降るがいい の商品レビュー
ショート13編。人生半ばを過ぎ、人の心に去来する苦い思い出や切ない過去。苦い思いの陰に隠されていた真実。重い人間模様が描かれていた。過去を振り返っても戻ることは出来ない、その時の決断を信じて生きていく。人生は悲哀と後悔なんだと、身につまされる。
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13編の短編小説集。 刑事物が好きで読んでいる著者の朗読会で発表した作品だそうです。 どの作品もどこにでも存在するような人たち。 色んな出来事の中で登場人物の心の内側が見え隠れしていました。 とても良かった。
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スキマ時間に読める、短編集。 とても読みやすい文体。 日常見過ごしてしまうような些細な出来事から起こる人間模様を描いている。
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01月-12。3.0点。 短編集。警察ものは無く、全編難しい人間関係。 朗読ものが中心のため、一編が短い。
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*本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされる...
*本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る。佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ、全13篇* どこかで始まった物語の、終盤だけを切り取ったような短いお話たち。削ぎ落された文章と、その後も続きがあるような豊かな余韻。お見事としかいいようがない。 朗読会用の作品が何編か収録されているせいか、なんとも不思議な読後感も癖になりそう。短いそのお話だけではなく、その前後の物語にも思いを馳せてしまうような・・・
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ままならない人生を切り取ったような短編集。 最後かニ編はコロナ禍を背景にした話。 「分別上手」が好き。 密かにしてやったリ的な? 近藤よう子の漫画を思い出した。
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オチまで書くのではなくフワッと終わらせて読後10秒くらい考えて、ああっとなる構成。各章の登場人物が実は繋がっているような展開になればより楽しめた。
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警察小説を書かせたらピカイチの佐々木氏が描く人の心の機微。13篇の短編と掌編は、人の言葉の裏に隠された本当の思いや、ありふれた人間関係に潜む危うさを上手く拾い上げ、ヒンヤリとした心地にさせる。 中でも好きなのは「三月の雪」。 客が一人も来なかった日、雪の降る深夜のバーに現れた流...
警察小説を書かせたらピカイチの佐々木氏が描く人の心の機微。13篇の短編と掌編は、人の言葉の裏に隠された本当の思いや、ありふれた人間関係に潜む危うさを上手く拾い上げ、ヒンヤリとした心地にさせる。 中でも好きなのは「三月の雪」。 客が一人も来なかった日、雪の降る深夜のバーに現れた流しのギター奏者。曲を弾くから一杯だけ飲ませてくれという青年を迎え入れるバーの女性経営者。静かなクラシックギターの音色に誘われ彼女の脳裏に浮かんでくる過去の男との苦い別れ。静かなバーとクラシックギターの奏でるメロディー、2人の会話、苦い過去・・・そして、ほのかに浮かぶ希望の光。すごく香りのいいウィスキーを飲んでいるような気分にさせてくれた余韻ある物語でした。 でもやっぱり、佐々木さんには昔のように硬質な警察ものを書いて欲しいな~
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朗読会での発表短編が納められている。朗読会で聴きたかったです。読んでもいい短編集。年月を重ねて生きてきた事で考えされられるお話し。13篇の短編集良かったです。
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短編が13編。近年警察モノが多いが、もともとはハードボイルドでの引き込まれる抒情的な文章が好きで読み始めた作家さん。巧妙で洗練されたストーリー、切なさや諦め、新たな希望…、行間に込められた登場人物の想いや終末の余韻が難とも言えない。
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