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不登校の予防と対応 の商品レビュー

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2024/01/31

「キーパーソンは学級担任に限らず、校長や学年主任、スクールカウンセラーでもよいですが、子どもに選ばせるのではなく、覚悟をもって自ら取り組める人であることが重要です。」 小・中学校でも、わからない問題を質問したり、意見を出し合って自分と違う考え方にふれたりすることを通して、学びが...

「キーパーソンは学級担任に限らず、校長や学年主任、スクールカウンセラーでもよいですが、子どもに選ばせるのではなく、覚悟をもって自ら取り組める人であることが重要です。」 小・中学校でも、わからない問題を質問したり、意見を出し合って自分と違う考え方にふれたりすることを通して、学びが深まります。教科の授業(学習指導)の中にも、生徒指導の機能が働いているのです。人から教えてもらうことで、教えられた子どもは大切にされている感覚を学ぶことができ、教える子どものほうも、教える経験を通して自分が役に立つんだという自己貢献感、自己有用感をはぐくむことができるのです。 不登校は学校が起点となる。だから、子どもに一番近い大人である学級担任が、発生から解決までかかわり通す意味や役割はとても大きい はじめから「学校だけが人生じゃない」なんて思う子はいません。だれもが本当は友達や先生と楽しく過ごしたい、勉強がわかるようになりたい、学校で充実した毎日を過ごしたいと願っているのです。「休息が必要だよ」「学校以外にも生きる場があるよ」などと言われるより先にそうした気持ちをくんでもらえたら子どもはうれしいと思います。 「集団で自由に話し合う」など、流動性や自由度の高い活動を苦手とするASDの子どもは多いです。そこで授業中の発表機会、グループ学習の分担、当番や係など、明確な役割やルールが与えられると、見通しをもって活動に参加できます。そこでの遂行や達成は教師や仲間からの社会的承認の体験となり、自己肯定感を維持し高めます。 【支援のキーワード】 変化への抵抗感を考慮、視覚情報の有効活用、内的状態の推敲の援助、社会的文脈の理解、潜在的カリキュラムの気づき、重要度・優先順位の判断、認知の偏りへの対処、心理的・物理的距離、他者理解・自己理解、成功体験の確保、自尊感情への配慮、人的・物的環境調整、自己理解、援助希求 ここで大事なことは、1人の子どもが不登校という現象にいたるまでにはさまざまな援助ニーズが複合的に絡んでおり、教師は学習面、心理面、社会面、進路面、健康面について複合的な支援が必要であると理解することです。この支援は教師1人でできるものではなく、チームでの連携が必須となります。 心と心のふれあいというかけがえのない体験を提供できるプロフェッショナル、それが、筆者が思うところの教育カウンセラーのアイデンティティです。 教育カウンセリングにおいて大事にされているものの1つが、「自分が自分の人生の主人公であること」です。 そこで、教師が「押しかけ面接(アウトリーチ)」することで、保護者の精神的サポートをすることができます。子どもが休み出した際に、クラスメイトに頼んでプリントなどを持って行かせ、「押しかけ面接」をしない教師もいますが、保護者のサポートという視点では、適切な対応とはいえません。教師が保護者自身の不安定な精神状態のサポートをできませんし、保護者にとっては、子どもの不登校が長引けば、プリントを届けてくれるクラスメイトに対しても申し訳ないという気持ちが生じるからです。 などなど、不登校について、さまざまな視点から、整理され、具体的な内容が示されています。内容的に、深く学習しなければ、理解が浅くなりがちな面もありますが、予防と対応という視点で、たいへん分かりやすい一冊です。多くの人に、ぜひ手に取ってもらいたいと思います。 #読書 #読書が好きな人とつながりたい #本が好きな人とつながりたい #不登校の予防と対処 #教育カウンセリング #会沢信彦 #諸富祥彦 #大友秀人 #図書文化

Posted byブクログ