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日本に現れたオーロラの謎 の商品レビュー

4.7

9件のお客様レビュー

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2024/11/01

https://opac.lib.hiroshima-u.ac.jp/webopac/BB03703309

Posted byブクログ

2024/07/24

片岡龍峰「日本に現れたオーロラの謎」読了。赤光はふつうにイメージできるオーロラと異なる。形は扇のように放射上に拡がり、色は赤と白の線が交互続く。そんな日本で観られた不思議なオーロラを藤原定家の日記や日本書紀などの記録と最新の科学的知見を駆使して真偽を突き詰める。文理を越えたミステ...

片岡龍峰「日本に現れたオーロラの謎」読了。赤光はふつうにイメージできるオーロラと異なる。形は扇のように放射上に拡がり、色は赤と白の線が交互続く。そんな日本で観られた不思議なオーロラを藤原定家の日記や日本書紀などの記録と最新の科学的知見を駆使して真偽を突き詰める。文理を越えたミステリー解明にハラハラドキドキした。

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2024/07/15

今年の5月に日本でもオーロラが見られた地域があると聞いた。 この本でオーロラがどうやってできるのかを知り、平安時代や江戸時代にもオーロラが見られたらしい記録があるという。 それも今、大河で柄本佑がやっている藤原定家が、「明月記」に書いていると… 興味深い内容でした。

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2023/12/21

推古天皇時代、日本書紀の記録を最古とする低緯度オーロラ「赤気」の古記録を、国文研と極地研の専門家の眼を以て検証していく過程を一般向けに書いた本。 専門家ではない、各時代の人々が驚きや感動をもって残した文章、日付、方角、時間、描写、絵画の全てが現代でデータとなって解析されていくのが...

推古天皇時代、日本書紀の記録を最古とする低緯度オーロラ「赤気」の古記録を、国文研と極地研の専門家の眼を以て検証していく過程を一般向けに書いた本。 専門家ではない、各時代の人々が驚きや感動をもって残した文章、日付、方角、時間、描写、絵画の全てが現代でデータとなって解析されていくのが大変に興味深い。 市民データで新しいものとして提示されるのは、南極調査隊がタロ・ジロらの犬を置いて帰還せざるを得なくなった磁気嵐が生んだオーロラを、高校生が水彩画で書き残したものとそのメモ。市民参加型科学の可能性を感じさせる話。

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2021/12/23

鎌倉時代の歌人、藤原定家が明月記にオーロラの記録を残していた? 読み始めたときは、藤原定家、明月記、オーロラというそれぞれの単語が結び付かなかったのですが、読み進めていくと、氷と氷雪の大地としか結び付かなかったオーロラが、遥か彼方、古代の日本と結び付いたように思います。 この...

鎌倉時代の歌人、藤原定家が明月記にオーロラの記録を残していた? 読み始めたときは、藤原定家、明月記、オーロラというそれぞれの単語が結び付かなかったのですが、読み進めていくと、氷と氷雪の大地としか結び付かなかったオーロラが、遥か彼方、古代の日本と結び付いたように思います。 この本で語られるオーロラが日本で見られた記録を示す時代は三つ。明月記の鎌倉時代、絵に残された江戸時代、さらには飛鳥時代にまで話は飛んでいきます。 昔オーロラが日本でも見られた、と言葉にするのは簡単ですが、それを実証するのは至難の業。その記録は信用に値するのか、見間違いや嘘の可能性はないか、正確な記録なのか、実証するには諸外国にも同様の記録があるかまで調べなければいけません。 そしてその記録が実証されると、古代からの文学上の記録というものが、実は科学分野での新たな発見にも寄与するという驚きにつながります。現に明月記は日本天文遺産にも認定されているそうで、古代からの記録が現代の、しかも異なる分野で役に立つというのは、歴史が今に実際につながっているというロマンを感じます。 そして、そうした科学分野の発見から見返すと、当時のオーロラの存在を知らなかった人々がオーロラをどうとらえたのか、という文化の部分、またオーロラや赤気といった言葉の由来はどこから生まれたのか、という言葉の部分の発見にもつながっていきます。 文学や歴史から科学の視点を持ち、科学の視点から文学や歴史を見る。著者はこれを「文理融合」だとしています。 自分自身、文系の人間で科学や理科はハードルの高いものでしたが、こうしてみると、それぞれの分野は意外なところで隣り合っているのだな、と感じます。そうした新たな視点が思わぬ発見を生む。科学的な事象、文学や歴史的な遺物、それぞれの見方を変えると、また新たな発見が生まれるのかもしれない、と面白く感じました。

