オランダ宿の娘 の商品レビュー

葉室麟(著者)

2022/07/08

シーボルトが実は密偵だったという話はなんとなく知っていたけれど、その詳細をこのような形で描いた作品がらあったとは。
どこまでが史実なのかは分かりませんが、とても興味深く読むことができました。

2022/06/06

日本とオランダの懸け橋に。“長崎屋”の娘、るんと美鶴は、江戸参府の商館長が自分たちの宿に泊まるのを誇りにしていた。「シーボルト事件」などの史実を題材に、困難な中でも想いを貫いた姉妹の姿を描く歴史小説の傑作。（e-honより）

2021/09/24

鎖国（最近、鎖国ではなかったとの説があるが）の江戸時代には、出島からオランダの使節が江戸参府する。その時に泊まる宿の娘るんと美鶴が主人公の歴史小説。
彼女たちは架空の人物であるが、旅館は実在の宿であり、シーボルトや間宮林蔵、遠山の金さんもそれぞれ重要な役割で登場。「シーボルト事件」など史実が題材となっている。
冒頭、江戸で起こる火事について綴られる。
その火事について
「女のせいなんだよ。女が嘆いたり怒ったり悲しんだりすると、世の中に何かが起きる。一番ひどいのは妬みや恨みだね」「それじゃあ、きのうの火事は死んだ女の子の霊が起こしたといわれるんですか」とか語られ、オカルトめいてくるが。
これが、終盤大きな意味を伴ってくるとは。

2021/04/04

202103/日本とオランダの懸け橋の宿「長崎屋」の姉妹「るん」「美鶴」を主人公に、シーボルト事件等の史実や姉妹の恋愛を描いた歴史ミステリ。宿話がメインのもっとライトなものを想定していたけど、危機や困難、登場人物達の死等が多く重めな物語だったけど面白かった。美鶴やおかほの不思議な力みたいな要素は自分にはあわなかった。

2020/10/22

シーボルト事件を中心としたミステリ。
余りにも有名な事件なので、どのように描かれるのだろうと。
中心になるのはオランダ人が江戸に来た時に宿となる長崎屋の二人の娘、るんと美鶴。
彼女達の周囲には名だたる武士や学者等。
流石、葉室さんですね。ラストシーンにお見事の一言です。