女性が「不動産」を買うときに読む本 の商品レビュー

杉山智子(著者)

2021/06/18

第3章〜第4章にかけての住宅ローンの基礎知識、どんな不動産を選ぶ？(新築or中古、不動産の基礎知識、住宅ローンの選択肢が減るケース、不動産にかかる税金)は参考になりました。一方で他の部分は余り参考になりませんでした。
著者は不動産業界で長く、かつ業界の中でも色々な部門を経験され、ご自身でも不動産投資及び家賃収入1億など成功されているというのを念頭に置いて、本書は読むべきだと思います。
経験に裏打ちされた内容とは思いますが、定性的かつ個人の想いが強い記載が多いです。経済動向や人口動態、不動産相場の見方、何故女性が不動産を購入した方がいいかももう少し定量情報含めて説明があるとよいのと、著者自身含めて経験から不動産を購入するリスクについて余り言及されていないことも気になりました。
構成や編集の問題もあると思いますが、著者の女性へのメッセージは理解出来ますが、本書から女性が不動産を購入するのに役立つ情報得られるというより、不動産購入を検討している女性への応援メッセージが詰まっている本という感じに思いました。

2021/01/28

歯科助手から不動産業界に転身し、時価20億円以上の不動産と、年間1億円以上の不動産収入を得るようになった、不動産会社社長の書いた本。

主に独身女性を読者として想定し、不動産を早く買うよう勧めている。

参考になる情報が多かった。

「できるだけ自己資金を少額に抑え、いかに少ない頭金で不動産を購入し、多くの家賃収入を得たかの投資効率を「レバレッジ効果」という。」(55ページ)

「借金には『良い借金』と『悪い借金』があるのです。」→住宅ローンは良い借金、カードキャッシングやスマートフォンの分割払い、リボ払いは悪い借金。(56ページ)

「返済比率は、審査金利4%で計算したときの月支払額の年額÷年収×100で算出」(75ページ)

ただ、大企業に勤務すると、家賃補助や寮があり、また、実家から出なければ、独身で「家を買う」は現実的ではないし、メリットもあまりない。

東京に住む、福利厚生の悪い企業に勤める、地方出身者という層を対象にした話なので、「福利厚生の良い会社なら…」「実家通いが最強では」と思う部分も多かった。

独身女性は5年固定の住宅ローンにすべき（104ページ）など、多数の実例を見てきたからこそと思われるアドバイスもすごい。

著者が29歳と30歳で購入したマンションが、マンション名と購入価格、売却価格とともに紹介されています。これってすごいことですね。

ただ、当時の売却価格よりも現在の売却価格のほうが、高くなっています。
たとえば、著者の買った2件目の川口の3LDKの物件は、2650万円で売却していますが、現在（2021年1月）時点で売り出し中の部屋は同じ3LDKで4,080万円。
間取りは分かりませんが、狭いほうの3LDK(66.60平米)でも、3,117万円～の値がついており、著者はまだ上昇余地があった中で売ってしまっています。

しかし、不動産経営をするというのは、「それで構わない」という胆力が必要で、損しなかったし、それどころか、賃貸収入がしばらく得られて、売却価格が購入価格を200万円上回ったから大成功！ということなのでしょう。

「もっと持っておけばよかった」と悔やむのではなく、次の物件、次の物件といく割り切りが、不動産業界ではとても大切なのだと思います。

自分で購入するかどうかはともかく、子どもには若いうちに不動産を購入するよう勧めようと思いました。

2020/10/18

ライフスタイルを変えようかと思っている矢先に、本屋さんで平積みされていたこちらの書籍を手に取りました。著者は若い時分から不動産業界に身を置き豊富な知識をもつ女性実業家です。実体験を交え、柔らかい語り口で若い女性にむけて不動産取得を元に自立を促す内容です。
後半はコロナ禍初期に執筆されたようで、現状からの見通しなども記載されています。
あらゆるライフスタイルの女性に伝えたいことがしっかりまとめてあり、また、不動産の知識についても優しく身につく初心者向けの良書かと思いました。