菌世界紀行 の商品レビュー
面白かった。 岩波の科学ライブラリーだったが、 どちらかというと楽しい旅本といった感じ。 あんまり小難しい菌類の話もない(ないことはないが薄い)ので 菌類に興味がなくても、 しんどいフィールド系研究者の苦労を読みたい人は とても楽しめると思う。 北極、南極、シベリアなどの極寒寒冷...
面白かった。 岩波の科学ライブラリーだったが、 どちらかというと楽しい旅本といった感じ。 あんまり小難しい菌類の話もない(ないことはないが薄い)ので 菌類に興味がなくても、 しんどいフィールド系研究者の苦労を読みたい人は とても楽しめると思う。 北極、南極、シベリアなどの極寒寒冷地で雪腐病菌を探す旅。
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筆者は菌類を専門とする研究者。 雪腐病という植物の病気を引き起こす菌を専門とする。 もともとカビの酵素を研究していた人らしい。 就職した北海道農業研究センターで、この菌類と出会い、ライフワークとなる。 雪腐病菌にはピシウム、ボレアリス、イシカリエンスなど複数あるという。 雪の下で...
筆者は菌類を専門とする研究者。 雪腐病という植物の病気を引き起こす菌を専門とする。 もともとカビの酵素を研究していた人らしい。 就職した北海道農業研究センターで、この菌類と出会い、ライフワークとなる。 雪腐病菌にはピシウム、ボレアリス、イシカリエンスなど複数あるという。 雪の下でも繁殖でき、酵素を働かせ植物に感染して生きている。 菌類というと暖かいところで繁殖するイメージがあるが、かなり違う。 専門とする研究者が少ないとのことで、筆者はこの菌類が世界にどのように分布するかを調べよう、と思い立つ。 そこで北欧、ロシア、カナダ、さらには南極と渡り歩き、採集をすることとなる。 極地に近い場所というだけでも過酷な環境だが、それに加え旧ソ連領の国々など、別の意味での過酷な場所にも行くこととなる。 と書いていくと、とてもまじめな本のようだが、本書ではこの研究旅行が滅法面白おかしく語られる。 野生動物との遭遇。 トイレに入るにも刃物を咥えていざというときに備えなければいけないヤバい地方での宿泊。 飛行機に乗って移動できるはずだったのに、飛行機会社が破産してしまったり。 結果的に無事だったから、笑って読めるわけだけれど。 ミクロの世界だけでなく、人間サイズの世界も十分カオスで面白い。
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生物学者さんによる、世界各国に菌類を求めた旅の記録。出てくる人たちがすべて濃くて面白い。探求心を突き詰めてしまうのが学者さんなのか。
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