豊作でござる！メジロ殿(3) の商品レビュー

ちさかあや(著者),原恵一郎

2020/10/29

待望の第３巻。ミステリ要素を強調した話ももちろん面白いのですが、やはり農業技術の知恵を尽くす話にこの漫画の本質的な魅力があると思います。今回も「そう来たか！」「天敵農法や促成栽培（バイオマスでもある）をそこに持ってくるか！」と感服させられながら読了しました。
厳しく容赦のない自然の前で謙虚でありつつ、農業の知恵を尽くして挑もうとする人間たち。今回は、そんな自然と人間との関係に向けるメジロ殿の視点が掘り下げられるエピソードもあり、彼がなぜあれほどまでに強く農法に執着し続けるのかの理由の一端が垣間見えたように思いました。
なお14話を読み、信州の高地でそんなもの（ネタバレ回避）が本当に作られているの？ と試しにネット検索したら現在でも作られていて驚きました。信州の皆さま、無知ですみません。
そして善波殿、惚れた弱みとは言え、目的のためなら無茶も厭わないメジロ殿に今回も苦労してますね……。