社長、会社を継がせますか?廃業しますか? の商品レビュー
私自身が他人から事業を受け継ぐ可能性があったため、事業承継についての知識を得ようと手に取った本のうちの一つ。中小企業の社長に向けて司法書士によって書かれた「会社の手放し方と社長のやめ方のバイブル」。 廃業しても借金が残ることが想定されるようなリアルなケースを想定し、会社の終わら...
私自身が他人から事業を受け継ぐ可能性があったため、事業承継についての知識を得ようと手に取った本のうちの一つ。中小企業の社長に向けて司法書士によって書かれた「会社の手放し方と社長のやめ方のバイブル」。 廃業しても借金が残ることが想定されるようなリアルなケースを想定し、会社の終わらせ方に対する方針や心構えについて触れられている。 会社の終わり方には大きく、相続、承継、倒産、廃業がある。「相続」や「倒産」は、後に残った人に大きなダメージを与える。「承継」は実現にあたり根深い私物化ゆえの問題がハードルになることが多い。よって本書は、まず最も現実的である「廃業」のイメージを明確にした上で、そこから他の可能性について判断してゆくべきだと主張している。 自社分析にあたっては改めての決算書の見方について説明がある。本書を元に現状分析を進めてゆけば、これから何を進めてゆけば良いのかの方針が得られるだろう。M&A等のような理想論ではなく、泥臭い後始末を鑑みて「廃業」についてまず考えるべきだと強調しているところに本書の現実性が感じられる。 そもそも本書を読むような社長には責任感がある。しかし自己中心的な社長にとっては、自分が会社に関われる限り会社の終わらせ方にそもそも興味はないだろう。そういった意味では後継者になり得るような人こそ本書を読み、現在の社長に会社の終活をはたらきかけてゆく必要がありそうだ。
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コロナ禍で倒産の道、廃業の道を選ぶ会社。似て非なる二つの道。今だからこそ読むべき中小企業の社長は多い気がする。
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