悪い夏 の商品レビュー
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最初はただただ人生の生臭いリアル感に酔ってなかなかページが進まなかったのだが、中盤以降佐々木と愛美が恋するようになってから一気に読み進めた。最初は不正受給してヤクザの手伝いをしてる山田を不潔なクズ男だと思っていたのだが、なぜか最後はあの狂ったワンルームで唯一信頼できる登場人物にな...
最初はただただ人生の生臭いリアル感に酔ってなかなかページが進まなかったのだが、中盤以降佐々木と愛美が恋するようになってから一気に読み進めた。最初は不正受給してヤクザの手伝いをしてる山田を不潔なクズ男だと思っていたのだが、なぜか最後はあの狂ったワンルームで唯一信頼できる登場人物になった。
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明日は我が身や深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだといった言葉を、読んでいて思い浮かべました。 「絶対にモノにする。」 「暑すぎる夏が、悪い夢を見せているのだ。」
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生活保護需給者、需給の必要性、継続性を判断するケースワーカー。弱みにつけこんで、甘い汁を啜ろうとするヤクザ。本来であれば異なるフロアーで生活をしていて、すれ違う程度の関係だった彼らが、ひょんな出会いをきっかけに足を踏み外してしまう社会派小説。 客観的と主観的の違いについて考えさ...
生活保護需給者、需給の必要性、継続性を判断するケースワーカー。弱みにつけこんで、甘い汁を啜ろうとするヤクザ。本来であれば異なるフロアーで生活をしていて、すれ違う程度の関係だった彼らが、ひょんな出会いをきっかけに足を踏み外してしまう社会派小説。 客観的と主観的の違いについて考えさせる小説だった。子供の頃の環境や、うけた教育等スタートラインは不公平だが、それでもその場から抜け出す人と、留まる人の違いは何なのだろう。 客観的に見て、悪い話や怪しい話には乗らない。客観的に見て、必要な努力は怠らない。客観的に見て、正しいと思われる事をする。 おそらく、この様な事が無意識で選べる人は、スタートラインが平均よりも後方であっても、時間をかけて人に追いついてくるだろう。 私が楽しいことをする。私が心地良いことや、人を選ぶ。今が楽しければ良い。だって、5分後に交通事故にあうかもしれないし… この様な人は、スタートラインは皆と同じでも、いつの間にか周回遅れになってしまうのかもしれない。 だけど。。。 人生と言う時間を1つずつ切り取る事ができたら、どちらの人生が幸せなのかは、案外 簡単には決められないのかもしれない。
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生活保護制度の闇が普段の生活と地続きなのだと考えさせられつつ、色々な怖さが含まれている作品。 一握りの良い人が全く救われない。「クズとワルしか出てこない。最低にして最高。」の帯どおり。
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初めての作家さんでした。 主人公のケースワーカー佐々木守が転落していく様子が気になり一気読みでした。 最後は血なまぐさいシーンでちょっとイヤな気分でしたが、おもしろかった。 他の作品も読んでみたい。
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すごい後味。案外人は簡単に転がり落ちるのかもしれない。怖くて辛い場面もありますが、文章は読みやすくサクサク進みます。
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クライマックスのわちゃわちゃ感が壮絶なんだけど、どこか可笑しくもあった。 著者の「本人にとっての悲劇は他人から見ると喜劇に見える」という言葉がしっくりきた。(オーディブル)
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2024.02.16 生活保護行政に携わってきた者として読めば、「惜しい」と思う記述が多々あるも、それは警察に関わる人が警察小説を読んで「それはないわ」と思うのと同じかなあと思った。 あくまでもフィクションですから。
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昨今の生活保護問題のこともあり、日頃抱えている不満を登場人物たちが代弁してくれている。「あぁ、やっぱりそうなるか」とも思うがひっちゃかめっちゃかな終わり方をする。 ただ、救えたはずの命は確かにある。同じ作者の「正体」のように、読後は命の喪失感を味わうかもしれない。
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