初夏の訪問者 の商品レビュー
「小蔵屋」のような和食器と珈琲豆を扱うお店があれば近所にあったらいいな。草さんのような、いつもしゃんとしている人が身近にいたらどんなに心強いだろうか。紅雲町の街の風景やそこに住む人達のざわめき、風の匂い、そういったものを感じながら毎度読んでいるこのシリーズは楽しみの一冊。不穏な空...
「小蔵屋」のような和食器と珈琲豆を扱うお店があれば近所にあったらいいな。草さんのような、いつもしゃんとしている人が身近にいたらどんなに心強いだろうか。紅雲町の街の風景やそこに住む人達のざわめき、風の匂い、そういったものを感じながら毎度読んでいるこのシリーズは楽しみの一冊。不穏な空気が流れていてもちゃんと草さんが解決してくれるという安心感がある。
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人気シリーズ8作目。 生まれた町で好きな物を並べた店をやっているお草さん、高齢なりの知恵と勇気とおせっかいで町の事件を解きほぐす? 紅雲町は何かと波乱含みの日々。 怪しげな商売に走る人あり、アル中の弟を抱えた人あり。 コーヒー豆と和食器の店をやっているお草さん。 店の大事な店員...
人気シリーズ8作目。 生まれた町で好きな物を並べた店をやっているお草さん、高齢なりの知恵と勇気とおせっかいで町の事件を解きほぐす? 紅雲町は何かと波乱含みの日々。 怪しげな商売に走る人あり、アル中の弟を抱えた人あり。 コーヒー豆と和食器の店をやっているお草さん。 店の大事な店員である久実と恋人の一ノ瀬との仲も微妙なものがあって気になるのでした。 そんなある日、お草のもとへ「本当は村岡良一」だと名乗る男が現れる。 離婚した後に、水の事故で亡くなった幼い息子が実は生きていた? 詐欺かとすぐに思った草だが、男は証拠の品を見せ、話し方にもなぜか真実の響きが… お草が家を出た後に起きた事故なので、お草は現場にはいなかった。 とはいえ、まさか? 夫とは彼が芸術家の集まる集団を主催して高揚している時期に出会い、挫折した後に婚家に入った。 そこで草はひどい扱いを受け、それを止められない夫とついに別れたのだから。 結婚の詳細は当初は語られていなかったので、そんなこととはと驚きます。 幼い我が子の死は草にとって忘れることのできない悔いと悲しみであり、シリーズの底に響く重低音のようなもの。 え、まさか息子が生きていたという展開?! 家を出され、女中のキクの子として育てられたという男は、本当に息子なのか。 やがて真相とそのいきさつを知ることになるお草さん。 人の気持ち、思わぬことで絡み合う人生、我が子を救うための嘘。 しみじみとした余韻を残す作品でした。
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死んだ息子が突然お草さんに会いにきた!Σ(´□`;)自分の事だけでも大変なのに、ご近所問題も解決へ導く(゚A゚;)毎回思う事だけれども、お草さんを優しく見守る由紀乃さんの存在は大きい(^^)
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シリーズ8作目。今回もザラっとした、肌触りの悪いものの表面を撫でているような感覚を持ちながら読了。作中2,3度草がおやつに個包装のチョコレートを食べるのだがそのたびに超ビターな味が自分の口の中に広がっているように感じた。とにかくどこかすっきりした味わいがない、けどここまで草と小蔵...
