黙過 の商品レビュー
『黙過』〜知っていながら黙って見逃すこと。 下村 敦史さんのメディカル・ミステリー。 最初に四つの独立した短編があり、それぞれ登場人物も背景も流れも異なり、一応、謎の解決を見る。 しかし、最後、五つめの短編て、前四つの話が巧妙に絡み合い、最後、驚きの真実が明らかになる。 ・...
『黙過』〜知っていながら黙って見逃すこと。 下村 敦史さんのメディカル・ミステリー。 最初に四つの独立した短編があり、それぞれ登場人物も背景も流れも異なり、一応、謎の解決を見る。 しかし、最後、五つめの短編て、前四つの話が巧妙に絡み合い、最後、驚きの真実が明らかになる。 ・優先順位 ・詐病 ・命の天秤 ・不正疑惑 ・究極の選択 人と人、命の重さとは? 人間の命と動物の命の重さは? いろいろ難問が出てきますね。 どんでん返しは、さすがです。
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最後に物語を無理やり繋げた感もあるが、異種間移植というものがあるものがあることを初めて知り、勉強になった。 現時点で実際どこまでできるのか分からないが、倫理上の問題が非常に多そうだ。
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去年秋頃アメリカで豚の腎臓を人に移植成功!というニュースがありましたね〜 それを思い出しました。 各短編に強引なこじつけにも感じる言動が多々見られ読みながら少し冷めてしまう事もしばしば…。 が、一つの定義に対しそれぞれの立場からそれぞれの正解が違う。 見る側面を変えればどちらが正...
去年秋頃アメリカで豚の腎臓を人に移植成功!というニュースがありましたね〜 それを思い出しました。 各短編に強引なこじつけにも感じる言動が多々見られ読みながら少し冷めてしまう事もしばしば…。 が、一つの定義に対しそれぞれの立場からそれぞれの正解が違う。 見る側面を変えればどちらが正しいのか…答えが出ない、そんな問題定義に頭は右往左往、心はそれぞれの心情に寄り添ってしまう。 人の生き死にを誰がどのように決めるべきなのか… 医学の進歩はゆっくりと、でも着実に前に進んでいるんですね。
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表紙がさー笑笑あなたは5回騙されるって書かれると。 騙されてなるものか!って気持ちで読んじゃうよね。笑笑 いや、騙されるんだけど、そっち!?え!?そっち!え!!!ラストはそっち!!!!みたいな。 短編のような長編になってて、じわりじわりと真相が顔出します。 しかも。終わったか...
表紙がさー笑笑あなたは5回騙されるって書かれると。 騙されてなるものか!って気持ちで読んじゃうよね。笑笑 いや、騙されるんだけど、そっち!?え!?そっち!え!!!ラストはそっち!!!!みたいな。 短編のような長編になってて、じわりじわりと真相が顔出します。 しかも。終わったかのように見えた最初の事件が、、、、とか、それ真相と思われてホントは違うの!?待って!!!!!、 ってなるのよねぇ。 面白かったんだけど、この後付け表紙がなければもっとびっくりしたような気がしたのはわたしだけ? なんか一回目の返しあたりで、あと四回騙すんでしょ?わたしを。って思いながら読んでしまったもの、笑笑 この表紙、たしかに買いたくなるけど、読むときには無い方が楽しめるよなぁ。と個人的に思いました。
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短編で一つ一つの話でどんでん返しがあったのですが、そこまでの衝撃度はないし、回収されない伏線があったなぁと思っていたら、最後の話で見事な伏線回収とどんでん返しでした。素晴らしい作品でした。
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移植医療を考えさせられます。 移植するにはドナーが必要であり、いない場合にはどうすれば助けられるのか? 他に倫理観を考えさせられる話が最後の結末に纏まり、最後まで面白く読めました。
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医療ミステリとしてツイッターでおススメいただいたので読んでみた初めての作家さん。 短編かと思いきや、<最後の話でそれまでのすべてがつながる系>だった。 勘のいい方はもっと早く気づくのだろうけれど、私は最後の話で、「え?」「ええ~っ!」となりました。 こう説明すると、「あ、どんで...
