エネルギー新時代の夜明け の商品レビュー
現在のエネルギー(電力)を取り巻く問題がコラム的に柔らかい論調で論じられており、包括的な理解に役立つ。 業界紙へのシリーズ連載をまとめた本のため、出版年は2020年8月だが書かれている事実はそれより前の時点のものもある。連載のまとめのため多少内容に重複するところがある。 印象...
現在のエネルギー(電力)を取り巻く問題がコラム的に柔らかい論調で論じられており、包括的な理解に役立つ。 業界紙へのシリーズ連載をまとめた本のため、出版年は2020年8月だが書かれている事実はそれより前の時点のものもある。連載のまとめのため多少内容に重複するところがある。 印象に残ったのは、Y.N.ハラリ氏著「サピエンス全史」から“神話や宗教などの「共同主観的」な想像は、原始的なコミュニティよりはるかに巨大な国家を支える「共同主観的現実」になった“ことを引用して、科学的に正確でないという点だけに着目してフェイクニュースを軽視することは極めて危険、と訴えているところ。エネルギーや環境問題においては科学的な裏付けなく盛り上がり膨らんでいく論調も目につくが、これもヒトの特性として認識し向き合う必要がある。 また、「備忘録」の章に収録された「専門家の限界と節度」も興味深い。
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