1,800円以上の注文で送料無料

ワカタケル の商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/11/27

(借.新宿区立図書館) 基本的に記紀の世界観の中なので歴史小説ではなく時代小説。9章中7章までは記紀そのままの話に潤色を加えている話が多いのでその部分がやや冗長。8章に至り女性天皇に向けて大きな展開がある。7章までをもう少し絞ればさらに良かったのではなかろうか。

Posted byブクログ

2021/08/28

主人公は雄略か、と思わせてオリジナルキャラの女性。 持統天皇メインの構想もあるらしく、そこにつなげる意図が書いてるうちに出てきたらしい。 允恭が偉大な王だった設定で、作中では雄略がそれを超える事績を示さないまま死ぬので、なんで雄略を題材にしたのかわからない読者も出そう。 元ネタの...

主人公は雄略か、と思わせてオリジナルキャラの女性。 持統天皇メインの構想もあるらしく、そこにつなげる意図が書いてるうちに出てきたらしい。 允恭が偉大な王だった設定で、作中では雄略がそれを超える事績を示さないまま死ぬので、なんで雄略を題材にしたのかわからない読者も出そう。 元ネタの記紀を知ってる人向けだったのか。 物部目、物部荒山の親子が登場したのは評価できる。特に荒山は古代系創作物では初なのでは。

Posted byブクログ

2021/08/19

久しぶりに小説を読んだ。前半の盛り上がりが後半失速する感じがちょっと残念。 本書と関係ないですが、たまたま手に取った本が妻と一緒でなんでウチに2冊あるんだ?という話になった。妻と同じ本を読んで色々話ができる幸せを味わいました。

Posted byブクログ

2021/07/06

ワカタケルとは雄略天皇の当時の呼び名です。 雄略といえば、鉄剣が発見されたことで実在することが証明された一番古い天皇(だという説を信じてる私)で、ココから先は神話ではなく現実の天皇家の系譜がはじまるイメージでしたから、本書のような神話と現実が融合する狭間な世界観はこの時代ぽくて...

ワカタケルとは雄略天皇の当時の呼び名です。 雄略といえば、鉄剣が発見されたことで実在することが証明された一番古い天皇(だという説を信じてる私)で、ココから先は神話ではなく現実の天皇家の系譜がはじまるイメージでしたから、本書のような神話と現実が融合する狭間な世界観はこの時代ぽくてよかったです。 その他雄略天皇のイメージと言えば武烈と共に傍若無人な専制君主。。 こちらもまあイメージどおりですね。 当時の女性の扱いもあんなものでしょうし、それでいて女性の巫女的な霊力に頼る一面も納得感がありました。 神々が身近なこの時代、やっぱり好きだなー

Posted byブクログ

2021/05/08

日本文学全集の「古事記」の全訳が、池澤夏樹の日本古代史正篇としたら、これは日本古代史列伝だろう。小説とは違う、というものを池澤夏樹は目指した。自らが稗田阿礼の如き語部となし、現代の考古学的成果を少しだけ取り入れながら、綿々と「伝えられてきた」神話を語って見せた。だから近代小説の持...

日本文学全集の「古事記」の全訳が、池澤夏樹の日本古代史正篇としたら、これは日本古代史列伝だろう。小説とは違う、というものを池澤夏樹は目指した。自らが稗田阿礼の如き語部となし、現代の考古学的成果を少しだけ取り入れながら、綿々と「伝えられてきた」神話を語って見せた。だから近代小説の持つドラマトゥルギーや研究書の持つ歴史的な正確さは無視する。 何故ワカタケル(雄略)だったのか。おそらく、古事記の中でも比較的研究が進んでいて、現代の著者の中に豊かにイメージが湧いたのだろう。ホントは最も語りたかったのはヤマトタケルなのに違いないが、それは本書の中で「既に神話となった物語」として生き生きと語られる。 当然、日本統一の物語も、半島侵略の物語も、大和の豪族経営も、現代に解るように語られるけれども、それが歴史的事実であると池澤夏樹自身が信じているわけではないだろう。古事記全訳をした後に、その魂のままにワカタケルの生涯を「夢の力」で見聞きしたのだろう。それは全訳をした者しか聴けぬ声だった。

