裁判例からみた面会交流調停・審判の実務 第2版 の商品レビュー

梶村太市(著者)

2022/07/07

実践的な実務書が少ない面会交流の分野で、過去の判断例を概観できる点でお役立ち度が高い。130近くの審判例や裁判例が掲載されており、横断的に分析して調停・審判における交渉・主張や面会交流の実践において考量しなければならない要素を抽出できる。そして、自分が乏しい経験からではあるけれども経験則として体感的に導き出した事案処理方針は前例から抽出された考慮要素とほぼ一致していた。
他方で、原則実施論を批判する論考的な部分については、あまり論理的でない部分も散見される。このあたりをきちんと勉強しようと思ったら、本書だけでは足りないと思われる。
いわゆる「共同親権」論が表に出てくるにつれて、面会交流事件の重要性は高まると予想する。その際に指南書として使えるよい本！