法学を学ぶのはなぜ? の商品レビュー
法学は、経済学、心理学、社会学のように人間の行動を直接調べるものではなく、人間を統制するために法をどう作るか、どう解釈するか、どう適応するかを問題とする学問であるという事だった。司法試験以外の法学部の魅力を沢山盛り込みながら、司法試験のことにもしっかり触れる面白い本だったが、歴史...
法学は、経済学、心理学、社会学のように人間の行動を直接調べるものではなく、人間を統制するために法をどう作るか、どう解釈するか、どう適応するかを問題とする学問であるという事だった。司法試験以外の法学部の魅力を沢山盛り込みながら、司法試験のことにもしっかり触れる面白い本だったが、歴史学、文学にすら触れるのに、政治学には特に触れていなくてさみしかった。
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法ルールの基本機能はインセンティブの設定を通じて人々の意思決定・行動をコントロールし、社会を一定の方向へ導くこととある。 適切な法の解釈・適用と立法等を通じた、目的の実現とよりよい手段を追求する上で法学が重要な役割を担うと認識した。 一方、法学がディシプリンを持たない学問であり、...
法ルールの基本機能はインセンティブの設定を通じて人々の意思決定・行動をコントロールし、社会を一定の方向へ導くこととある。 適切な法の解釈・適用と立法等を通じた、目的の実現とよりよい手段を追求する上で法学が重要な役割を担うと認識した。 一方、法学がディシプリンを持たない学問であり、ディシプリンのあるものと組み合わせた方が社会を導く上でより効果的であるという指摘も興味深い。
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要件と効果を組み合わせた法ルールとインセンティブやサンクションを組み合わせて、より良い社会に導こうとする法制度の考え方を学べた。 想定したインセンティブとは異なる結果を生み出すこともあり、科学技術のように実験などを行うこともできないことが難しい点であると知ることができた。社会のル...
要件と効果を組み合わせた法ルールとインセンティブやサンクションを組み合わせて、より良い社会に導こうとする法制度の考え方を学べた。 想定したインセンティブとは異なる結果を生み出すこともあり、科学技術のように実験などを行うこともできないことが難しい点であると知ることができた。社会のルールの基準を司るものであるため、前例などを用いて慎重に論理的に説明できるか検討を繰り返されていた。 法学の考え方を知ることができ、他の職種でも共通するような論理的思考力が非常に重要であること、経済学などの分野も論理を補強するために必要であることを学べた。
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最初のほうを読むだけでも初学者、未経験者にも面白く書かれていることがわかります。「法ルール」(法律以外の様々なルールも含む)という用語や、それが「インセンティヴ」を設定するものだとする捉え方もある意味新鮮。たとえて言えば、そうですね、刑法の世界で、団藤・大塚説と平野説が縦書きで難...
最初のほうを読むだけでも初学者、未経験者にも面白く書かれていることがわかります。「法ルール」(法律以外の様々なルールも含む)という用語や、それが「インセンティヴ」を設定するものだとする捉え方もある意味新鮮。たとえて言えば、そうですね、刑法の世界で、団藤・大塚説と平野説が縦書きで難解な体系書で抽象度の高い議論を戦わせていたところに(大昔はそうだったんです)、前田雅英先生の横書き・二色刷・図面入りの教科書が颯爽と登場したときに感じたような新鮮さ(および呆気なさ)があるというか。最初からこの本で勉強をはじめた人と、旧来の法学の頭を持った人がこの本を読んだ場合とで、だいぶ印象が違うというか、その後の築き方が違うだろうと思います。読んでみて、「契約法をこういうふうに説明するのか、なるほどなあ」という感想を抱きましたが、それは頭の中にある「契約法なるもの」と比較しているに違いないので、まっさらで読むことによって得られる自由さ・柔軟さは追体験できないのかも。 こうした試みが意図的なもので、読者をさらなる法学体験に導き、そこで出会うだろう、本書の切り口とは違った考え方とかに触れて、さらに思索を深め、化学反応を起こしてもらうことが本書の狙いと思いました。そうした中で、「法律家らしく考える」ことを体得できると思うんですよね。 なお、森田先生は、本書で「リーガルマインド」や論理的思考力が得られるといった話を意図的に省いたとおっしゃっています。そうかもしれません。しかし、平井宜雄先生が弘文堂の債権総論(これも、初版が出たときにインパクトが大きい本の一冊でした)のはしがき(初版分)で「法律家的能力」が最も発揮されるときがどういうときか、それはどのようにして身につくのかに触れられているのですが、私は、それが「法律家らしく考える」「リーガルマインド」だと思いますし、そのことは、本書でも随所で示されていると思いました。
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福岡大学図書館 法律が社会にどう影響するのか、現実社会と法をどう擦り合わせていくのかということが書かれている。
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法学全般の入門書は数多くありますが、以下の指摘が印象的でした。法学に感じていたモヤモヤが少しクリアになりました。 ・法学にはディシプリン(ある学門分野に特徴的な方法論、分析手法)がない ・法学は「ことば 」を中心においている
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大学に入学する前に読んだ。難しすぎることはなく軽く読めた。法ルールとは何かという所からしっかりと説明してくれて入学前に読めて良かった。大使館の車の駐車についてグラフがあったが、日本はルールがあってもなくてもさほど変化はないのが面白いと感じた。また試験の例題の説明がとても面白く、自...
