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ここ数年、中学生の課題図書は全部読んでいるのですが、うーん、書きづらそう…と思いました。 18歳以下の子どもが家の仕事をする、ヤングケアラーを題材とした作品。重い話を重すぎないように描いているので、読後の後味は悪くないです。 でも、やっぱり刺さる。ぐさぐさくる。 主人公の「世...
ここ数年、中学生の課題図書は全部読んでいるのですが、うーん、書きづらそう…と思いました。 18歳以下の子どもが家の仕事をする、ヤングケアラーを題材とした作品。重い話を重すぎないように描いているので、読後の後味は悪くないです。 でも、やっぱり刺さる。ぐさぐさくる。 主人公の「世界が不平等だ」っていう考えも 本当ごめんな、ってなる。 貧困も介護も、めちゃくちゃ難しい問題。 でもこの作品を読むことで、まずは 知ることが大事なのかも。 認識されにくい問題を、等身大の中学生と 一緒に考えられたのは良かった。 大人として、もう少し生きやすい世の中に なるよう、できることを頑張りたい。
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2021年 中学の部 読書感想文課題図書の中の1冊。 両親が別居中で、出来のいい兄を持つ中3の悠人。くも膜下出血の後遺症で麻痺が残り、精神的に不安定な母の介護、小2の妹の世話、そして家事全般を背負う「ヤングケアラー」の朱音。朱音の状況の打開と2人の成長と恋がメインストーリー。 最近よく聞く「ヤングケアラー」問題がストーリーの軸になっていますが、悠人側の家庭内での鬱屈とした悩み、友達とのやりとり、受験、そして朱音との恋愛、それらの要素が「社会問題の提議ぃ!!」っていう硬さを和らげていて、いい意味でハードルが低い。物語として無理なく読めるし、感想文としても掘り下げどころが明確で、大変優秀な課題図書と言えるかと。 兄を贔屓して悠人にはさして期待をしていない母。それはあくまで悠人からの見え方で、本当は兄弟両方をそれぞれの特性に合った柔軟さで愛している母。親の心子知らず。 ふむふむ。しかしこの母が作品上優秀なのは、市役所非常勤職員(福祉関係部署所属)という肩書きをぶん回し、きっちり「ヤングケアラー」問題の方の水先案内人をも務めるという八面六臂っぷり。 かと思えば朱音が家に来て社会福祉の仮面装着時なのに「彼氏の母ちゃんから言われたら痺れる一言ランキング第2位」的どストレートなセリフに悠人と一緒にあたふたするという。 斜めから見ちゃうと、要素多すぎてどれも浅掘り。でも、あくまで児童文学であって、読みやすいがゆえの間口の広さ、その間口から入ってきた若者にとって「ヤングケアラー」について考える上での端緒になると思えば良作ですよね。
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【2021年中学生課題図書】 いま話題のヤングケアラーが主題。 主人公の男の子が、ヤングケアラーの女の子と出会い、 現実と向き合っていく社会派作品であると同時に、 中学生の2人の恋模様も描かれる。 恋愛模様が微笑ましかった。 一人称は主人公の男の子で、 それを通して描かれる...
【2021年中学生課題図書】 いま話題のヤングケアラーが主題。 主人公の男の子が、ヤングケアラーの女の子と出会い、 現実と向き合っていく社会派作品であると同時に、 中学生の2人の恋模様も描かれる。 恋愛模様が微笑ましかった。 一人称は主人公の男の子で、 それを通して描かれる女の子の姿は、 「辛いんだろうなあ。可哀想だなあ。」という、 どこまでも他人事の視点です。 そこがまたリアルでよかったとおもう。 甘々の恋愛模様との対比も面白くて、ヤングケアラーに対する知識を広めるのにぴったりの良いお話でした。 感想文は、どうしようか。 社会福祉の観点からいくのがいいのかな。難しいかも。
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ヤングケアラーを題材とした小説、 ケアラーの彼女を見守る、という目線で描かれているので、当事者の苦しさからは ワンクッション分遠くなってしまった。
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家族の中から自分がいなくなっても何も変わらないんじゃないかと思っている男の子と自分がいなくなれば家族が壊れてしまうと思っている女の子。 ヤングケアラーをテーマにした物語。 大人でも介護や支援が必要な家族がいるとしんどい。ましてや子どもであったら。 今ではなくても、いつか必要...
