交響録 N響で出会った名指揮者たち の商品レビュー
著者がオーボエ奏者としてN響で出会った指揮者との思い出を綴ったもの。1990年~2019年までの29年間なので、指揮者の数も多く、企画として面白そうだと思ったが、以外に面白味は少なかった。まず、内容がどれも薄味なのが残念である。あとがきに、「指揮者の方とは食事時出かけたり、個人的...
著者がオーボエ奏者としてN響で出会った指揮者との思い出を綴ったもの。1990年~2019年までの29年間なので、指揮者の数も多く、企画として面白そうだと思ったが、以外に面白味は少なかった。まず、内容がどれも薄味なのが残念である。あとがきに、「指揮者の方とは食事時出かけたり、個人的な会話も本当に少なかった」、「リハーサルの具体的な内容や、演奏の細部などをほとんど記憶していなかった」と書いてあり、そのため抽象的であっさりとした内容になったのであろう。 本書は著者が初共演した時の印象を書くという定点観測方式なので、指揮者といつの時点で共演したかによって、その印象は変わってしまうということもある。マゼールを好々爺然としていたと書いているが、それは最晩年(死の2年前の2012年)だったからだろう。 また、ほとんどの指揮者に対して褒めている。差し障りのない、本音が抑えられた感じで、面白味のない文章であった。これは、N響を定年退職後、ご自身が指揮者として活動しておられるので、立場上、先輩指揮者に対して悪いことを書けないというのがあるのだろう。オケマンの立場で思ったことを自由に書けば面白いのだろうが、自分が指揮者の立場になれば、じゃあお前はどうなんだとなってしまう。 さすがに文章は読みやすいが、茂木氏のファン以外にはお勧めしにくい。
Posted by
私自身がN響ファンでも指揮者ヲタクでもないので、読んでフーン程度なのだが文章としては良く書けている。ただ著者は奏者から指揮者に転向してしまったので師弟関係やら忖度やらでハッキリ書けない部分もあるのではないか。最も賛同したのは似非古楽な指揮者ノータリントンの項。 著者の指揮は知らな...
私自身がN響ファンでも指揮者ヲタクでもないので、読んでフーン程度なのだが文章としては良く書けている。ただ著者は奏者から指揮者に転向してしまったので師弟関係やら忖度やらでハッキリ書けない部分もあるのではないか。最も賛同したのは似非古楽な指揮者ノータリントンの項。 著者の指揮は知らないが奏者としてのバッハ演奏は資料としてリリンクのカンタータ全集を持っているが私の好みではない。
Posted by
茂木大輔氏は元NHK交響楽団の首席オーボエ奏者だった人。さすがNHK交響楽団だ、錚々たる指揮者たちに客演してもらっている。ソロで吹く場面も多い茂木氏は指揮者にいじられることが多々あったようだが、意外と指揮者と楽団員が会話を交わすことは少なかったようだ。それでもそれぞれの指揮者の個...
茂木大輔氏は元NHK交響楽団の首席オーボエ奏者だった人。さすがNHK交響楽団だ、錚々たる指揮者たちに客演してもらっている。ソロで吹く場面も多い茂木氏は指揮者にいじられることが多々あったようだが、意外と指揮者と楽団員が会話を交わすことは少なかったようだ。それでもそれぞれの指揮者の個性が伝わって来るエッセイで面白かった。サヴァリッシュ、あの強面の顔の通り、自分の構想通りきっちり指揮する人だったようだ。怒鳴ったりはしなかったようだけど。楽団員に最も愛されたというホルスト・シュタインは実演が聴きかったなあ。シャルル・ヂュトワはバチバチに練習をやりこんだようだ。だからこその名演になったんだねえ。アンドレ・プレヴィン、なかなか楽しそうだ。ロジャー・ノリントンとは上手くいかなかったようだね。NHK交響楽団にはノン・ヴィヴラート奏法は合わないんだよ。というか楽団のプライドが高すぎてやる気がないのかもね。テレビでリハーサルの様子を放送しているのを見たが。ロリン・マゼールはさすがの貫禄。パーヴォ・ヤルヴィは楽団の個性を引き出す指揮者だそうだが、実際にはどんなことをしたんだろう。クラリネットの松本くんが面白かった。
Posted by
茂木氏の交遊録的な雰囲気。知っている指揮者も知らない指揮者も裏話的な要素やお人柄などが面白かった。聴くだけではわからないオーケストラ団員との実際の雰囲気なども読んでいて楽しかった。
Posted by
N響の首席オーボエ奏者だった著者のであった指揮者たちの列伝.ご本人もあとがきで書いているが,個人的な交流はすくなく,全体的に演奏や人となりの抽象的な印象の記述が多く薄味. 私は大学時代にN響の定期会員なって演奏会に通い熱心に聞いていた時期がある.その時期と著者のN響でのキャリア...