Posted byブクログ

2021/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトル通り、オーロラ研究の本ですが、文理融合という変わった切り口の本なので非常に面白い。 藤原定家の『明月記』が第1回日本天文遺産に認められているのは知りませんでした。「赤気」はオーロラであると特定してもよいということ、そしてオーロラは空気中の酸素によって、赤くも緑にも見えることなど、オーロラ蘊蓄満載で、知的好奇心が満たされる本です。 著者もサイエンスの結果をプレスリリースするよりも文理が融合した、今回のような発表の方が反響が大きいとのことで、斬新な研究を進めていくうえで世間の関心を集めるための重要なアプローチかと思います。『星解』の絵図の謎解きで、扇形にオーロラがなぜ見えようになるのかは、とてもワクワクして読めました。 オーロラができる本当の仕組みは、太陽風と地磁気と大気の3つが重要で、太陽風が大気にあたって光る、という説明は間違いとのこと。太陽風が地磁気とぶつかり、地磁気がゆがむことにより電気が発生する。この発生した電気が北極または南極の一部に集中して電気を流すことで解消するとのこと。 今後は知ったかぶりするつもりはないけど、知らない人がいたら、教えてあげてもいいかもしれない、と思いました。 単純に知らなかったことを知れる喜びがあった、という著者の感想が素直に頷ける (気になったこと) 620/12/30・・・日本書紀の赤気の記載と、雉の尾の関係について。 1204/2/21・・・明月記 定家43歳。23日にも連続イベント。仁和寺の『御室相承記』には三日連続と記載。『中国古代天象記録全集』には黒点の巨大化の記載あり。 1770/9/17・・・日本でもオーロラ(赤気)の記録多数。クック船長の第1回世界航海の記録に赤道近くで見えたとの記録(バンクスの日記)。伏見稲荷の一角にある東丸(あずままろ)神社の今まであまり知られていない、羽倉信郷の日記に「白気一筋銀河を貫き」が重要な記述(白気(オーロラが白くみえることもある)が銀河(天の川)を貫くほど、夜天に一面に見えたことを表す)だった。そこから計算により、日本で見られた赤気が扇型になることは理にかなっていると結論。 1859/9/1・・・キャリントン・フレア 1958/2/11・・・日本初のオーロラ観測データ。当時の普通のフィルムは657nmより波長の長い光は映らない。現在は700nmまでの感度の高いものを使うのが太陽観測している人には常識。過去のアナログフィルムを解析する際には当時の常識をしっておくことも重要。 2003/10末・・・ハロウィン・イベント ・磁気嵐が発生しているときには、緯度の低いところまでオーロラが見えること、それをどこまで見れるのか等をオーロラ研究者は知りたがっている ・2017/9/10に太陽の側面に100年に一度の超高速のコロナ質量放出があり、地球は直撃しなかったので損害はあまりなかったが、火星が直撃を受け全体が紫外線で発光した ・カラー写真で撮影した色が緑であったとしても、現地で肉眼でみると白色に見える。 ・オーロラの色。グリーンラインは557.7nmの波長、レッドラインは630.0nm。酸素原子への刺激によってこのように見える。木星や土星は水素なのでピンク色にみえる。

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2021/02/20

古典籍に現れたオーロラと自然科学の知見をあわせて、文理融合的研究としてまとめたのが本書。第1章は藤原定家の『明月記』の記載から、和歌で知られる定家が自然を観察するいわば文理融合的人物であったことがわかる。第2章は江戸時代に書かれた『星解』からグラフィカルな表現のオーロラの謎を解く...

古典籍に現れたオーロラと自然科学の知見をあわせて、文理融合的研究としてまとめたのが本書。第1章は藤原定家の『明月記』の記載から、和歌で知られる定家が自然を観察するいわば文理融合的人物であったことがわかる。第2章は江戸時代に書かれた『星解』からグラフィカルな表現のオーロラの謎を解く。第3章は1958年のタロ・ジロの置き去りが歴史的な磁気嵐のタイミングで宗谷との通信が途絶え、同時に北日本にオーロラが現れたことがえがかれる。小学校に入ったばかりの頃で、タロ・ジロのこととか南極観測船の宗谷のことはもちろん記憶にあり、新聞をスクラップしたような気がするが、オーロラの記事は記憶がなかった。第4章は日本書紀に現れたオーロラで、その姿がキジの尾のようであるとの記載についての研究が興味深い。 いずれも文理融合だけでなく、複合的な領域の共同研究の成果として記されたようで大変興味深く読んだ。このプロジェクトは「オーロラ4D」というらしく、現在でも市民を巻き込んだプロジェクトとして進んでいるようだ。 オーロラ4D+プロジェクト:https://lab.nijl.ac.jp/aurora4d/

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2021/02/05

非常に面白い本でした! 日本に現れたオーロラについて、藤原定家が明月記に記した赤気、江戸時代に京都に現れた赤気(扇型で、一般にイメージするオーロラとは違う姿)を描いて文献の読み解きなどなど、本当に知的好奇心が揺さぶられる本でした。私は、文系ですが、文理の連携によるこの研究成果、非...

非常に面白い本でした! 日本に現れたオーロラについて、藤原定家が明月記に記した赤気、江戸時代に京都に現れた赤気(扇型で、一般にイメージするオーロラとは違う姿)を描いて文献の読み解きなどなど、本当に知的好奇心が揺さぶられる本でした。私は、文系ですが、文理の連携によるこの研究成果、非常に印象深かったです。 オススメの一冊。

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2021/10/26

(借.新宿区立図書館、その後2021.10月購入) ちょうど先日この本にも名前が出てくる磯部洋明氏のオンライン講演を聞いたところだったし、国文学研究資料館にも隣接する著者の勤務する極地研にも展示を見に行ったこともあったので縁を感じて借りて読んだもの。というか、そもそも日本の歴史史...

(借.新宿区立図書館、その後2021.10月購入) ちょうど先日この本にも名前が出てくる磯部洋明氏のオンライン講演を聞いたところだったし、国文学研究資料館にも隣接する著者の勤務する極地研にも展示を見に行ったこともあったので縁を感じて借りて読んだもの。というか、そもそも日本の歴史史料上の天文現象自体が元々の関心事だし。 文理融合を理系側から見ても有効なことはこの本を見てわかる。そして歴史側から見ても史料の読みを深めるという意味で大変興味深い。こういうことで過去の人々がどのように天変を考えたかということがわかればいろいろな意味で歴史への理解が進む。このような研究はオーロラだけでなく是非さらに進めてほしい。

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