中野京子の西洋奇譚 の商品レビュー
「怖い絵」で有名な中野京子さんが西洋の伝承・伝説を解説する本。 雑誌の連載をまとめたものらしく、一つ一つのトピックは短く読みやすい。最初の「ハーメルンの笛吹き男」がかなり詳細に語られていて感心したが、トピック毎の文量が結構違って読み進めるともう少し深く掘り下げて欲しいな…という...
「怖い絵」で有名な中野京子さんが西洋の伝承・伝説を解説する本。 雑誌の連載をまとめたものらしく、一つ一つのトピックは短く読みやすい。最初の「ハーメルンの笛吹き男」がかなり詳細に語られていて感心したが、トピック毎の文量が結構違って読み進めるともう少し深く掘り下げて欲しいな…というようなものもあった。 創作のネタになりそうなものを手軽にたくさん知れたのは大きかった。
Posted by
文も読みやすく、歴史にも上手く搦めての語り口で大変読みやすい。 色々な『どこかで聞いたかも』という話が、丁寧に扱われているのがとても良かった。こういう怖い話、不思議な話というものは、何度読んでも面白いなあ…なんて思った。
Posted by
あまり西洋の歴史に詳しくない自分にとって、伝説?虚構?悪魔?と思われる様な現象や伝承は、ある意味人の残酷さの真実に通じているような話であった。 そんな自分でもドッペルゲンガーや、ハーメルンの笛吹きなどは勿論聞いたことがあるが、今に至るまで言い伝えられるのには、誰しも似た様な経...
あまり西洋の歴史に詳しくない自分にとって、伝説?虚構?悪魔?と思われる様な現象や伝承は、ある意味人の残酷さの真実に通じているような話であった。 そんな自分でもドッペルゲンガーや、ハーメルンの笛吹きなどは勿論聞いたことがあるが、今に至るまで言い伝えられるのには、誰しも似た様な経験なりがあり、誰しもをそれなりに頷かせるものがあるからであろう。 本の内容としては、広く浅く色々なところを引っ張っているので、興味があるところは調べてみてもいい。
Posted by
著者を見て、美術と絡めた内容を期待していただけにちょっと残念… 恐ろしさより、歴史の裏話としては面白い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
西洋の不思議な話を集めたもの。21話からなる。 ハーメルンの笛吹き男、消えた子供達が史実であったことは興味深い。本当になぜ、消えてしまったのだろう。グリム童話で読んだことがあるが、「人を騙してはいけない」という教訓を述べるものだと思っていた。もちろん、そういう側面も童話にはあるのだと思うのだけれど、史実であるなら、何故それが起こったのか、は知りたくなるもの。あしべゆうほが絵を描いている「悪魔の花嫁」にハーメルンの笛吹き男の話があった。ネズミに襲われるラストが怖くて怖くて、今でも絵が頭に浮かぶ。 マンドラゴラ、子供はハリー・ポッターでマンドレイクと覚えていた。私は「エコエコアザラク」で覚えていた。うーん、時代の違い。犬が抜くことも知っていたけれど中野京子さんの「可哀そうなワンちゃん……。」には激しく同意。 ブロッケン山の魔女集会、の章にはゴヤの絵「魔女たちの集会」、ファレロ「魔女の旅立ち」が紹介されている。どちらも素敵だが、より肉感的なファレロの絵は大丈夫なのかな、と思った。ともにスペイン人なので、異端審問とかの心配をしてしまう。ヴァルプルギスの夜、子供の頃、子供向けの「ファウスト」を読んだことがあったのだけれど、ヴァルプルギスの夜についての記述の記憶はない。 蛙の雨、ファフロツキーズ、SEKAI NO OWARIの歌詞でこの言い方を知った。現象自体は知っていたが、蛙だけでなく、オタマジャクシ、魚もあったと思う。この章の始めに書かれている、子供の自殺に母親が手を貸してしまった事態のほうが、確率としては低すぎるくらいのように思う。 犬の自殺、この話は初めて聞いた。犬が飛び降りたがる橋の話は聞いたことがあるのだが、まあ人を飛び降りたがらせる橋や駅や崖があるとしか、思えないようなことは聞いたことがあるので、さほど不思議には思わなかった。