忖度しません の商品レビュー
見返しの「続・裸の王様」から笑ってしまった。で、次にまたいきなり、内田先生編の「日本の反知性主義」に厳しいご意見。確かに「日本の知識人はバカの悲しみに鈍感なところがあるからな」っていうの常々私も感じる。 やっぱり斎藤美奈子さんいいわ、と思って最後まで読み続ける。 次に読みたい本が...
見返しの「続・裸の王様」から笑ってしまった。で、次にまたいきなり、内田先生編の「日本の反知性主義」に厳しいご意見。確かに「日本の知識人はバカの悲しみに鈍感なところがあるからな」っていうの常々私も感じる。 やっぱり斎藤美奈子さんいいわ、と思って最後まで読み続ける。 次に読みたい本がたくさん見つかった。読むのが追いつかない。
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相変わらず切れ味バツグンの書評、というより今を切り取る時事放談。大好きです斎藤美奈子。世の中気になることがあったら、関連書籍をなんでも読んでみよう!という姿勢、見習いたい。書評家じゃないからどうしたってチョイスが偏るもんねえ。自分の言葉で語るには、他人の言葉を知らなければ。知らないことは書物で知っていかなくては。
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ちゃんと読んで ちゃんと考えて ちゃんと自分の言葉で発信 斎藤美奈子さんの「書評集」 PR誌「ちくま」に連載中の「世の中ラボ」 から出来上がった一冊 初めから読んでも 後から読んでも どこから読んでも すっきり はっきり こりゃ面白い 自分だったら絶対に買わない本も (批評...
ちゃんと読んで ちゃんと考えて ちゃんと自分の言葉で発信 斎藤美奈子さんの「書評集」 PR誌「ちくま」に連載中の「世の中ラボ」 から出来上がった一冊 初めから読んでも 後から読んでも どこから読んでも すっきり はっきり こりゃ面白い 自分だったら絶対に買わない本も (批評のために)ちゃんと取り上げてくださっているのが また嬉しい 〽「本」は世に連れ 世は「本」に連れ 「世間」を眺め渡している視点が さすが 斎藤美奈子流ですね
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政治の話からLGBT、反知性主義、現代進行中のコロナについてまで。時事について、三冊の本を読みながら考える。真面目に考え込むところと、クスっと笑えるところの振幅が魅力的。静かに淡々と説明したかと思うと、「でもさ」といきなり切り返す。そのあたりの動きになんかしびれるね。読んでいて楽...
政治の話からLGBT、反知性主義、現代進行中のコロナについてまで。時事について、三冊の本を読みながら考える。真面目に考え込むところと、クスっと笑えるところの振幅が魅力的。静かに淡々と説明したかと思うと、「でもさ」といきなり切り返す。そのあたりの動きになんかしびれるね。読んでいて楽しかった。楽しかったでおわるのではなく、あぁ自分にはもっとできること、やらなければいけないことがあったんじゃないかな、と振り返ることができるし、その元気が出てくるんだ。 「忖度とは、コミュニケーションの回路を閉じて、腹のさぐりあいをすることです。ろくなもんじゃありません。「当事者が声を上げれば、やっぱり事態はかわるのだ」なんです。みんな、つまんない忖度はやめて、いいたいことはいったほうがいいんだよ。」 あとがきのことばが、なんか、いろんなことへ背中を押してくれているような気がしたな。 年末年始に読んでいたんだけど、2021年の読書を本書で始められたことは、良かったなぁと思う。
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「月夜にランタン」「ニッポン沈没」に続くシリーズ三作目。「ニッポン沈没」が暗めのトーンだったのに比べて、今回は、「政治も世の中も相変わらずひどいもんだけど、それでも希望はある」という前向きな思いを感じる一冊だった。タイトルにもそれが表れていると思う。 いつもながら取り上げられる...
