恋愛のディスクール・断章 新装版 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ロラン・バルトの箴言の何かを読んで「なるほど!」と思ったんだよねー。 だからって、まるまる一冊の彼の文章を理解できると思っていたのか、20年前の私は!(読みたい本リストに載せたのは20年くらい前) いやもう、全然歯が立ちません。 そもそも難しいことを理解できる頭ではないこと、そして恋愛にそれほど興味がないこと。 いやもう、全然歯が立ちません。 その人の死を心から悲しむのは母親だけだ、とか、電話は偽りのコミュニケーションであるなど、「なるほど…」と思う文章がないわけではないけれど、引用される文章もロラン・バルトの思索もまあ難しい。 ギリシャの哲学者から松尾芭蕉の俳句、老子の言葉など古典から多くの文章を拾って来るかと思えば、映画の話があったりして、そうだ、彼はわりかし現代の人なんだと改めて思う。 それでも ”狂おしいまでのカップルから、世帯というみだらさ――一方が他方のために一生料理を作る――が生じるのである。” という文章が、20世紀の限界を表しているなあと思った。 そして、『若きウェルテルの悩み』を物凄く再読したいと思っている。 中学一年のときに読んだきりだから、さすがに今読んだらもう少し理解できそうな気がするので。
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様ざまのテクストを横断して恋愛に潜む記号を断片的に描き出してゆくさまは、安易な共感といった読み方にも救いを与えるし、単純に読んでいて楽しい。今後の失恋に備えて枕元にでも置いておこうかと思った。
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結局好きになった方が負けだし、あなたが好きなあの人は特にあなたのことはどうとも思っていない。 その人を手に入れたいならそれ相応の対価は必要よね。
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