医療ミステリとしてツイッターでおススメいただいたので読んでみた初めての作家さん。 短編かと思いきや、<最後の話でそれまでのすべてがつながる系>だった。 勘のいい方はもっと早く気づくのだろうけれど、私は最後の話で、「え?」「ええ~っ!」となりました。 こう説明すると、「あ、どんでん返し系ね」との認識で終わってしまうかもしれないけれど、本書のテーマは「命」です。 テーマが命とは、これまたありがちじゃんと思われる向きもあるかもしれませんが、けっこうガチで「命に順列はあるのか」と突き付けてきます。 それも人間だけでなく動物をも含め、そしてこれをさらに突き詰めていくと、植物ももちろんのこと、この世の生きとし生けるすべてのものを含んでいくんでしょう。 そう考えたとき、本書でASGが声高に主張する内容はこれまた一方的な見方にしかすぎず、ただただ煽情的で正義とは程遠いものだとわかります。 結局ありきたりではあるけれど、私は「自分という命がここに存在している以上、かならず他の犠牲の上にあり、だからものをいただくときには、感謝しておいしく残さずいただく」ということ、「ものを使うときには大切に長く使う」ことが大切だと今まで以上に心に刻んだ次第です。 なお本書に低評価をつけている方には、最終的な問題である”あれ”が荒唐無稽すぎるという意見がありますが、それは現実を知らなすぎるおめでたい意見だな、と。 少なくとも私はこの本で取り上げられている最終的手段の心臓移植と同じ手術が先日他国でなされたというニュースを新聞で読んでいます。 はじめての作家さんでしたが<社会派>の方だそうなので、今後も追いかけてみたいなと思いました。 ★黙過=だまって見のがすこと。知らないふりをしてそのままにしておくこと。 ====データベース===== 第7回徳間文庫大賞受賞!! 瞠目の医療ミステリー 移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。
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5編の短編からなるミステリーの形をした長編作かな、と。 黙過という言葉は黙って見過ごすという意味の言葉で、タイトルからして重い。 何を見過ごすかということを考えるといろいろな生活の場面場面で日ごろから選択、選別している。 何気なく食べているものはどうやって作られて食卓に運ばれるの...
5編の短編からなるミステリーの形をした長編作かな、と。 黙過という言葉は黙って見過ごすという意味の言葉で、タイトルからして重い。 何を見過ごすかということを考えるといろいろな生活の場面場面で日ごろから選択、選別している。 何気なく食べているものはどうやって作られて食卓に運ばれるのか。鞄や財布などの革製品にしたってそうだ。そういうことから考えてしまう。 生命、命とはだれのものなのか。魂はどこに存在するのか。 人と他の生命(動物)は何が違い、どう区別するのか。 鯨は? サルは? 家畜は? 愛玩動物は? どこからが差別なのか。区別なのか。命の選別を問いかけるテーマが重い。 医療ミステリーの形で生命倫理、技術研究、医学の進歩などを考えさせる。 どのような選択をとるのか。自分のことに置き換えて少し考えてしまった。 ちょっと荒唐無稽な部分もあるけれど、そこはフィクションなのでいいのである。 動物保護団体については真向否定したい気持ちが残る。 医療倫理はその人次第。時代で考えや価値が変わるので移植が不要になることが理想ではある。 けれど、人間の延命治療ってどこまで許されるのだろうか。 世界はエゴで出来ている。
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いつだか、大様のブランチで下村敦史さんご本人が出演されており、久しぶりに読みたいなと手を取りました 再読作品でしたがやっぱり面白かった! 短編なる長編スタイルはもともと大好きだけど この作品は 異なる4編の大どんでん返し作品があり、最後5編にこの4編からなるストーリーの大大大ど...
いつだか、大様のブランチで下村敦史さんご本人が出演されており、久しぶりに読みたいなと手を取りました 再読作品でしたがやっぱり面白かった! 短編なる長編スタイルはもともと大好きだけど この作品は 異なる4編の大どんでん返し作品があり、最後5編にこの4編からなるストーリーの大大大どんでん返しが展開する形で、 再読ではあったものの、5編をしっかり楽しむには 「1~4編の登場人物は自分の中でしっかりキャラ立ちさせておく」のがおすすめ 医療ミステリ、人間と動物の命、助成金収賄…などなど テーマはかなり重めなのに、 なんの違和感もなくさらっと読めます どんでん返しもあり、キャラもよかったので 「なんだかこれを読んだことのある人と お茶しながらいろいろと語り合いたい~~~~!」 と あまり社交的でない私が思ったんだから それくらい読了後の余韻がすごい(笑) あと 解説者としてあの有栖川有栖さんが登場しますが 要所要所に 「ミステリが嫌いな人も存在する」ということを 書いていて、 素晴らしいミステリの巨匠であるにもかかわらずそういうことをサバサバと捉えているあたりがすごく好感を持てました
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4つの短編それぞれもちゃんと完結しているのに、最後に見事なまとまりだった。 それぞれの視点から読んだあとの最終章。 命のありかたについても考えさせられたし、自分だったらどういう選択をするのか…
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