加藤楸邨の百句 の商品レビュー
加藤楸邨のアンソロジーだが、句を編んだ北大路翼の個性もあって、とても人間くさい書となった。「蟾蜍あるく糞量世にもたくましく」など、他の選者が採らないような楽しい句を選んでいるのがうれしい。私が初めて接した句を中心に挙げてみる。「せんすべもなくてわらへり青田売」「外套に銭あり握りて...
加藤楸邨のアンソロジーだが、句を編んだ北大路翼の個性もあって、とても人間くさい書となった。「蟾蜍あるく糞量世にもたくましく」など、他の選者が採らないような楽しい句を選んでいるのがうれしい。私が初めて接した句を中心に挙げてみる。「せんすべもなくてわらへり青田売」「外套に銭あり握りては離す」「苺つぶすは恋のさなかの二人らし」「金蠅のごとくに生きて何を言ふ」「肥かつぐ背が枯野よりもりあがる」「農夫の葬おのがつくりし菜の花過ぎ」「霧にひらいてもののはじめの穴ひとつ」「のんのんと馬が魔羅振る霧の中」「梨ありがたしころころころがすこともひとつ」「初日粛然今も男根りうりうか」「バビロンに生きて糞ころがしは押す」
Posted by
加藤楸邨の句をしっかり読んだのは初めて。他の俳人ではあまりみない独特な表現が多い。解説が開けっ広げで面白い。
Posted by
- 1