Posted byブクログ

2021/04/16

雄略天皇の一代記 古事記の世界だと思われますが、 ちょっと何をどう読めばいいのか?受け取ったらいいのか わからない内容だったような気がします。

Posted byブクログ

2021/03/19

ワタケル(雄略天皇)の一代記.男と女の役割,ここまでの歴史の真否,大陸との関わり,神々の捉え方など様々な問題を含んだ物語.

Posted byブクログ

2021/01/29

「古事記」を読んだ時、ヤマトタケルを謳う叙事詩がないことを残念に思いました。池澤夏樹氏にもそんな気持ちがあって、ワカタケルを主人公にした叙事詩的物語に挑戦したのではないでしょうか。古代社会のありようを伝えようと説明的な叙述が多いのは、現代人があまりに古事記世界との関係性が薄れてし...

「古事記」を読んだ時、ヤマトタケルを謳う叙事詩がないことを残念に思いました。池澤夏樹氏にもそんな気持ちがあって、ワカタケルを主人公にした叙事詩的物語に挑戦したのではないでしょうか。古代社会のありようを伝えようと説明的な叙述が多いのは、現代人があまりに古事記世界との関係性が薄れてしまっているのでやむを得ないことかもしれません。神との近さ、巫女的存在の大きさ、国家経営とは、など古代社会の再現に意欲的です。読み終えて、池澤さんの「古事記」を読みたくなりました。企みは成功しましたね。

Posted byブクログ

2024/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の第21代天皇、雄略天皇(仁徳天皇の孫)の物語。 天皇の系譜では、ここからが実在の天皇と言われているようです。ワカタケルや巫女の井ト、皇后となるワカクサカ、みな生き生きとして、リアリティがあります。 権力の座を手に入れるため、ライバルを次々と殺すワカタケル 。しかし、国を一つにまとめあげるには彼の持つ力が必要でした。日本は、彼によって国家が始まったとされています。 葛城の亡霊と語り、使いの狐と言葉を交わすワカタケル 。現実と神話が神話が溶け合って、特別な世界観が生み出されています。 小説なので全てが真実ではないけれど、この時代の「大王」(おほきみ)の概念や、「巫女」のもつ力の現れ方などは分かりやすい。「怨念」については、もう少し書かれていてもよかった気がします。 女性は道具のように扱われて嫌悪感を感じるかもしれませんが、ここではじつは女性と交わり、女性が産み育てることがなければ「大王」は力を得ることも、力を継承することもできない存在なのだと分かります。 ワカタケルは本当に残酷な男ですけれど、そこにも女性の影響が見てとれるのは象徴的です。「大王」の権力を繋げることは難しくても、人を、知恵を未来へ繋げることができるのは、女性の力なのかもしれません。

Posted byブクログ

2020/11/21

古事記や日本書紀の逸話をもとにした雄略天皇の一代記。読みやすいは読みやすいんだけど、思ってたのと違うというか(・_・;)…あまりにも人を人と思ってないというか…私ゃフェミニストではないですが、その私が見てもちょっとヒドすぎない?と思うような女性の扱いがあったり…。古代日本は確かに...

古事記や日本書紀の逸話をもとにした雄略天皇の一代記。読みやすいは読みやすいんだけど、思ってたのと違うというか(・_・;)…あまりにも人を人と思ってないというか…私ゃフェミニストではないですが、その私が見てもちょっとヒドすぎない?と思うような女性の扱いがあったり…。古代日本は確かに性に対してもおおらかなところがあったんでしょうが…読んでて、このくだり要る?と思うこともしばしばで。うーんんん…コレは好みが分かれそうですねぇ。

Posted byブクログ