家族の中から自分がいなくなっても何も変わらないんじゃないかと思っている男の子と自分がいなくなれば家族が壊れてしまうと思っている女の子。 ヤングケアラーをテーマにした物語。 大人でも介護や支援が必要な家族がいるとしんどい。ましてや子どもであったら。 今ではなくても、いつか必要になったときに相談するところがあること、まわりで困っている人がいることに気付ける大人になれますように。 胸がぽかぽかする恋のお話でもありました。
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2021年夏の課題図書。 ヤングケアラー→18歳未満で家族の世話や家事をしている子供のこと。 働いている人は介護休暇が制度としてあるが、 子供は介護のために学校を休んでも、ただの欠席。 本人が話したがらないケースが多く、そういう実態があることを知らない人が多い。 中学生の恋愛スト...
2021年夏の課題図書。 ヤングケアラー→18歳未満で家族の世話や家事をしている子供のこと。 働いている人は介護休暇が制度としてあるが、 子供は介護のために学校を休んでも、ただの欠席。 本人が話したがらないケースが多く、そういう実態があることを知らない人が多い。 中学生の恋愛ストーリーだけど、 ヤングケアラーという言葉を初めて知った。 作者の濱野京子さんも小さい頃に介護をしていたらしい。なるほど。
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助けたい。支えたい。 気持ちは真実。そう思っていることに間違いはない。 でもどこまでのことができるだろう。どこまでの覚悟があるだろう。 中途半端なその言葉は、余計に相手を傷つける。 しかし、どこまでの覚悟があればその言葉を言う権利があるんだろう。 それでは助けを求めている人の手を...
助けたい。支えたい。 気持ちは真実。そう思っていることに間違いはない。 でもどこまでのことができるだろう。どこまでの覚悟があるだろう。 中途半端なその言葉は、余計に相手を傷つける。 しかし、どこまでの覚悟があればその言葉を言う権利があるんだろう。 それでは助けを求めている人の手をおいそれと握ることができなくなる。 正解がないんだ。
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ヤングケアラーについて書かれた恋愛小説。もう少し深みが欲しいところ。これだけしっかりした家庭で、こういう問題が起こるのか、リアリティに欠けるような気がする。
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最近ニュースで耳にするようになった「ヤングケアラー」。そんな立場の中学2年生の朱音と、高校受験を間近に控えた悠人との恋の物語。悠人の心の動きから、朱音の抱える問題の大きさがよく伝わってきます。大人の理解者を得ることの大切さもきちんと描かれていて、中学生におすすめしたい作品です。
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中学3年生の悠人は、出来のいい兄に比べら、自分の存在意義を見出せない。家にいるのがいやになると、外に走りに行く。そんな夜、上着も着ずに公園のブランコにすわっている少女に気づき、なぜか気になって声をかけた。その少女朱音はひとつ年下で、少しずつ親しくなっていくが、彼女は重い事情を抱え...
中学3年生の悠人は、出来のいい兄に比べら、自分の存在意義を見出せない。家にいるのがいやになると、外に走りに行く。そんな夜、上着も着ずに公園のブランコにすわっている少女に気づき、なぜか気になって声をかけた。その少女朱音はひとつ年下で、少しずつ親しくなっていくが、彼女は重い事情を抱えていて…。 ヤングケアラーの問題を正面にすえた物語。少年少女の痛々しさ、清々しさが心に残ります。
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