しかし獣医は人間相手の医者よりも5倍も自殺者が多い、というのは初めて聞いた話だった。 ホワイトハウスの幽霊、この話も聞いたことがある。偶然の一致というのは凄いもので、数字の遊びみたいなものかもしれないけれど、確かにこんな偶然はなかなかないだろうなあ、とは思う。 貴種流離譚、ディカプリオ主演の「仮面の男」も見に行ったし、遙か昔にデュマの「鉄仮面」も読んだことがあったので、その話だと思ったが、他にもいろいろ出てきたのが面白かった。アレクサンドル1世の話はとても面白い。日本でも明智光秀は生きていて天海になった、とか、源義経は生きていてジンギスカンになった、などがある。やはりそのような話はロマンがあるのだろうか。 ディアトロフ事件、こちらも有名な話。実際に何が起きたのか、今は調べる術もなく、想像することしか出来ないけれど、こんなに想像を掻き立てる話もなかなかない。私は自然発生的なものだと思っている(雪崩や超低周波も自然発生だし)。人間は何でも出来るようになったかのように見えるが、まだまだ不可思議なことは残っているように感じる。
Posted by
本に使われている紙が厚くページをめくりにくく、そのせいではないのだが、中野京子の著書にしては、ぐいぐいと引き込まれるほどのものではなかった。やはり、絵画のエピソードを紹介する方が、中野京子さんは得意なのかも。 とはいえ、最後のディアトロフ事件など、ゾクゾクするような事件は興味深か...
本に使われている紙が厚くページをめくりにくく、そのせいではないのだが、中野京子の著書にしては、ぐいぐいと引き込まれるほどのものではなかった。やはり、絵画のエピソードを紹介する方が、中野京子さんは得意なのかも。 とはいえ、最後のディアトロフ事件など、ゾクゾクするような事件は興味深かった。これに絵があれば尚いいのに。
Posted by
各章に関連する絵画が載っているのかと思っていたので、絵が載っていない章はちょっと残念。「カエルの雨」の章での「変なものが降ってくる」はジョジョ第6部でカタツムリが降ってくるのに通じているのかな。
Posted by
「ハーメルンの笛吹き男」や「エクソシスト」、「ディアトロフ遭難事件」など、ネットや書籍で散々触れているオカルティックなテーマが盛りだくさんだったので、私自身も「中野先生の文章で復習すっか!」みたいな軽い気持ちで読みましたが、モチーフとして描かれた絵画による彩り、同じ内容でも語り手...
「ハーメルンの笛吹き男」や「エクソシスト」、「ディアトロフ遭難事件」など、ネットや書籍で散々触れているオカルティックなテーマが盛りだくさんだったので、私自身も「中野先生の文章で復習すっか!」みたいな軽い気持ちで読みましたが、モチーフとして描かれた絵画による彩り、同じ内容でも語り手が違うだけで初めて知る話のように興味深く感じられました。なかには今まで知らなかった情報も含まれていたりと、復習どころか、新鮮な気持ちでわくわくして読むことが出来ました
Posted by
勝手に絵画の本と思ってたが、タイトル通り奇譚だった。ちょっと興味がある奇譚ばかりだったので面白かった。
Posted by
「怖い絵」! の中野京子さんですよね、 と何度もつぶやいてしまった あのシリーズが あまりにも面白かったので それはそれは夢中になって 読み進めていたころが 遥か昔のように 思ってしまう 一枚の絵に 隠されている謎 託されている怨念 匠な比喩 歴史に精通しているからこその ...
「怖い絵」! の中野京子さんですよね、 と何度もつぶやいてしまった あのシリーズが あまりにも面白かったので それはそれは夢中になって 読み進めていたころが 遥か昔のように 思ってしまう 一枚の絵に 隠されている謎 託されている怨念 匠な比喩 歴史に精通しているからこその 裏まで見通す語り それらが 残念なくらいに 薄まってしまっている そんな印象を持ちました
Posted by
- 1
- 2