もっこすの城 の商品レビュー
期待通りの軽妙洒脱な文体でとても読みやすく、まさに一気読みでした。戦国末期の歴史好きにはお馴染みの頃の話でしたが、城作りという視点からの主人公の人生には、感動と共感しかありません。
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加藤清正の熊本城は有名だが、実際の現場で働く人物を生き生きと描く伊東潤の歴史ものは本当に惹きつけられる。 数年前(平成28年)の熊本地震で被害を受けた熊本城。少しずつ復旧はしているのかな? 阿蘇の雄大な風景とともに現場を訪れてみたくなった。
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加藤清正推しの自分としてはとても興奮して面白かった一冊!面白すぎて1日で読み終わってしまいました。城は戦うためにあるのではなく、民を守るためにあるという父、木村次郎左衛門忠範(高重)の言葉が胸にグサリとささりました(笑)加藤清正推しの人はぜひ読んでみてください。【小5】
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タイトルの『もっこす』は熊本弁で’頑固者・ひねくれ者・一本気な人(いずれも主に男性向けの表現)’という意。 けれども、本作に登場する人物は皆さん機に臨みて変に応ずが如し、物事に柔軟に対応する事が出来る紳士ばかりで、確かに一本確かな信念を持った人物達ではあるが今ひとつ’もっこす味(...
タイトルの『もっこす』は熊本弁で’頑固者・ひねくれ者・一本気な人(いずれも主に男性向けの表現)’という意。 けれども、本作に登場する人物は皆さん機に臨みて変に応ずが如し、物事に柔軟に対応する事が出来る紳士ばかりで、確かに一本確かな信念を持った人物達ではあるが今ひとつ’もっこす味(?)’が足りなかったような気がする。 この作品は、主人公である若き城取り・木村藤九郎秀範(架空の人物)が築城家として難題を乗り越えて経験を積み重ねて円熟していく様を追体験出来る、実に胸熱くさせる物語であるが、なんだろう、何かが物足りないのだ。 もちろん、場面場面で困難にぶち当たっては時に機転を働かせ、時にじっと堪え忍んで事に当たっていく訳だが、基本的に物語の方向は’藤九郎のサクセスストーリー、上昇一本道’であって、決定的な挫折からの回復だとか血の気が引くような大失敗は描かれない。強いて言うならばプロローグで父・木村次郎左衛門忠範(実在の人物!)が安土城と共に討ち死にを果たし、いっとき帰農して細々と暮らしを立てるあたりが挫折と言えなくもないが、その後は上司にも恵まれて年下の別嬪な妻を貰い、己の手腕によって周囲の尊敬や信頼を得て、最終盤で体調を崩すものの沢山の人達に囲まれて賑やかにエンディングを迎える。 上手く表現出来ないが、’どうせ藤九郎は上手くやって大丈夫なんでしょ感’が濃すぎてワクワクハラハラ出来なかったのかもしれない。 もっと清正公が吐き気を催す程の圧をかけて来るとか、耄碌した秀吉が信じられないような要求をふっかけてきて反吐が出るような老害ぶりを撒き散らすとか、何かしら起伏が欲しかったな。 嘉兵衛のくだりは当初’あ、コイツもしや’と期待を抱いたが、最終的に爽やかに収まってしまった。 いや喜ばしいんだけど、…うーむ。 むしろ父・忠範の話を読んでみたいな。信長の下で安土城の築城に関わっていたのなら、絶対にもっととんでもないプレッシャーに晒されていたのではないか、と容易に想像出来る。 いずれにせよ、熊本城完成までを書き切って欲しかったですね。 1刷 2022.10.18
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加藤清正に仕え、熊本城だけでなく、文禄・慶長の役で朝鮮にも城を作った作事の物頭、木村藤九郎という人物を主人公とした物語。「できる」と答えたものは、どのようなことがあっても成し遂げるという強い心と、人を動かすためには行動であること、城は戦うものではなく人を守るものであるという考えに...
加藤清正に仕え、熊本城だけでなく、文禄・慶長の役で朝鮮にも城を作った作事の物頭、木村藤九郎という人物を主人公とした物語。「できる」と答えたものは、どのようなことがあっても成し遂げるという強い心と、人を動かすためには行動であること、城は戦うものではなく人を守るものであるという考えに、親しい人との別れや懸命に働く姿から伝わってきた。
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織田信長の安土城を建築した父、木村高重の息子木村藤九郎。父親が残した築城の秘伝書を懐にして、加藤清正のもとで、日本一の城を築くため、奮戦していく。
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城取りを主人公に加藤清正のかっこよさも描かれてて面白いんだけど、なんかクライマックスがない感じ。築城の技術的な話が難しくて理解できなかったからかも。
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- ネタバレ
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熊本城を築城する話しかと思って読んだら 清正の城取の藤九郎の半生を描いた小説だった。 若輩の上司が周りに認められるにはどうすれば良いか、 上司の無茶振りにどのように答えていくか。 最初は父親が記した秘伝書から答えを見つけていたが、後半にはそれを踏まえ自分の今までの経験から答えを導き出していった藤九郎に感動した。
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『城取り』 城を取り立てる際の選地から縄張りと事前準備、さらに実際の普請(土木工事)と作事(建築工事)全般を指揮する統括者。 本能寺の変にて、明智光秀が織田信長を倒し安土城に迫る。主人公の木村藤九郎秀範の父木村次郎左衛門忠範が緊急事態と城に馳せ参じるも、親方を失い我先にと逃げ出...
『城取り』 城を取り立てる際の選地から縄張りと事前準備、さらに実際の普請(土木工事)と作事(建築工事)全般を指揮する統括者。 本能寺の変にて、明智光秀が織田信長を倒し安土城に迫る。主人公の木村藤九郎秀範の父木村次郎左衛門忠範が緊急事態と城に馳せ参じるも、親方を失い我先にと逃げ出す輩ばかりで、守ることもできず… 城造りの極意書を引き継ぐも、逃れた先でその日暮らしであった藤九郎が、加藤家の仕官試験を経て肥後国へ。 肥沃な大地を守り、農民たちが安んじて農事に励めるようにすれば一揆は起こらないと、治水、街道整備、商いの振興から取り組むべきと言う加藤清正公は、勇猛果敢な武将と言うイメージが強かったが、大いに裏切られる。 まずは治水からであるが、自分より年上、経験者を使う立場に。あからさまな邪魔する訳ではないが協力しない。でも期日は迫る。どうするか? 動かない人を変えてもらうなんて方法もあるが、何とか解決策を見つけようと悩み抜く点などは、今の時代も変わらず参考になる。 真摯に取り組む姿勢を周りは評価し、更に大きな事に取り組む事が出来、そこでも新たな課題にぶつかりそれを解決することで更に成長する。 結果だけ見ると簡単そうだが、その間の努力の大変さ、諦めずに続ける事の大切さがわかる。 城とは、戦をせぬための道具である。 この想いを強く持ち、大局的に見ておられた加藤清正公。 いい意味で大きく裏切られる物語であり、人として成長する為の方法も指南してくれる素晴らしい作品でした。
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戦国末期の世の中の動きを加藤清正を通して、築城という独特な切り口から描く。 石垣の積み方や築城方法など興味深いし、朝鮮出兵時の半島各地での攻防など、本書で始めて知った。 数多の城を築きながら早逝する藤九郎の愁嘆場で物語を閉じるのがよかったのかはわからない。
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