みんなで一人旅 の商品レビュー

遠藤彩見(著者)

2021/08/28

2021/08/28
給食のおにいさんの作者の人だとは知りませんでした。旅行関係のエッセイや小説などを読み釣っていて、長らく置いておいたこの本をようやく読むことができました。旅行、特に一人旅に関することが短編で収められているのですが、それぞれの話がすごくいいところで終わるので、「その後どうなった！！？」ととても気になる内容です。しかもただの旅ではなく、出てくる人物がそれぞれに微妙な何かを抱えているので、ミステリアスチックだったり、あーめっちゃわかると共感できたり。最後の話はコロナ禍ならではのVRで旅行をするという内容に家族愛を絡めたものです。
自分もたくさん一人旅に行っていたので、この本の主人公たちがそれぞれに考えていたことや、そんな場面にとても共感してしまいました。

2021/08/20

スタイルが異なる
「旅行」にまつわる７つの短編集。

・男の二人旅
・一人参加者だけの団体ツアー
・出張
・上級会員資格獲得のための旅
・旅の道連れ
・社員旅行
・バーチャル旅行

設定からして、ひと捻りある。
さらにストーリーは、
体操の白井健三並みに捻りが効いている。
下味はスイートというよりビター風味だ。
その苦みが甘みをより際立たせるものもあるし、
そのまま苦みが魅力なお話もある。

そうだな、旅行って楽しいだけじゃなく、
ハプニングや面倒くさいことも多いんだよな。
旅行に行けないコロナ禍、
読みながら過去の旅行を思い出す。
忙しなくルーティンを繰り返す日常と異なり、
思わぬことに戸惑って時間を取られたり、
ふと空いた時間に手持ち無沙汰になったりも。
著名な観光地や目的の行き先でなく、
意外にそうした時間の方が記憶に残ったりする。

旅行に行く前と行った後で、
少しだけ心情が変わる。
それが旅行の醍醐味だと思う。
そういう意味でこの物語の登場人物たちは、
旅行の魅力を十二分に味わっている。
それが望むと望まざるにかかわらず。

ああ旅行に行きたい！

2020/12/03

バーチャルフライト、いいなあ。現実でもあったら行きたい。年老いた母と、行けなかった旅にでれたら、最高にうれしい。