「月夜にランタン」「ニッポン沈没」に続くシリーズ三作目。「ニッポン沈没」が暗めのトーンだったのに比べて、今回は、「政治も世の中も相変わらずひどいもんだけど、それでも希望はある」という前向きな思いを感じる一冊だった。タイトルにもそれが表れていると思う。 いつもながら取り上げられる本の幅広さに感嘆する。不愉快になるに決まっている安部ヨイショ本とか嫌韓本とかもしっかり読んで、自分の意見をはっきり述べる姿勢がすがすがしくカッコイイ。あとがきがとても良かったので、以下その抜粋。 「言論空間が『敵と味方』『内と外』『ホームとアウェイ』に二分され、仲間うちでしか通じない言葉が増殖していく。いわば思想のタコツボ化です。 左派リベラル陣営においても、タコツボ化は急激に進行しています。なぜ野党は選挙で負け続けているのか。なぜ市民運動の現場には、高齢者しかいないのか。 それは日本人が劣化したからだ。若者の意識が低いからだ。 と、もしかしてあなた、思ってません?だからダメなんですってば。リベラルが後退戦を強いられているのは、相手がバカだからではなく、こちら側に魅力がないからです。 自分はぜったい正しくて、自分以外はみんなバカ。愚かな大衆諸君に、賢い私が正しいことを教えてあげる。そんな不遜な人たちに、だれが与したいと思います?民主主義の危機をいいつのる人々のやり方は、ぜんぜん民主的じゃないんだよね。」 「『バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない』ってことです。 忖度とは、コミュニケーションの回路を閉じて、腹のさぐりあいをすることです。ろくなもんじゃありません。『当事者が声を上げれば、やっぱり事態は変わるのだ』なんです。みんな、つまんない忖度はやめて、いいたいことはいったほうがいいんだよ。意見の表明の仕方も、既存のスタイルに忖度する必要なんかない。人それぞれでいいんです。」 「『倦怠』『停滞』と申しましたが、歴史というのは、いつどんな形で動きだすかわかりません。希望は捨てない。どんなときでも。」
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3冊の本を元にテーマごとに現代社会を論じる。ブックガイドであり、社会評論。 切れ味よくて読みやすい。
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斎藤美奈子の新刊は、本屋で見かけたら買うことにしている。 で、数年放置してしまう。 絶対読むのだから、今でなくてもいい。 『月夜にランタン』も『ニッポン沈没』も数年放置した結果、第二次安倍政権が発足したタイミングで第一次安倍政権の突然の終焉と総括について読んだのだった。 それはそれで面白かったけど。 今回はひと月も寝かせず、すぐ読んだ。(当社比) テーマごとに3冊の本を紹介し、世相を斬る。 私が彼女を好きな理由は、知識の(彼女の興味)の幅の広さと、上下左右どこにも忖度しない語り口の鋭さにある。 今作も、目からうろこがドバドバ落ちた。 「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない」 「戦後日本の転換点はいつだったのか」 「わかったつもりになっちゃいけない、地方の現在地」 「文学はいつも現実の半歩先を行っている」 「当事者が声を上げれば、やっぱり事態は変わるのだ」 上記5つのテーマの他に、「新型コロナウイルスが来た!」を番外編として収録。 「オール沖縄」についてとか、司馬史観やアイヌ民族についてなど、個別に語りだすとキリがないので、2つだけ。 私は官僚が忖度をするようになったのは、安倍政権が「内閣人事局」を作ってからだと思う。 それまで官僚と言われる人たちは、独善的なところはあったとしても、行政のプロとしてのプライドと自信があった。 省の推薦を、「これで総理が納得すると思いますか」と突き返す菅官房長官。(当時) これを繰り返して、官僚は骨抜きにされた…というか、骨のない人しか上がっていけなくなった。 結果、やる気と能力のある若手が大勢霞ヶ関を去った。(霞ヶ関ではないけれど、うちの職場も若手の流出が止まらない) 今度は学問の世界を骨抜きにするつもりなんだ、とニュースを見て思っている。 もうひとつは田中角栄について。 「ロッキード事件で金をもらった悪いやつ」というイメージしかなかった田中角栄だけど、「小粒なタカ派」しかいない今の政治家の中で、「大物ハト派」という存在がどれだけ大きなものだったかと知った。 そして、脱アメリカ依存、全世界を視野に置いた「資源外交」等が、キッシンジャーとCIAの逆鱗に触れて陥れられたという陰謀説は、どうも荒唐無稽とばかりは言えないらしいのだ、 ちょっとそのあたりの本でも読んでみたくなる。
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「世の中ラボ」をまとめたこのシリーズは、正直、日本の現代史を当事者としての生活感とともに記してくれる。歴史の書である。 いつも思うが、要点を確実にまとめてくれる、斎藤さんの技量の高さは何より尊敬する。
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