シリアで猫を救う の商品レビュー
アラブの春についてはほとんど知識がなく、猫をきっかけにしてでも、中東の現状を少しでも知ることができてよかったと思う。子ども、動物など、苦しめられるのはいつも弱者であること、体制側でも反体制側でもないごく普通の一般人が大量に殺されている、ということに心が痛む。また、悲惨だった独ソ戦...
アラブの春についてはほとんど知識がなく、猫をきっかけにしてでも、中東の現状を少しでも知ることができてよかったと思う。子ども、動物など、苦しめられるのはいつも弱者であること、体制側でも反体制側でもないごく普通の一般人が大量に殺されている、ということに心が痛む。また、悲惨だった独ソ戦のスターリングラードの戦いですら殺されるとしたら敵国ドイツ軍だった(粛清は別…)のに、ここでは自国の兵士や盗人に殺されてしまうという説明も悲惨さを伝えてくれる。 「猫を救う」アラーさんは非常に危険で悲惨な状況のなか、(少なくともこの本のためのインタビュー時点までは)よくぞご無事でと思った。アラーさんは出版翌年に逮捕されたそうで、2024年現在はどうしているのかわからなかった。この本の出版から時間が経っているが、シリアは今なお内戦状態だそうで、公式Instagramでは直近の投稿でも今にも危険が迫りつつあることが伝えられており、心が痛む。アニマルセラピーというような考えは安寧な地域でしか無さそうに思っていたが、戦地の子どもたちも猫などの動物から少しでも癒され救われているようでよかった。 ヨーロッパ人の犬とかへのコメント(骨食べさせるな)はやはりいかにもヨーロッパ人らしいと思った。
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この本に出会ってよかった。 リアルな戦争描写で、読み進めるのが苦しかったし、世界情勢が不安定になってきたから日本も戦争が起こるかもと思って不安が強くなったけど、読めて幸運だったのかもしれない。後悔しないように生きれるまで生きようと思った。自分の生き方が変わった。
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アレッポにおけるシリアの内戦の様子を、その始まりから現在に至るまで、人と動物の救助活動を続ける本人が語る。本人へのインタビューをもとにイギリスのジャーナリストがまとめたものだが、とてもよくまとまっていて読みやすい。非常に厳しい状況を率直に語りながら、本人の前向きな姿勢に力づけられ...
アレッポにおけるシリアの内戦の様子を、その始まりから現在に至るまで、人と動物の救助活動を続ける本人が語る。本人へのインタビューをもとにイギリスのジャーナリストがまとめたものだが、とてもよくまとまっていて読みやすい。非常に厳しい状況を率直に語りながら、本人の前向きな姿勢に力づけられる。
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行き場のない多くの難民を生んだシリア内戦。悲惨な内戦だとは知りつつも、遠い国の出来事ゆえあまり深く知ることはしなかった。 そんな激戦地で医療従事者でもないただの一般市民が取り残された猫や犬たちの救助をし、「アレッポのキャットマン」としてその活動が広く支援を集めていることをこの本で...
行き場のない多くの難民を生んだシリア内戦。悲惨な内戦だとは知りつつも、遠い国の出来事ゆえあまり深く知ることはしなかった。 そんな激戦地で医療従事者でもないただの一般市民が取り残された猫や犬たちの救助をし、「アレッポのキャットマン」としてその活動が広く支援を集めていることをこの本で初めて知った。 自然災害などの被災地でも取り残されるペットや家畜は目にしてきた問題。ましてや現在進行形の戦場で人の命を守ることさえ困難な状況で、動物たちを残してでも逃げざるを得ないのは容易に想像がつく。 銃撃戦が行われている中をすり抜けて救助にあたっていた彼の行動は「素晴らしい」と言うだけでは足りないです。 たまたま日本に生まれ、今は戦争とは無縁の中で生きていられるけれど、つい最近のアフガニスタンやそれ以外でも一般市民の命が恐怖にさらされる国が多々あると思うとやるせない。
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日本語訳は大塚敦子さん。 大塚さんのファンなので手にしました。 著者が身を挺して、人と猫を助け続けるようすに強く胸を打たれた。
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シリア内戦は多くの悲劇を生み出している。 苦難に満ちてはいるが、しっかりと生きること生かすことへの生の声が読み取れる。 改めて戦争戦闘が一般市民の普通の生活を地獄へ追いやる不条理を感じさせる一冊。
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