民主主義の壊れ方 の商品レビュー
民主主義のこれからを考えるうえで勉強になる。 歴史的考察を踏まえ、色々な視点で現状の背景、そこから起こりうる事象を提示している。 民主主義は中年を迎えている。あとはどのように終焉するか。
Posted by
トランプ大統領の誕生に危機感を覚えたことが執筆の衝動になった模様。 民主主義はクーデーターによる権力転覆、大災害によるリセットで壊すことができるが、現代においては、特に民主主義が成熟した先進国では、もう起こる事はない。 ただし、経済の犠牲によって生み出される気候変動でじわじわと死...
トランプ大統領の誕生に危機感を覚えたことが執筆の衝動になった模様。 民主主義はクーデーターによる権力転覆、大災害によるリセットで壊すことができるが、現代においては、特に民主主義が成熟した先進国では、もう起こる事はない。 ただし、経済の犠牲によって生み出される気候変動でじわじわと死ぬか、テクノロジーが秘密裏にじわじわと浸食してきて気付いた時には一気に逆転されるかのシナリオがある。 民主主義はよい仕組みとは言えない。それ以外よりはマシというだけで、ここまで長く生きながらえてきたけど、もう中年になりあちこちガタが来ていて、そろそろ終活を考える段階にきているよ。今死ぬわけではないけど、死ぬことは考えなくてはいけない時期なので、次の新たな世界をちゃんと考えていこう、という啓蒙の書。 ただ、とても読み辛い本だったので評価は低めになってしまいました。
Posted by
民主主義は、構成員の皆で意思決定する。少数意見に耳を傾け、多様性を大切にする。何か間違いがあれば選挙で違う考え方や方法を試す。多様性、熟慮、やり直しの強靭性がある。 一方で延々と議論だけが続き、何も進まないことも多い。意思決定のスピードと推進力を犠牲にする代わりに、最悪の事態を...
民主主義は、構成員の皆で意思決定する。少数意見に耳を傾け、多様性を大切にする。何か間違いがあれば選挙で違う考え方や方法を試す。多様性、熟慮、やり直しの強靭性がある。 一方で延々と議論だけが続き、何も進まないことも多い。意思決定のスピードと推進力を犠牲にする代わりに、最悪の事態を避けることには長けている。 コロナへの対応では、民主主義国家は遅れをとった。中国など一党独裁、権威主義国家での対応力とそのスピードには目を見張るものがあった。大惨事への課題解決能力では民主主義が劣る。 社会的課題への対応においても、現代では行政よりも、テクノロジー企業が担うところが大きい。また、選挙を含めた政治活動や社会運動におけるソーシャルメディアの影響力も計り知れない。 しかし、それらのアルゴリズムは一企業によって支配されている。市民にとっては不透明なものであり、主体的に運用、監視できるものではない。テクノロジーとハイテク企業は、民主主義を進化させるのだろうか。溶解させるのだろうか。 様々な社会的課題が噴出する現代において、瞬発力を持ってそれらを解決しようと考えた場合、従来型の民主主義には限界がある。民主主義に変わる制度は何であろうか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2019年に原書が出ているが、トランプが選挙でヒラリーに勝ったときの描写はドキッとする。オバマは史上最高得票の敗者となったヒラリーに、敗北宣言を促し、自らも「国民の選択を信じよう」という政権移行の演説をする。それでなければ民主主義は死ぬから。トランプが負けていたら暴力的なことが起こったかもしれないと著者は書く。まるで4年後、トランプが政権移行を拒んで暴力的に支持者を煽ったことを予言するかのように。、
Posted by
最近関心ある民主主義はどう終わるのかシリーズ。本書では、3つの壊れ方を示す。一つ目は「クーデターや政治的動乱」。これはまさに最近ミャンマーで起きたことを考えるとわかりやすい。ただ、著者が指摘する「成功するクーデター」は、「市民が知らないうちに、行動を起こす前に、権力移行が完了して...
最近関心ある民主主義はどう終わるのかシリーズ。本書では、3つの壊れ方を示す。一つ目は「クーデターや政治的動乱」。これはまさに最近ミャンマーで起きたことを考えるとわかりやすい。ただ、著者が指摘する「成功するクーデター」は、「市民が知らないうちに、行動を起こす前に、権力移行が完了している」ものであり、ミャンマーの事例はうまくいかないのではないか。二つ目は「危機に対する感度が低くなった結果」。確かに、70年代には公害(沈黙の春)や核戦争・軍事同盟に対する反対運動などが活発だったが、現代はそれほどでもなく、いろいろなことに対する諦め感があって、この指摘には深く頷ける。三つ目は「デジタル革命の影響」。間違いを起こさない優れた知能が創造できるのであれば、愚かな政治家ではなくその「知能」に判断をまかせるべきではないかという「テクノクラシー」。しかし、判断の基準は人間が構築するのであり、結果、一握りの権力者の意向の隠れ蓑になるのではという指摘。これまで読んだこの種の本で、民主主義の本質は「参加と責任」であるとわかった。無関心・人任せ・諦めなどが、民主主義破壊の原因であると認識。
Posted by
内容以前にどうにも読みづらく頭に入ってこなかった。 著書なのか、それとも訳者とのなのか、とにかく相性が悪かったみたい。
Posted by
脳の老化のせいか、個人的に読みづらく内容が頭に入ってこない。 読了はしたものの、私の脳内では結論が見出せないまま。もやもやする。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館の新着コーナーで手に取った。 「民主主義」は中年として危機を迎えており、今後、終焉を迎えるのは必然であり、その迎え方は国それぞれという。 民主主義が終焉を迎える向こう側には何があるのだろうか。 戦後日本では経済を発展させてきたが、21世紀に入り産業構造の変化や少子化を背景に経済は停滞している。国民と為政者は経済発展と共に歩んで来たわけだが、日本では為政者を直接選挙によって選ぶわけではなく、政党内でその座を勝ち取った為政者を国民が支えてきた。発展局面ではそれで良かったのだろう。 一方、経済が停滞又は減退する局面において、同様な制度が通用するのだろうか。制度は大きく変わらないとしても、その姿勢が通用するのだろうか。日本人には限らないかもしれないが、強力な権力・リーダーシップを持った為政者(個人)に依存したくはならないだろうか。いずれにしろ、なんとなく危ない匂いがする時期を迎えている気がしてならない。
Posted by
クーデター、大惨事、テクノロジー、という異なる3つが、民主主義にいかに影響を及ぼすか、の話。壊れ方と書いているが、そこまで大胆な話というより、民主主義を進める上でもこれらとうまく付き合う必要があるね(統制しないとね)の感じ。 めちゃ読みにくかった、翻訳もだが原文も相当クセがあり...
クーデター、大惨事、テクノロジー、という異なる3つが、民主主義にいかに影響を及ぼすか、の話。壊れ方と書いているが、そこまで大胆な話というより、民主主義を進める上でもこれらとうまく付き合う必要があるね(統制しないとね)の感じ。 めちゃ読みにくかった、翻訳もだが原文も相当クセがありそうな感じ。。笑
Posted by
- 1