ジョン・ディクスン・カーの最終定理 の商品レビュー
迷宮入りとなった事件が集められた書物に記された、カー直筆の推理メモ。それを元に自らも事件を解くべく集まった大学生達。しかし、その中で殺人事件が発生する。カーが解いた難解な事件2つと、併せて3つの謎解きが楽しめる贅沢な一冊!最初は説明やらで読み辛いが、それを乗り越えた後のご褒美、謎...
迷宮入りとなった事件が集められた書物に記された、カー直筆の推理メモ。それを元に自らも事件を解くべく集まった大学生達。しかし、その中で殺人事件が発生する。カーが解いた難解な事件2つと、併せて3つの謎解きが楽しめる贅沢な一冊!最初は説明やらで読み辛いが、それを乗り越えた後のご褒美、謎解きはサイコーだった!いい意味で『キモチワルイ』ラストがジワる。
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未解決犯罪実録集にカーが走り書きをしたという本を見る機会を得たミステリ好きの学生たち。カーが解いたという不可能犯罪を書き込みから推理する彼らにもまた、不可能犯罪がふりかかる‥ 短編「ジョン・D・カーの最終定理」を改稿して長編化した話らしい。短編の方は未読。 本に書かれた過去の犯罪...
未解決犯罪実録集にカーが走り書きをしたという本を見る機会を得たミステリ好きの学生たち。カーが解いたという不可能犯罪を書き込みから推理する彼らにもまた、不可能犯罪がふりかかる‥ 短編「ジョン・D・カーの最終定理」を改稿して長編化した話らしい。短編の方は未読。 本に書かれた過去の犯罪2つと現在の殺人事件の話だが、どれもカーらしいトリッキーな不可能犯罪。ラストはなかなか意表を突かれた。 カーへの愛情と不可能犯罪のロマンが感じられる。
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―― 『ごくかすかな床の軋みも聴覚が拾うが、それが幻聴のような奇妙な想像をもたらした。狭い本の壁面の間で木霊すようにして、物音がペチャクチャとおしゃべりになる。重々しい蔵書たちが、やたらと雄弁だ。「オレを見ろ」、「まだ眠らせておく?」と耳元で囁く。見下す尊大さで、膨大な知識をまくし立てるもの。朗々とした語り。夢誘う寓意。笑い声。』 タイトルからしてパロディ色が強めなのかなと思っていたら、どっこい。本格である。 個人的にいちばん印象に残ったシーンは、冒頭に引用した、探偵役が真相に辿り着きつつある図書館での一節。 凄惨な殺人事件や不可能犯罪の解決を前にして、場違いな程の情感にはっとする。 所謂『吹雪の山荘』問題のひとつである、「犯人は何故そのような状況で殺人を犯すのか」という問いに対しての説明の付け方も新鮮で、上とはまた別の意味ではっとしてしまった。それは完全犯罪コーディネータの視座とも云えるもので、そう思い始めると最終盤、探偵役と真犯人との対峙からフィナーレまでは、まるでライヘンバッハの対決のようにも見えてきた。 ☆3.5。最近高評価ばっかり続いているけどほんとどれも面白くて…まぁ読みたいと思ったものばかり読んでいるからそれはそうか。選球眼が養われてきたんだと思っておきます。
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現実と推理の行ったり来たりが楽しい 大きなテーマは三つなんだが、現実の殺人事件は最後の一つだけ。先の2つは過去の迷宮入り事件を主人公達が解き明かすもの。 で、結局は最後の現実事件に興味が集中するのだが、アクロバティックな展開にすこし違和感を感じるものの、エンディングがとて...
現実と推理の行ったり来たりが楽しい 大きなテーマは三つなんだが、現実の殺人事件は最後の一つだけ。先の2つは過去の迷宮入り事件を主人公達が解き明かすもの。 で、結局は最後の現実事件に興味が集中するのだが、アクロバティックな展開にすこし違和感を感じるものの、エンディングがとてもきれいなので満足だ。結局どうなったの?って部分は想像にお任せかな。
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カーが挑み、謎を解き明かしたとされる不可能犯罪。推理の断片である書込みのみを残し真相が失われたそれは、「ジョン・ディクスン・カーの最終定理」と呼ばれていた。日本でその謎に挑もうと合宿を行う学生たち。その最中に不可能と思われる殺人事件が起こる…。好みが分かれそうだが、私はカーが解き...
カーが挑み、謎を解き明かしたとされる不可能犯罪。推理の断片である書込みのみを残し真相が失われたそれは、「ジョン・ディクスン・カーの最終定理」と呼ばれていた。日本でその謎に挑もうと合宿を行う学生たち。その最中に不可能と思われる殺人事件が起こる…。好みが分かれそうだが、私はカーが解き明かしたとされる事件2つも、学生殺人事件も、数学的断片から謎が解き明かされていくパズルの嵌まる感覚が最高だった。ラストはどう転ぶか自分の心臓の音が聞こえそうなほどドキドキしたが、想像以上の映像的ラストが大きな余韻を置いていった。
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読み応えのある最後の謎解き。 並行して別の推理が展開する。 ディクスン・カー、一度も読んだ事ないから、今度探してみようと思う。
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ディクスン・カーが未解決事件の真相を記したされる書をめぐる不可能犯罪。ディクスン・カーが好きな人にはたまらないのかな。カーが解決したされる過去の事件を含め、作中で扱われるトリックは大きく4個(3+1?)。実現性には乏しそうだが、どれも良くできているし、特にメインの友坂殺しのトリックは細かいところにまで神経が行き届いている。けれども、どれもがトリックのためのトリックなのはいただけない。要するに、事件が不可解なのは、(ある理由で)犯人が不可解な状況を作りたかったからだ、と説明されてしまう。個人的には、こんな謎解きくらい興ざめなことはない。
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