すこやかな服 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私は漠然と服が好きで、服を作ってみたいと思い色々バイトしたりインターンに行ったりしました。ですが次第に、自分の好きな”服”は誰かを苦しめる環境問題を生んでいることを学ぶにつれ、悲しくて仕方がありませんでした。何が一番悲しいかというと、それでも服が好きな自分が悲しかったです。自分の思想と本能的な感情がうまくマッチしませんでした。就活を前に絶望的になっていました。必死にどう服と向き合っていくことが自分にとって幸せか考えていくうちに、「誰かが服を買うときの理由にプラスα加えられる人になりたい」「服に愛着を持ってもらうことのできる仕事がしたい」そう思えるようになりました。就活の準備をしているうちに、コウサカさんの本に出会いました。ありえないほど私にとって心地のいい言葉で書かれた本で、納得と理解と共感で溢れました!!読みながら頷いたり、涙が出たり、笑ったりしました。本の中で『「愛着を持つこと」と「意味を知ること」は必ずしもイコールではない』というところに特に「あぁ!そうこれだ。」と首がもげるほど頷きました笑。経験が浅く、未熟でパニックになってる私にはまだうまく言語化できてなかった気持ちが言葉にされていたからです。本を読み終えた時、服を好きなことに罪悪感がなくなりました。人々の心も体も健康に過ごすためにファッションは手伝うことができる。ただ、今の状況を無視するのではなく自分のできる形で向き合おうと、思えました。
Posted by
好きなことを一生懸命やる、好きなことを見つけてやり続ける、そういう人は強い。 服と服に関わる人すべてが不幸せであるような現場に対し、みなが幸せであるように考え、行動できているところも素晴らしい。考えることと行動。 序盤で作った服が評価されて買ってもらえた。しかし黒字倒産を地で行...
好きなことを一生懸命やる、好きなことを見つけてやり続ける、そういう人は強い。 服と服に関わる人すべてが不幸せであるような現場に対し、みなが幸せであるように考え、行動できているところも素晴らしい。考えることと行動。 序盤で作った服が評価されて買ってもらえた。しかし黒字倒産を地で行くように資金繰りに窮していたところ、救いの手が差し伸べられた辺りは、読んでいてグッと来る。 そんな経験からか、著者は持続可能な仕組みを目指している。 「お客様第一」ではなく、「foufouが目指すのは「ユーザーに向けてヘルシーに作られたすこやかな服を届ける持続可能な仕組み」を作ること」と。 当たり前かもしれないけれど、大切なことがいくつも書かれている。 「数字目標は目的になってはいけない、誰がどう喜ぶかまで設計する」「ファッションの楽しさ」など。 日々の積み重ねしか確かなものはないと、あらためて思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
foufouの社長、マールコウサカさんの書籍。まずプロローグを見て驚いた。本を読んでいないのにプロローグを書くように依頼されているという協力会社のステイトオブマインドの社長、伊藤さん。実店舗はなく、SNSや試着会・ライブ配信を通じてECで販売するという形態をとる。この書籍自体も重いSNSと定義しており、お客様とのコミュニケーションの一環の1つである。インターネットで商売するからこそのリアルを追求している。それは服が最終的にリアルのものであるからだという。またこだわらないということに一番こだわっているという。特にセールはしない、カラーバリエーションしない、卸売りをしない、これら意識的にやらないと決めていることこそがブランドを形づくっている。印象に残るフックとユーモア。強い印象ではなく後味の良いコーヒーを飲んだ時のような良い引っ掛かり。書籍に文字として書かれているような良い引っ掛かりのある書籍でした。今後のfoufouの動向に目が離せない。
Posted by
消費者としての姿勢、宣言 服だけがファッションだと捉えず むしろ服を作るからこそ視野は広く 高いも安いも、新しいも古いも 良いも悪いもフラットに見て 自分の心が豊かになるような消費をして 自分の「スタイル」を持って楽しむ。 予期せぬハプニングを享受していく。 その予期せぬハプ...
消費者としての姿勢、宣言 服だけがファッションだと捉えず むしろ服を作るからこそ視野は広く 高いも安いも、新しいも古いも 良いも悪いもフラットに見て 自分の心が豊かになるような消費をして 自分の「スタイル」を持って楽しむ。 予期せぬハプニングを享受していく。 その予期せぬハプニングの中で 琴線に触れた体験がある仕掛けこそが 数式では求められない感動に繋がる。 また、一つ一つの暮らしの選択が foufouの作品や事業に 滲み出ることを忘れずに 思考して「選択」していくり 消費していくことを恐れずに 美しくすこやかに消費したい。 消費者としてやさしくありたい。 これは本書の表紙に書かれていた宣言です。デザイナーとしてあるために、プロダクトを届け、思想を届けるためにまず自らがどんな消費者であるかを考えるというのはとても素敵な姿勢だと思いました。自らが生み出すものと、普段の選択は無関係なようで繋がっている。これはどんな事業、仕事にもいえることだと思います。
Posted by
- 1
- 2