ユリイカ 詩と批評(令和2年10月臨時増刊号) の商品レビュー
別役実の劇を見たことがなく、童話の「淋しいおさかな」だけ読んだことがある。これほど思想に富んでいるものだとは思わなかった。不条理が陳腐になったのではなく、現実そのものが不条理になった、というのは示唆的であった。異なる共同体において、言葉そのものの意味が異なるから、もちろんコミュニ...
別役実の劇を見たことがなく、童話の「淋しいおさかな」だけ読んだことがある。これほど思想に富んでいるものだとは思わなかった。不条理が陳腐になったのではなく、現実そのものが不条理になった、というのは示唆的であった。異なる共同体において、言葉そのものの意味が異なるから、もちろんコミュニケーションは成立せず、論理構造に捉えられない。一体何を言っているんだ?ということが頻繁に生ずるが、これこそ現実という気がする。
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