パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー の商品レビュー
カペスタン率いる特別班がやっぱり好き!また濃い新キャラが増えた… 警察組織から爪弾きにされたはみ出し者たちではあるけれど、一芸に秀でている。やる気をなくして完全に窓際部署になってしまうのかと思ったら、警察官としてのプライドを忘れていないシーンがあって胸熱だった。みんながわちゃわち...
カペスタン率いる特別班がやっぱり好き!また濃い新キャラが増えた… 警察組織から爪弾きにされたはみ出し者たちではあるけれど、一芸に秀でている。やる気をなくして完全に窓際部署になってしまうのかと思ったら、警察官としてのプライドを忘れていないシーンがあって胸熱だった。みんながわちゃわちゃしてるだけでも楽しい! ただ事件解決の展開はよいのだけれど、犯人像だけね〜ちょっと合致しないところがあって気になった。
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昨年の第一作『パリ警視庁迷宮捜査班』には度肝を抜かれた。個性豊かな困りもの警察官たちがひとところに集められ、世間の眼から隠されるというパリ警視庁の目論見と、それに反して活躍し団結してしまうへんてこなメンバーたちという構図が、ある種典型的でありながら、やはり嬉しいシリーズの登場作...
昨年の第一作『パリ警視庁迷宮捜査班』には度肝を抜かれた。個性豊かな困りもの警察官たちがひとところに集められ、世間の眼から隠されるというパリ警視庁の目論見と、それに反して活躍し団結してしまうへんてこなメンバーたちという構図が、ある種典型的でありながら、やはり嬉しいシリーズの登場作であった。 本作は期待のシリーズ第二作。本書では前作登場のメンバー9人に加え、2人のメンバーが順次加わってゆく。さらに前作登場の犬に加えネズミ君も登場して、しっかりコミカル面を演出してくれる。そして難事件への、バリエーション豊かなアプローチと、何よりもクリスマス・ミステリーとしても明るく暖かく楽しめてしまう。 フレンチ・ミステリーとしてぼくが最近注目しているベルナール・ミニエの作品『死者の雨』でも、サッカー・ワールドカップで盛り上がる作品背景が目立ったが、本書ではパリサンジェルマン対チェルシーという仏英サッカー対決に押し寄せたチェルシー側フーリガンを相手に我らが迷宮捜査班が大混戦を惹き起こす。圧巻(?)でものすごくオフビートな読みどころでもあるように思う。 もう一つはクリスマスイブの一日、警察捜査を休んでそれぞれのキャラクターたちが過ごす時間を、愛情いっぱいに描いてゆく作家のペンの行方にも注目したい。暴力的な連続殺人事件と、暗い過去の惨劇を捜査する警察官たちに与えられる中休みのページは、読者の心も温めてくれるはず。 おまけに<死神>と呼ばれる刑事トレズの思わぬ大活躍シーンもオフビートで作品に奥行きとインパクトを与えてくれる。女性作家ならではのハートウォーミングなユーモアに満ちたシーンが、本題に関係なく挿入されるのも本シリーズの魅力の一端である。 本筋のミステリーについては、主人公である警察官たちの内面や家族の歴史にまで食い込む、軽くはない物語である。作品世界に様々な香辛料も加えつつ、甘くて美味しくてピリリと辛い味付けにしている作者の腕前を味わって頂きたく思う。 本書では一部、邦題の元ともなった先としてリヨンでの一幕がある。リヨンは数年前に旅した新旧市街を併せ持つ美しい都市で、本書ではその様子が生き生きと描かれていて、個人的にはとても懐かしく思った。 最後に、本書解説の書評家・大矢博子さんのこと。彼女は翻訳ミステリー対象シンジケート重要メンバーなので、今年になってコロナ禍のためリモート化している読書会で、居住地を問わず全国レベルで北の端っこの読書子のぼくでも画面上ご一緒できるようになった方である。読書会、本書解説、両面で、専門家ならではの貴重な読書情報を提供して頂けるうえに、硬軟併せ持つ書評内容はとても素敵である。本書を手に取って選択を迷われる方は、まず解説に目を通して頂くことをお勧めしておきます。
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シリーズ第2弾。 カペスタンの元義父が殺害され、特別班は捜査に加わることになる。他の部署から情報を隠され疎まれつつも、独自の視点から真相に迫ってゆくのだが‥ 読みどころは特別班の面々の濃いキャラ立ち。そういう意味では独立したストーリーではあるが前作から読んだ方がずっと楽しめる。今...
シリーズ第2弾。 カペスタンの元義父が殺害され、特別班は捜査に加わることになる。他の部署から情報を隠され疎まれつつも、独自の視点から真相に迫ってゆくのだが‥ 読みどころは特別班の面々の濃いキャラ立ち。そういう意味では独立したストーリーではあるが前作から読んだ方がずっと楽しめる。今回は自称中世の騎士とネズミがメンバーに加わってカオス。終盤の大活躍は面白かった。
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予告殺人するようなサイコパスな殺人鬼か!?とドキドキしていたけど、あまりその点に注目されず物足りなく感じた。 話もごちゃごちゃ感があって引き込まれなかった。。。
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何かとっ散らかってる感はあるが、思いきった展開で読ませたな。PSMとチェルシーの試合の後は笑える。クリスマスのそれぞれの夜は、読ませる。誰かが言ってたが87分署の雰囲気もあるな。
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今回カペスタン率いる特別捜査班が捜査に呼ばれたのは、被害者が彼女の元夫の父だったから。しかし当然ながら彼らに普通に資料や情報が回ってくるわけもない。それでも彼らは自分の得意分野を活かして動く。少々躓くのは予定の範囲。彼らがお互いをその特技や問題点ごと認めあっているのが伝わってきて...
