夜とふたり の商品レビュー

ジョゼ(著者)

2020/12/28

▼あらすじ
“吸血鬼が棲んでる"という伝説のある人里離れた村にやってきた満。
亡き祖父の別荘で暮らし始めたある日、祖父の知人と名乗る男・直治と出会う。
好みの顔である直治を味見しようと近づく満だったけど、寝ぼけた直治に逆にキスをされちゃって!?
あげくに直治と抜き合いをする仲になってしまった満だけど…??

＊＊＊

ストーリーの完全度：普通
トーン：ほのぼの
エロ度：普通
萌え度：非常に高い
総合評価：★4.8

初読みの作家さん。吸血鬼もの大好物なのでワクワクしながら読みましたが、期待以上の作品でした！
絵柄も素敵だし、全体的に透明感のある空気を感じられる作品で、ほんのちょっぴりせつない感じなのも夏という季節とマッチしていて凄く良かったです。
植物や背景などの描き込みも丁寧で、とにかく雰囲気が良かったのが印象的でした。

ただ、直治がなぜ吸血鬼になってしまったのかは最後まで明かされず、不老不死なのか、それとも寿命があるのか…吸血鬼の部分については謎が多いです。ただ、既に普通の人間では有り得ないほど長生きしていているのは確かなようです。(見た目も変わってないっぽい)

満の父親との確執もさらっと描かれただけで終わってしまいましたし、どちらかと言えば雰囲気重視の作品なので、説得力のあるストーリーが好きな方には少々物足りないかも。
個人的にはキャラクターの背景をもう少し掘り下げても良かったような気がしますが、扱ってるテーマが割と重たいのに対してこの読後感の爽やかさはそういった細かい部分が深く語られていないからこそだと思うので、これはこれで良いのかなとも思ったり。
雰囲気とCPさえ好みなら誰でも楽しめると思います(^^)

少し臆病で、それでも寂しさ故に人と関わる事をやめられない直治と、グイグイ迫る満の関係性が非常に良きでした♡
直治が生まれながらにして吸血鬼じゃないのであれば、満も吸血鬼になれる方法があるのかな…。いつかまた一人ぼっちになってしまうかもしれない直治の事を考えると凄く辛いので、出来るなら満も不老不死？になって永遠に一緒にいてほしいですね。

あと、欲を言えば直治の吸血シーンがもっと見たかったな。口元から鋭い牙を覗かせて満の指についた血を舐める直治が色っぽくてめちゃくちゃ萌えたので…！(*´д｀*)ﾊｧﾊｧ
一応、綺麗にお話が終わってるので望み薄ではありますが、いつか続編が出たらいいなと密かに願いつつ…。ジョゼ先生の次回作も期待しています！