大学に入学する前に読んだ。難しすぎることはなく軽く読めた。法ルールとは何かという所からしっかりと説明してくれて入学前に読めて良かった。大使館の車の駐車についてグラフがあったが、日本はルールがあってもなくてもさほど変化はないのが面白いと感じた。また試験の例題の説明がとても面白く、自分もこれからこのような勉強をしていくと考えるとわくわくした。
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法学部進学を考えてもらうための高校生または高校教員向けに書かれた本、なのだが、やはり他の法学入門書と同じく、(少なくとも高校生には)その内容は難しいだろうと思う。おそらく法学部の大学2年生あたりが読んで、だいたい理解ができるのではないか。 とはいえ、本書の割り切りは、すばら...
法学部進学を考えてもらうための高校生または高校教員向けに書かれた本、なのだが、やはり他の法学入門書と同じく、(少なくとも高校生には)その内容は難しいだろうと思う。おそらく法学部の大学2年生あたりが読んで、だいたい理解ができるのではないか。 とはいえ、本書の割り切りは、すばらしい。法は言葉によるルール、このルールをどう作り、解釈、適用していくのかを考えるのが「法学」、そしてその基礎を学べば社会に出たとき自分たちがルールを作るときに役立つ。この本書のテーゼは、法学部に入って後悔している大学生の心に響くと思う。 一方、著者があとがきで言うように、法学を学んでも「リーガルマインド」なるものが身についたり、論理的思考力が養われる、ということは疑わしい、というのはその通りなのだが、それでも、ルール(法)はルールを作る側をも縛るものとか、ルールを作る際に絶対に守らなければならない価値があるとすればそれを著者の法哲学と絡めて論じてほしかった。 いずれにしても、上記に書いたように、法学部なんて入らなきゃよかったと悩んでいる大学生にはぜひ読んでもらいたい。
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こういう類の本では、今まで読んだ中で一番面白かった気がする。自分も法学を学んだ人間としてこんな内容が説明できるとかっこいい。「法はツールである」というのを軸にして、法学の各所で得た様々な方法論や考え方が綺麗に整理されていく感じ。 法ルールは「ことば」を使い、インセンティブの設定...
こういう類の本では、今まで読んだ中で一番面白かった気がする。自分も法学を学んだ人間としてこんな内容が説明できるとかっこいい。「法はツールである」というのを軸にして、法学の各所で得た様々な方法論や考え方が綺麗に整理されていく感じ。 法ルールは「ことば」を使い、インセンティブの設定を通じて人々の意思決定や行動をコントロールし、社会で一定の目的を達成するためのツールである。 ただ、どうしたらよりよい解釈、立法、適用ができるか、その「よりよい」が何かを判断するためのツールは法学の中にはなく、法律以外の学問分野の知見(ディシプリン;方法論とも言っていた)を得ることが不可欠だというのは、本当にもっとも。自分も肝に銘じておきたい。 多数説・少数説・通説・有力説、っていう支持者の多寡で考え方の望ましさが変わるという概念からして科学でない、って指摘は、えっ、って思いから、確かに、と…。
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まだ法学部に行くとは決めていない高校生を対象にして、法ルールとはどんなものか、法学を学ぶとはどういうことか、を述べた本。 法学部の1年生向けのガイド本とかはよくあるが、その前段階のもので、珍しい位置づけのもの。 そういう位置づけのせいもあるけど、恐らくは著者の資質によって、数学...
まだ法学部に行くとは決めていない高校生を対象にして、法ルールとはどんなものか、法学を学ぶとはどういうことか、を述べた本。 法学部の1年生向けのガイド本とかはよくあるが、その前段階のもので、珍しい位置づけのもの。 そういう位置づけのせいもあるけど、恐らくは著者の資質によって、数学や医学、あるいは他の学問分野との比較をしながら話を進めていく。これは大変おもしろい。 ・数学で公式や解法を学んでもそれだけでは問題は解けないので問題演習を積み重ねて「どの」公式や解法を使うべきかを会得するように ・法曹実務家になるためには問題解決のために「どの」法ルールを用いるべきか判断できるようになる必要がある とか。 あるいは、患者と対話したり検査をしながら病因を診断していく医者と、依頼人の話の中から法的に大事なポイントをつかんで適切な法ルールの適用を考えていく弁護士は似ている、と。 高校生に対して法学部を強くプッシュするというよりは、さまざまな学問分野の中での法学の位置づけを述べながら「興味があればどうぞ」という感じになっている。 これは、ある程度の読解レベルと志向のある人を誘うものになっていて、「でもしか法学部生」を忌避する作戦になっている。 ところで、著者の資質と書いたが、もっと明確に自身を「データ大好き人間」と述べている。 実際、冒頭でニューヨーク市の駐車違反ルールの改正による影響を統計数値から図表化したり、福島県立大野病院事件が福島県の医療に及ぼした影響推計のグラフを載せている。 さらっと載せていてキチンとした解説をしていないのだけど、森田先生の関心がこういう方向にあることはよくわかる(まあ知ってたのだけど)。 法学と計量分析の連携は、日本ではすごく手薄になっているので、次回作でそっち方面を書いてくれることを期待している。 なんか最近の森田先生は、古い犯罪統計の数値をチクチク検証しているようなので、その成果を期待している。
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