シリーズ8作目。今回もザラっとした、肌触りの悪いものの表面を撫でているような感覚を持ちながら読了。作中2,3度草がおやつに個包装のチョコレートを食べるのだがそのたびに超ビターな味が自分の口の中に広がっているように感じた。とにかくどこかすっきりした味わいがない、けどここまで草と小蔵屋とその周辺の人々の人生を見てきたので見守り続けたい思いはある。 今回はがっつり草の過去に絡む話。そこに近所のすし屋や怪しげな宗教が絡むが、このサブストーリーがちょっと弱い気がして惜しい。いつも通りハッピーエンドではないが、草が過去と向き合えたのはよかったと思う。また読んでいて彼女のものの見方がより余裕ができたように思う。これまで年長者で広い視野でものを見ているようでいて実は狭い感じがしていたので。人物造形の描写のせいかもしれないが。 今回だけの登場になるだろうがキクはよかった。苦労ばかりの人生でもまっすぐ前を見ているところに好感が持てた。学にしたことは私は非難できない。でなければもっと悪い方向に転んだかもしれないから。 一ノ瀬が凄くいい。彼の人となりが好き。ここにきて久実以上に主人公を支える重要な脇役になっている。 ただ、一ノ瀬もそうだが、このシリーズは皆秘密を抱えて、時には大切な相手に噓をついていることが読んでいて苦しい。多かれ少なかれ人はそうしたところはあるのだろうけど。
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もうシリーズ8作目なんだ! 良一と名乗る人が悪い人でありませんように…と思いながら読みました。 日常ミステリー的な話は、本当に身近に嫌な人がいる気分になるので、なるべくいい人に囲まれた話が読みたいです。
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紅雲町にあるコーヒー豆とお皿を販売する小蔵屋を営む杉浦草、通称お草さん。 3歳で水の事故で亡くなったはずの息子、良一を名乗る男が お草さんの元に現れてから 昔の記憶が蘇りかき乱される心。 近所のもり寿司は怪しげな新興宗教の力を経て営業をしているのを冷ややかな目で見ながら もり寿司の店主の身重の妻、江子との交流。 良一と名乗る男も週借りしている空き家の目立つ森マンション。 その向かいにある眼科と薬局を営む宇佐木兄弟。 紅雲町のシリーズ、順番わからなくてまさかの最新刊を読んでしまった! 嘘もそれぞれ、人を陥れたり人を守るためだったり、色々。 ネタバレ 良一と名乗る丹野学は、お草さんが嫁ぎ先にいた頃 幼い良一の顔を見せにきてくれたり色々世話をしてくれたキクの息子。 学歴がない親も元に育ちグレそうになった学を励ますために 本当は良家の子供であり生みの母はお草さんだと キクがついた嘘。それを信じお草さんを頼ってきた丹野学。 他のも読んでみたい。
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良さげな話でまとめてあるが、恐ろしい事です 自分にとり触れられたくない弱点であり聖域を 悪意あるわけではないが踏み躙られた草の心境 たるや如何に! 高齢者が一人で暮らしていく心構えが作品から ヒシヒシと伝わってくる 全員がこのような暮らし方は出来ないけれども 生き甲斐を持ち続けられるのは羨ましい
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紅雲町珈琲屋こよみの最新刊。 今回はモヤモヤささられる話。死んだはずの良一だという人物が現れる。 草さんの周りの人達が彼女を支え、助けてくれる。 読み出すと止まらない。 久美と一ノ瀬さんがうまくいきますように。
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季節柄、ずっと雨が降り続いていたような感じ。梅雨明けと共に解決。お草さんの元夫って亡くなっていると思っていた。生死を確認していないだけだったのね。 アスパラが食べたくなった。 キクが悪いことしたと思っていないみたいなのが、気持ち悪い。
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紅雲町珈琲屋こよみシリーズももう8作目。こざっぱりした主人公、草さんの考えや行動が気持ちよくてはまっていたのだが、今回は草さん、なんとアクションシーンを! というのはともかく(本当にあるんですが…)、今回のテーマは「嘘」、経営の傾いたお寿司屋さんではエセ健康食品と新興宗教がはびこり、アル中薬剤師の弟をもつ眼科医は家庭をボロボロにされ、ヒロイン?久美の彼氏は実家の仕事をやっていることをひた隠し、草さんの周りがやたらざわつき始めたところに、なんと死んだはずの息子の名をかたる男が草さんの前に現れる。 こんだけの伏線を張って、いったいどうなるかと思いきや、ほとんどの伏線は無事に回収され、物語をきっちりと収めてくるのはさすが。単純なハッピーエンドで終わらせず、まだまだ大変だけど希望はつながった…的な終焉がビター味で、しっかりとシリーズの良さを引き継いでいる。 久美の彼氏(一ノ瀬)のウソだけは、進展するものの完全なる次回持越となっているので、次回作以降のテーマになってくるのだろう。 それにしても、過去作の記憶が次第に薄れてきた。一度読み直しておいた方がいいのかも知れないなぁ。
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