三島由紀夫 悲劇への欲動 の商品レビュー
一冊だけで理解したかったら、現代ではこの一冊。 文筆以外にこれだけ色々な事に手を出したのは、自分への劣等感の現われか? 昭和天皇が人間宣言をし、アメリカの配下に下ったことに憤慨し、天皇殺戮を計画するもかなわず、自衛隊決起を促して自死に至った。今後全集を読み解くのに必要な知識が...
一冊だけで理解したかったら、現代ではこの一冊。 文筆以外にこれだけ色々な事に手を出したのは、自分への劣等感の現われか? 昭和天皇が人間宣言をし、アメリカの配下に下ったことに憤慨し、天皇殺戮を計画するもかなわず、自衛隊決起を促して自死に至った。今後全集を読み解くのに必要な知識が得られた一冊。
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一次資料・二次資料を元にした三島由紀夫評。 作品というよりも、三島由紀夫その人の全てが身ぐるみ剥がされて見聞されるような印象を持った。 辛いし恐ろしい。少しだけ憧れる。
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前意味論的欲動という概念を掲げて、三島由紀夫の生涯をバランスよく捉えていると感じた。 没後50年経っても三島が色褪せないどころかますます存在感が増している理由が、この本を読んでよくわかった。
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著者の言う「前意味論的欲動」の概念がよく分からない。なぜわざわざそんな概念を立てねばならなかったのだろうか。引用する三島の言葉、「悲劇的なもの」「身を挺している」は、なるほど三島理解のキーワードになると思える。
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三島由紀夫がなぜ自死に至ったのか その深い理由等に興味があった 本著は、彼の作品の解説と三島自身のことについて主に書かれていた もっと他の本も読んでみようと思う 知りたかったことは、よく分からなかったが、作品についてなかなか内容が濃く面白かった
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著者・佐藤が言うように三島の行動の軌跡を「前意味論的欲動」を軸として描くことに成功しているかどうかはともかく、幅広い爪痕を文学と社会に残した三島のコンパクトな評伝として受け取ることができる。新書というコンパクトな形にこれだけの史料内容をよく収め得たな、とその編集力(編集者の力量か...
著者・佐藤が言うように三島の行動の軌跡を「前意味論的欲動」を軸として描くことに成功しているかどうかはともかく、幅広い爪痕を文学と社会に残した三島のコンパクトな評伝として受け取ることができる。新書というコンパクトな形にこれだけの史料内容をよく収め得たな、とその編集力(編集者の力量かもしれないが)にまず感嘆する。
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やはり三島は痛い、可哀想なひと 学生時代は熱狂したが、今は憐れにしか思わない 輪廻転生にすがるのは最後の最後にしたい
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三島由紀夫文学館(山梨県山中湖畔)の現館長である著者が、数々の三島文学と芸術文化(映画・演劇)、肉体鍛錬(剣道・空手・ボディビル)など、多方面での体験と思考を通して湧き出た三島の情念(欲望)を探った没後50年目の評伝です。 大正14年平岡家の長男・公威(きみたけ)が東京四谷で生ま...
三島由紀夫文学館(山梨県山中湖畔)の現館長である著者が、数々の三島文学と芸術文化(映画・演劇)、肉体鍛錬(剣道・空手・ボディビル)など、多方面での体験と思考を通して湧き出た三島の情念(欲望)を探った没後50年目の評伝です。 大正14年平岡家の長男・公威(きみたけ)が東京四谷で生まれる。16歳で三島由紀夫を筆名とし、学習院高等科を首席で卒業、勤労動員、徴兵検査を経て終戦。東大法学部卒業し大蔵省入省、退職後は作家活動に。東大全共闘との討論会、「盾の会」結成、市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地にて割腹自殺(45歳)。
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「三島由紀夫」という人物は、自分がこの世に生を受けた時には既に没しており、またある種の神格化が進んでいた。 いかなる著作もその悲劇的最期と分かち難く結び付けられ、そのためか「難解」「国粋主義的」そういった印象を持っていた。市ヶ谷での顛末が大きくクローズアップされる以上、それはある...
「三島由紀夫」という人物は、自分がこの世に生を受けた時には既に没しており、またある種の神格化が進んでいた。 いかなる著作もその悲劇的最期と分かち難く結び付けられ、そのためか「難解」「国粋主義的」そういった印象を持っていた。市ヶ谷での顛末が大きくクローズアップされる以上、それはある程度は仕方あるまい。 しかるに、本書においては各作品が出版された当時の受け止められ方や空気感、時代背景などが極力客観的に描写され、作品へのバイアスを解くと同時に人間・三島由紀夫を浮き彫りにしている。
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三島由紀夫の最期を知る我々は、彼の作品を彼の最期を投影して読まざるを得ない しかし、当然ながら彼の作家人生には、一つの個人に貫かれていると同時に、時々の考えは揺れているはずである そう思った時に、この本の”一貫性”への視座、時々の揺らぎ、各作品の意図の解説はとてもいいバランスで...
三島由紀夫の最期を知る我々は、彼の作品を彼の最期を投影して読まざるを得ない しかし、当然ながら彼の作家人生には、一つの個人に貫かれていると同時に、時々の考えは揺れているはずである そう思った時に、この本の”一貫性”への視座、時々の揺らぎ、各作品の意図の解説はとてもいいバランスで、三島の世界観を考える上でとても参考になった
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