今回カペスタン率いる特別捜査班が捜査に呼ばれたのは、被害者が彼女の元夫の父だったから。しかし当然ながら彼らに普通に資料や情報が回ってくるわけもない。それでも彼らは自分の得意分野を活かして動く。少々躓くのは予定の範囲。彼らがお互いをその特技や問題点ごと認めあっているのが伝わってきて本当に好もしい。班には新メンバーも加わり、それぞれの背景も描かれる。特にクリスマスイブの日の各々の過ごし方は微笑んでしまうほどとても良かった。…内容を書く場所がなくなった…とにかく楽しんだので一作目をお好きな方は安心してどうぞ♪
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パリ警視庁迷宮捜査班。懐かしのメンバーの活躍が心地良い。今回は被害者や容疑者がメンバーと近しい関係があり、前作ほど胸がすくような展開にならなかったのが心残り。にしても、メンバー一人一人に愛着を感じる。次回作、早めにお願いしたい。
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カペスタン警視率いる、問題警察官たちの巣窟〈特別班〉の活躍を描くシリーズ第二作。 今回は過去の迷宮入り事件ではなく、起こったばかりの殺人事件の捜査を命じられる。と言っても現場に着いてみればやはり〈刑事部〉や〈捜査介入部(日本で言えば暴力団対策担当と立てこもりやテロ対策の突入隊と...
カペスタン警視率いる、問題警察官たちの巣窟〈特別班〉の活躍を描くシリーズ第二作。 今回は過去の迷宮入り事件ではなく、起こったばかりの殺人事件の捜査を命じられる。と言っても現場に着いてみればやはり〈刑事部〉や〈捜査介入部(日本で言えば暴力団対策担当と立てこもりやテロ対策の突入隊との合体?)〉に邪魔者扱いされ、捜査資料も古くて役に立たないものしか回してもらえない。 しかし〈特別班〉には優位性がある。何しろ被害者はカペスタンの元夫ポールの父親で元警察官だったのだ。同時に何故起きたばかりの事件が〈特別班〉に回って来たのかも分かった。 同性愛者であることを理由に組織を追われたルブルタンや書いた小説にモデルとして実在の警察官を出し過ぎてしまったロジエール、コンビを組んだ相手が不幸になる死神ことトレズ、元ギャンブル依存症のエヴラールは警察官としては問題ないが、パソコンは駆使出来ても基本や常識が分からないダクスやスピード狂で自分の体より車が大事なレヴィッツ、アルコール依存性に近いメルロは大丈夫なのかと心配になる。 今回はさらに自分を中世の騎士と信じるサン=ロウなる、とんでもないメンバーが加入。 ロジエールが飼い犬と勤務するのにようやく慣れたところ、次はメルロがネズミを連れてきた。やはりカオス。 しかしカペスタン始めメンバーたちの良いところは議論はしても互いの人格や性格や信条、セクシャリティについては否定せず受け入れているところ。 例えば言わなくても分かるだろう当たり前のことすら理解出来ないダクスには一つ一つ注意して付箋に書かせる。レヴィッツが何台車をオシャカにしようと怒らない。メルロの止まらないお喋りは聞き流しても遮りはしない。 何だか学校のような雰囲気だが、そうやってそれぞれが受け入れられているからこそ、それぞれが得意分野で捜査に活躍している。 まさか中世の騎士がこんなに活躍するとは思わなかった。そしてメルロのネズミも。 肝心の事件の方だが、カペスタンの元義父の前にも同一犯人によると思われる事件が起きており、さらに新たな殺人事件も起こる。 元警察官、町の名士、背景不明な男。この三人の共通点を追う中で、カペスタンらは辛い事実を知ると同時に意外な人物が関係していることも知ることになる。 これは前作以上に辛い結末になるのか。 カペスタンの元夫が元コメディアンというのも意外だが、死神トレズの特技も意外だった。しかもその特技の世界大会があるとは。 このシリーズを読んでいると、フランスという国の裏側を改めて知る。権利や自由を主張する国というイメージだが、この作品では同性愛に抵抗があるし性差別もあり、移民や人種に対する侮蔑や差別も日常的なようだ。 〈捜査介入部〉と〈特別班〉との連絡係として〈特別班〉に役立たずな資料しか持って来ないディアマンはやがてその〈捜査介入部〉から弾かれることになる。その理由は正に私たちの知らないフランスの裏側事情による。 日本も外国人を全面的にまたは好意的に受け入れているとは言いがたいが、その理由はフランスの事情とは違うと思う。島国で長いこと外国人に慣れていなかった歴史や銃犯罪が日常的でないことも多いに関係していると思う。私なんて英語で話しかけられても逃げ出すしかない。学校で長いこと英語を勉強したにも関わらず。 〈特別班〉はこのまま肥大していくのか、どこに向かうのかも気になるが、カペスタンが元夫との関係をどうするのかも気になるなぁ。まだずっと先のことになるだろうけど。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自らを銃士と名乗る濃い新メンバーが加わるところから始まる今巻。 そこへ入ったのは一人の警視正が手錠をかけられ、暴行を受けて、特注の標識の下で撃ち殺されていたという知らせ。 それはアンヌの別れた夫の父親だった。 そこからはじまる、特別班と刑事局、捜査介入部との捜査争い。 新たなメンバーを迎えた彼等は犯人を求めて、活動を始める。 今回も面白かった(^^) クリスマス季節ということで、みんなのクリスマス風景も良かった。 次の新刊も楽しみです♪
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