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猿神 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2020/10/23

プロローグで語られる笹っ原。行くなと言われるような土地はある時造成され七つの工場が稼働していた。時は1989年、好景気を支えていた小さな工場では実際は何が起きていたのか。24時間戦えますか。今では考えられない現実がそこにある。過重労働と無理難題にやり場のない怒りや鬱積は積み重なり...

プロローグで語られる笹っ原。行くなと言われるような土地はある時造成され七つの工場が稼働していた。時は1989年、好景気を支えていた小さな工場では実際は何が起きていたのか。24時間戦えますか。今では考えられない現実がそこにある。過重労働と無理難題にやり場のない怒りや鬱積は積み重なり、何かに捉えられてしまったのだろうか…。まぎれもなくこれはホラーだ。得体のしれない何かや人の狂気よりも「ラインが止まる」ことを心配する彼らに絶句する。「本当に恐ろしいことはきっと、誰も口にしない。」その言葉が妙にリアルに響いた。

Posted byブクログ

2020/10/03

何も伝承もされない、ただ恐怖だけが言い伝えられる。 ホラーというほどホラーではなかったが、ぞわぞわする感じはあった。 「昔の出来事を語る」という視点なのに、3人称もまざっているのがちょっと気になる・・・

Posted byブクログ

2020/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここには「得体のしれない怖さ」と「得体のしれる怖さ」があった。 足元からぞわぞわと這い登ってくる恐怖、と、頭の上からガツンと落とされる恐怖。怖い怖い怖い。 メーカーという「会社」組織の中で仕事をしている人たちにとって、日常の中にある起こりうる、もしかすると明日に自分にもあり得る「ナニカ」。 そしてなんとなくいわくありげな地名に住む、あるいは働く人たちにとっても起こりうる「ナニカ」。 小説、という向こう側でしか起こらないだろうあっちの狂気と、明日、自分の生活圏で起こるかもしれないこっちの狂気が交互に襲ってくる。 猿神とは。表紙の工場に繁る笹の意味とは。ぞわぞわぞわぞわ。うわん…うわん…うわん。

Posted byブクログ