花の慶次 ―雲の彼方に―(新装版)(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
言わずと知れた名作中の名作 歴史系を好んで読む漫画読みで、この『花の慶次‐雲のかなたに‐』を読んだことがない者がいたら、漫画読み失格だ、とすら思ってしまうほど 言うまでもなく、『北斗の拳』も名作で、世界に多くのファンがいる ただ、一個人としては、この『花の慶次』の方が、ストーリー的には好み。また、日本史の勉強にもなるだろう 戦国時代だけあり、戦いで人が死んでいく描写は、かなり現実的ながらも、慶次の強さはとんでもない。説明が難しいほど、慶次の戦闘力は計り知れない。それに伴って、ちょっと(?)残忍なシーンが多いけど、この過激さがあってこそ、『花の慶次‐雲のかなたに‐』と言える 私的に、男を磨きたかったら、これを読むべき、これを読んでおけば大丈夫、と他の漫画読みに勧めたい漫画がいくつかあるが、この『花の慶次‐雲のかなたに‐』も、その一つ。ちなみに、他には、『からくりサーカス』や『ハチミツとクローバー』などがある 言うまでもなく、前田慶次は剛の者だ。しかし、単に腕っ節が強く、武勇に長けている訳じゃなく、心優しく、通すべき筋を大事に出来る。一言で言うなら、やはり、本物にして唯一の傾奇者、なんだろう 作中で、慶次は様々な表情を見せるが、読み手に強く印象を残すのは、やはり、「怒」じゃなかろうか。男や武士としての風上に置けぬ行為を働いた者に対して見せる憤怒の形相は、正に鬼神のそれだ これまで何度か、私は『花の慶次‐雲のかなたに‐』を最後まで読んでいるが、毎回、グッと来る。それは、これが名作である証拠であると同時に、まだまだ、私が男として未熟であり、磨き方が足りない、と教えてくれている 改めて、男磨きをすべく、この【新装版】を買い、最終巻まで感想を書く、と決めた次第なので、最後までお付き合いしていただければ、幸いだ この台詞を引用に選んだのは、ガッツーン、と来たので 最初に、この台詞に触れた時から、ずっと、衝撃が変わらない。ある意味、『花の慶次‐雲のかなたに‐』と前田慶次と言う雄の生き方をシンプルに纏めている名言だ この名言に触れてから、私はむやみやたらに、「自由」って単語を使わなくなった 私は“自由”に生きられるほど強くない、と思っているからだ 自由って単語が好きで、外に向かって連呼するのは、それこそ、自由なので、私がどうこう言うつもりもない ただ、軽々しく、自由と言える人は、自由に生きる怖さを知らないんだろうな、と思うだけだ 自由に生きているように見える人を羨ましく思う事もあるだろうが、その人はその人で、他人には計り知れないほどの苦労をしてきている事も感じ取らなければならない、自分がちゃんとした大人だ、と自称するならば 自由に己の人生を生きたいならば、次の瞬間にも死ぬかもしれない生き方を選ぶ覚悟をしなければいけない ちょっと不自由に感じる生活の方が、普通の人にとっては良いのかも知れない 「慶次どのはいいなあ。好きなときに寝、好きなときに起き、好きなことだけをして死ぬんだ」 「そんなに自由に生きたかったら、乞食にでもなるさ。だが、その自由ものたれ死にの自由と背中あわせだがな」(by松田槙之助、前田慶次)
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