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森の中に埋めた の商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

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2020/12/28
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登場人物一覧が5頁! 翻訳ミステリに慣れてない人にはきついか⁈ でも時間をかけて読む価値あり。 読み続けてきたファンは特に。 オリバーはダメダメな時代もあったけど、なんて過酷な人生をおくってきたことか。 長年の謎の一部が明らかになる。 彼と周囲の人々の取り戻せない長い時間を思うと胸が締めつけられる。 女難の相があるのか?女に弱すぎるのか? そんなオリバーに今度こそ幸せが…やっと…ほんとに? ピアの有能さが際立ち、新しい部下の活躍も期待できそうでうれしい。 捜査本部内に足を引っ張る奴がいる設定は好きではないが、今回の署長は許容範囲。

Posted byブクログ

2020/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オリヴァ―とピアシリーズの第8作。 大変良かった。 オリヴァーのルーツとも言える事件が解決したこともそうだが、 長年もやもや、いや、いらいらしていたオリヴァーの私生活が安定を得られそうなことが、とても良かった。 とはいえ、登場人物が多く、かつその関係が複雑で、 さらには過去と現在を把握していないと話について行けないので、 かなり読み進めるのが難しかったことは否めない。 しかも、 知識豊富で、証言を引き出すための嘘も上手い新人が入ってきたことや、 (彼のあだ名、アインシュタインはそういうタイプの天才ではないと思うが) オリヴァーが義母の遺言で屋敷を相続することになったこと、 今の恋人に心の内を打ち明けられたこと、 長期休暇中の後任にピアが決まったことで、 これが最後の作品になるのではないかという心配も、 読む進めるのを難しくしていた。 オリヴァーの人生そのものとあって、 あちらこちらに心ゆさぶられる場面があったが、 事件解決後にけがで入院したオリヴァーに、 ピアがかわいい贈り物をする場面には心を打たれた。 それと、あとがきで書かれていた訳者の「聖地巡礼」は本当に羨ましい。 この事件の舞台の村、作者が暮らす村内の「聖地」を訪れ、 作者本人に朗読してもらえたとは。

Posted byブクログ

2020/11/13

『刑事になってから幸運にも、知り合いが絡んだ殺人事件を捜査する経験がなかった。これが最初になるのだろうか。』 (66頁) さあ、覚悟を決めよう。 登場人物表は5ページにわたる。 さらには姻戚関係の記された家系図がある。 地図は縮尺のちがうものが2枚だ。 厄介である。 けれども、...

『刑事になってから幸運にも、知り合いが絡んだ殺人事件を捜査する経験がなかった。これが最初になるのだろうか。』 (66頁) さあ、覚悟を決めよう。 登場人物表は5ページにわたる。 さらには姻戚関係の記された家系図がある。 地図は縮尺のちがうものが2枚だ。 厄介である。 けれども、これが面白さの理由にもなるのだ。 厄介なことである。 事件の舞台はルッペルツハイン。 オリヴァーの住まいのある、幼い頃からよく知る街だ。 事件の関係者は、ことごとくよく知る人々だ。 同じ学校に通った者、その兄弟、その家族、親同士も互いをよく知っている。 大人になって会ってみれば、性格の強くなった者、太った者、哀れなほど色あせた者、知っているつもりだったのに、よくわからなくなった者―― 事件の捜査ともなれば、知らなくてもよかったことを探り出すことにもなる。 しかも、それが自身の思い出したくもない過去にふれるとなれば、オリヴァーの衝撃は計り知れない。 だから『夫婦同士と同じくらいボスのことを知っている』 (259頁)ピアは気が気ではない。 常にボスを気遣い、時にきついことも告げている。 くわえて、オリヴァーもピアも、将来に向けて仕事が変化する状態にある。 捜査課には新人も入って、これがなかなか優秀なのだ。 Tempora mutantur, et nos mutamur in illis テンポラ・ムタントゥール、エト・ノス・ムタムール・イン・イリス 時は移る。そしてその中でわたしたちも変わる。(130~131頁) 表紙を初めて見た時から、強い印象を受けた。 これまでの巻は、風景写真が多かった。 こちらを向いた動物の写真とは、かなり異色だ。 読むうちに、その意味を知った。 今では胸につきささる表紙である。 翻訳者による後書きも読みどころがたくさんあった。 シリーズにおける作風の変化の説明から、作者ネレ・ノイハウスに会った時のこと、舞台ルッペルツハインでのイベントの模様などは、ワクワクして読んでいた。 シリーズでも重要な位置を占めるだろうこの『森の中に埋めた』は、あまりに読みどころ満載で、これが最終巻ではないかと心配したが、懸念だった。 ドイツでは次の巻『 Muttertag 』も既に刊行されている。 何年かに一度、まとめて一気読みしたいシリーズというものがある。 オリヴァー&ピアシリーズは、まさにその価値のある作品だ。 『 Muttertag 』の翻訳出版の知らせを聞いた頃、それを実行するだろう。 シリーズはドイツでもたいへんな人気らしく、タウヌス・ミステリ・シリーズ( Der Taunusukrimi )として、全作がドラマ化されている。 DVDにもなって、1から6話までであるが、その宣伝動画もある。 舞台ドイツの雰囲気が見えて面白い。 https://www.youtube.com/watch?v=Qw2LGeZUPQI&feature=emb_logo

Posted byブクログ