N響の首席オーボエ奏者だった著者のであった指揮者たちの列伝.ご本人もあとがきで書いているが,個人的な交流はすくなく,全体的に演奏や人となりの抽象的な印象の記述が多く薄味. 私は大学時代にN響の定期会員なって演奏会に通い熱心に聞いていた時期がある.その時期と著者のN響でのキャリアの最初の部分が重なり,懐かしく思い出されたこともある. しかし,また再び,熱心に音楽を耳を傾ける機会は訪れるだろうか.
Posted by
「残念な事情で」放送されなかったデュトワの最後の定期、亡くなったときには放送されるのかな、と不謹慎なことを考えてしまうが、レヴァイン死すとも回顧はされず、な状況なので期待薄かなぁ…
Posted by
マエストロを内側からみた本。本人が指揮者のため、踏み込み不足は否めない。でも素敵な人たちである。クラシックを聴きたくなる。
Posted by
聴く側では知り得ない、指揮者の個性、技量…。1990年から2019年に定年退職するまでの29年間、NHK交響楽団(N響)の首席オーボエ奏者として演奏した著者が、共演した名指揮者たちとの思い出を綴る。 仙台フィルでも誰か書いてくれないかなぁ(笑)。 ひとりじゃなくて複数人でヴェロ...
聴く側では知り得ない、指揮者の個性、技量…。1990年から2019年に定年退職するまでの29年間、NHK交響楽団(N響)の首席オーボエ奏者として演奏した著者が、共演した名指揮者たちとの思い出を綴る。 仙台フィルでも誰か書いてくれないかなぁ(笑)。 ひとりじゃなくて複数人でヴェロさんについて書くとか・・・。
Posted by
著者は元N響オーボエ奏者。N響に登場した多くの指揮者の印象を書き記しているが、一人あたり長くても4頁程度なので物足りない。 60年代にウィーン交響楽団とともに来日したハインツ・ワルベルクがアンコールで聞かせてくれた「レモンの花咲く頃」で、ホール全体が一気にウィーンの雰囲気(当時は...
著者は元N響オーボエ奏者。N響に登場した多くの指揮者の印象を書き記しているが、一人あたり長くても4頁程度なので物足りない。 60年代にウィーン交響楽団とともに来日したハインツ・ワルベルクがアンコールで聞かせてくれた「レモンの花咲く頃」で、ホール全体が一気にウィーンの雰囲気(当時はまだ行ったことがなかったけど)になったのが強烈に印象に残っていて、90年代にN響を振っていたこと、著者が高く評価していることが妙に嬉しかった。
Posted by
本当に面白かった!茂木さんは、色々な指揮者やオケ(N響)に頼りにされていたオーボエ奏者だったのだろうと思ったし、茂木さんもこの本は特に書きたかった部分もあったようだと思った。しかも、誰も悪くは描かれていなくて茂木さんの性格の良さが窺える。 自分は多分クラオタ(クラシック音楽オタク...
本当に面白かった!茂木さんは、色々な指揮者やオケ(N響)に頼りにされていたオーボエ奏者だったのだろうと思ったし、茂木さんもこの本は特に書きたかった部分もあったようだと思った。しかも、誰も悪くは描かれていなくて茂木さんの性格の良さが窺える。 自分は多分クラオタ(クラシック音楽オタク)なので、読みながら「この指揮者は聴いたかなぁ?」とか「この指揮者のサントリー公演は覚えてる!面白かった!!」等と思いだしながら読めたが、N響や読響を何回か聴いた方やこれから聴こうという方はクラシック音楽のコンサートは、このようにして作られている、またこういったものだという良い本になっていると思う。
Posted by
- 1