滞空女 屋根の上のモダンガール の商品レビュー
周龍の生い立ちにせよ功績にせよ、描かれる焦点が定かでなくて心に響いてこない。艱難辛苦が背景にあろうとも、極端に不幸な境遇でもない。意志の強さというのか気の強さは感じるけれど、滞空主張を含めてその経緯と思惑をもっと丁寧に著するべきではなかろうか。夫の全斌よりも達憲との関りにもっと重...
周龍の生い立ちにせよ功績にせよ、描かれる焦点が定かでなくて心に響いてこない。艱難辛苦が背景にあろうとも、極端に不幸な境遇でもない。意志の強さというのか気の強さは感じるけれど、滞空主張を含めてその経緯と思惑をもっと丁寧に著するべきではなかろうか。夫の全斌よりも達憲との関りにもっと重きを置いて欲しい。達憲が一目で周龍を認め、その慧眼が確かだったというのではあまりに軽い。ゆえに、最後の乙密台での訴えが単に自暴自棄の延長の思い付きみたいに思えてしまう。韓国の労働運動の歴史を一層深くて伝えていただけたならと残念だ。
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