婆沙羅/室町少年倶楽部 の商品レビュー
・『婆娑羅』 妖しげな密教の性の儀式からはじまる南北朝分裂の物語 佐々木道誉、後醍醐天皇、足利兄弟、高師直 ・『室町の大予言』 恐るべき魔将軍へと大変貌した、あみだくじによって将軍に選ばれた義教の愉快な半生 足利義教、赤松満祐 ・『室町少年倶楽部』 何もしない将軍、義政ができ...
・『婆娑羅』 妖しげな密教の性の儀式からはじまる南北朝分裂の物語 佐々木道誉、後醍醐天皇、足利兄弟、高師直 ・『室町の大予言』 恐るべき魔将軍へと大変貌した、あみだくじによって将軍に選ばれた義教の愉快な半生 足利義教、赤松満祐 ・『室町少年倶楽部』 何もしない将軍、義政ができるまで 足利義政、細川勝元、山名宗全、日野富子、お今
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佐々木道誉の一代記「婆沙羅」をはじめとした、室町伝奇三部作。 20年以上前に単作で「婆沙羅」だけ読んだことがありましたが、三作品を続けて読むことで、室町の狂気の世界を深く味わうことができたように感じました。 歴史の面白さから言えば、室町は興味の少ない時代であると感じてい...
佐々木道誉の一代記「婆沙羅」をはじめとした、室町伝奇三部作。 20年以上前に単作で「婆沙羅」だけ読んだことがありましたが、三作品を続けて読むことで、室町の狂気の世界を深く味わうことができたように感じました。 歴史の面白さから言えば、室町は興味の少ない時代であると感じていましたが、風太郎室町作品で描かれると、まさに魔界の世界でもあると思いました。 ああいう時代があって、今の日本があることの不思議さも考えさせられました。
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山田風太郎室町物の三篇。奇想天外とかエロとかの風味はやや薄まっているように感じられる。忍法帖がそれらの凝縮されたもの(あまり読んでいないのであくまでも感じだが)、明治物で歴史がかなり加わってきて室町はさらにそちらの方が主流という感じか。個人的にはそのバランスが取れた明治物が一番好...
山田風太郎室町物の三篇。奇想天外とかエロとかの風味はやや薄まっているように感じられる。忍法帖がそれらの凝縮されたもの(あまり読んでいないのであくまでも感じだが)、明治物で歴史がかなり加わってきて室町はさらにそちらの方が主流という感じか。個人的にはそのバランスが取れた明治物が一番好きである。 この本に収録された三篇については、室町幕府の中枢が描かれていることもあり、奇想という点では濃い部分と薄い部分がある。とはいえ山風であるから面白いのは当然。婆沙羅大名の佐々木道誉、くじ引き将軍義教と赤松満祐、そして応仁の乱前の義政と周辺を描いたというのはさすがの眼の付け所。最後の「室町少年倶楽部」では伊勢伊勢守貞親(本当に「イセイセ」と呼ばれていたのかな?)とその親類として伊勢新九郎まで登場(どちらかといえば悪役として)。「新九郎!奔る」の前史として読んでも面白い(だいぶ違うけど、山風だとこう書くんだという意味で)。
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