから力をつけていつか帰る派閥で争う。 設定がとても好きで一冊じゃ収まり切らないくらいもりもりに凝ってるなという感想です。混血児の差別とかも。小さな島の話だから一冊で収めれたのかもと思ったり。 恋愛についてはあるかなきかぐらいなので、若干物足りなさはあります。主人公は自分で生きていくために人生を切り拓く強さがあって好きです。
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十津島の人々は大陸からの侵略者である辰国の者を馬賊と呼び、辰国人は島の人間を夷奴と呼ぶ。 そしてその間に生まれた人間は、もれなく赤い髪と鮮やかな色の瞳を持ち朝児と呼ばれる。 大陸から来た薬師の父と、生き別れた島の母から生まれたアサは男装して旅の薬師となった。父の遺言によりとある街を目指して。 だがそれは導きではなく、父の計画によるものだった。 捕らわれた辰国でアサが見たのは、純血を保ち大陸へ戻ろうとする者と島に同化して未来を望む者たちの対立。 辰国人と島民それぞれの正義と、混血児である朝児への差別。 島の覇権を巡る架空の歴史ものであり、職を持つひとりの女性の矜持であり、身分や人種で差別したりされたりする中での生き様など、盛りだくさんの内容だった。 そしてアサは運命と出会う。 アサの父は朝児の知能を観察していたが、朝児同士を結婚させて果たして子どもは生まれるのだろうか。 また辰国人と朝児、島民と朝児ではどうなのだろう。 混血児だとわかる特徴が必ず表れるというなら、種族として合わないのではと思ってしまう。 それとも新しい種族が生まれたということなのだろうか。 同じ朝児である季震に惹かれるのが父たちの思惑通りだとしても、その心をは自分のものだ。自分の人生は自分で決めたい。 アサの下した決断は淋しいが、いつか季震と再会して欲しい。
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自分の意思を貫くことの難しさ、強さを感じる作品でした。 結構、長編ですので、腰を据えて読む必要があります。
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薬師の娘がある国の争いに巻き込まれるというある意味では王道のファンタジー。 そこに差別があり、思いがけない出会いもあり、よく熟されているなぁと。 この時代だからこそ、書くことができたのだ思うと感慨深い。
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